現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 初代ロードスターにジャガー製V6エンジンを搭載。でも、意外なほど乗りやすかったワケとは

ここから本文です

初代ロードスターにジャガー製V6エンジンを搭載。でも、意外なほど乗りやすかったワケとは

掲載 更新 11
初代ロードスターにジャガー製V6エンジンを搭載。でも、意外なほど乗りやすかったワケとは

コンパクトで軽量な初代ロードスターは、ライトウエイトスポーツカーのお手本のようなクルマだ。本来直列4気筒を収めるこのボディに、3L V6エンジンを搭載するとどうなるのか? これを実現したモンスターロードスターを紹介しよう。

心奪われた「純正エンジンより軽く、100ps以上パワーアップ」のセールストーク
今回紹介するフルチューンのロードスターは、宮城県仙台市でロードスターのプロショップ「ケンオート」が製作。代表を務める小原さんは、スーパー耐久をはじめ、公式レースで活躍するドライバーとしての顔も持つ。それだけにバランスを無視したチューニングは自らのスタイルじゃないと考え、ロードスターの大排気量エンジン換装にも興味を示さなかった。しかし、海外のイベントを訪れた時にエンジンをスワップしたロードスターに心を奪われた。

●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか

そのクルマのエンジンには、「AJ」と呼ばれるジャガーの3LのV6エンジンが搭載されていた。最高出力は243ps、最大トルクは31kgmを発生。NA型ロードスターに搭載されていた1.6LのB6型(120ps/14kgm)や1.8LのBP-ZE型(130ps/16kgm)と比較すると2倍近い数値。比べモノにならないほど力強い。

しかし、小原さんを虜にしたのは出力とトルクだけじゃなかった。なんと1.8L 直4のBP-ZE型エンジンよりも、3L V6のAJ型エンジンの方が5kgも軽いというセールストークだったのだ。載せ替えに必要なパーツはキット化され、しかも日本国内におけるAJ型中古エンジンの流通量もそこそこある。その場でメーカーと交渉し日本への輸入を決意。

帰国してからは、キットパーツの到着を首を長くして待っていた。しかし、そこは海外メーカー、納期は大幅に遅れ、実際に届いたキットにはボルトオンで装着できないパーツも多数含まれていた。さらにエンジン重量を実測してみると、実際にはBP-ZEとほぼ同じだったことも判明・・・。

だが、そうした部分を差し引いても、大いに魅力的なメニューであることに変わりはない。そこからコツコツと地道な作業を重ね、1年を軽く超える年月をかけて、ついにエンジンの載せ替えが完了。公認車検も取得して、とうとう公道を走れる状態までこぎ着けた。日本では新たに「FC」という原動機の型式を与えられた。

出力&トルクの特性は純正エンジンと同等。ドライビングに違和感なし
当然といえば当然だが、130psを発生する1.8L BP-ZE型エンジンと比べると最高出力は100ps以上、最大トルクも15kgmは上まわっているのでフィーリングは別モノ。しかも車両重量もノーマルと大差なく、さらにエンジンがバルクヘッド寄りに搭載されているので、ロードスターの持ち味である軽快感を失っていなかった。エンジンの出力&トルク特性もBP型エンジンと同等の回転域を示し、レブリミットもほぼ同じなので違和感をほとんど感じないという。

パワーユニット交換により大幅にパワーアップしたとはいえ、エンジンそのものはあくまでも「ノーマル」のまま。そのため、チューニングエンジンのようにメンテナンスに神経質にならなくてもいいのはありがたい。これはユーザーとしては見逃せないメリットだろう。

以前スポーツランドSUGOをテスト走行したときは、ウエット路面にもかかわらず190km/hをあっさりとオーバーしてしまう性能を披露した。今後は主にサスペンションのセッティングを煮詰め、よりサーキットで速く、そして楽しく走れるよう仕上げるそうなので期待したい。

気になる費用だが、載せ替えキットが海外からの送料・税金などを含めると120~140万円。FCエンジンの中古相場がおよそ30万円、これに工賃と公認車検を入れると250万円~が目安となる。気軽に踏み込める領域ではないが、NA・NBを一生の相棒として考え、異次元の速さと乗りやすさを手に入れたいのなら、チャレンジする価値は十分にあるだろう。もちろん、ケンオートも全力でバックアップしてくれるので安心だ。

[ アルバム : ケンオート V6 NAロードスター はオリジナルサイトでご覧ください ]

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

アルピナの未来、26年「BMW傘下」でどう変わる? 高性能EV&Mモデルとの差別化を考える
アルピナの未来、26年「BMW傘下」でどう変わる? 高性能EV&Mモデルとの差別化を考える
Merkmal
全長2.5mで新車100万円級! トヨタの「斬新2シーターモデル」がスゴイ! めちゃお手頃サイズなのに「必要にして十分」の“おふたりさま向けマシン”とは
全長2.5mで新車100万円級! トヨタの「斬新2シーターモデル」がスゴイ! めちゃお手頃サイズなのに「必要にして十分」の“おふたりさま向けマシン”とは
くるまのニュース
高すぎるよぉ…! 価格が暴落したら買いたいスーパーカー3選
高すぎるよぉ…! 価格が暴落したら買いたいスーパーカー3選
ベストカーWeb
男性が乗って女性にモテるクルマTOP5は? ChatGPTに聞いて出た「ホントかよ!」な答えとは!!
男性が乗って女性にモテるクルマTOP5は? ChatGPTに聞いて出た「ホントかよ!」な答えとは!!
WEB CARTOP
悲喜交々のST-4。「複雑な気分」のENDLESS GR86と「逆に清々しい気持ち」で5連覇を逃した冨林勇佑
悲喜交々のST-4。「複雑な気分」のENDLESS GR86と「逆に清々しい気持ち」で5連覇を逃した冨林勇佑
AUTOSPORT web
光岡、話題の55周年記念車『M55』を市販化、100台限定で808万5000円
光岡、話題の55周年記念車『M55』を市販化、100台限定で808万5000円
レスポンス
「とりあえず増税ね」で50年!? 「世界一高い」自動車諸税&ガソリン税“見直し”正念場 “年収の壁”の向こうの璧
「とりあえず増税ね」で50年!? 「世界一高い」自動車諸税&ガソリン税“見直し”正念場 “年収の壁”の向こうの璧
乗りものニュース
あれぇぇ!? [ノートオーラNISMO]と[シビックRS]を比較してみると意外な結果
あれぇぇ!? [ノートオーラNISMO]と[シビックRS]を比較してみると意外な結果
ベストカーWeb
レゴ、F1全チームをテーマにした製品を2025年1月1日から販売開始。往年の名車ウイリアムズFW14Bなど“オトナ向け”製品も3月に発売
レゴ、F1全チームをテーマにした製品を2025年1月1日から販売開始。往年の名車ウイリアムズFW14Bなど“オトナ向け”製品も3月に発売
motorsport.com 日本版
ホンダが「凄い施設」を初公開! 夢の「全固体電池」実現に一歩前進!? パイロットラインを栃木で披露
ホンダが「凄い施設」を初公開! 夢の「全固体電池」実現に一歩前進!? パイロットラインを栃木で披露
くるまのニュース
ラリージャパン2024がついに走行開始。シェイクダウン1走目の最速はヌービル/WRC日本
ラリージャパン2024がついに走行開始。シェイクダウン1走目の最速はヌービル/WRC日本
AUTOSPORT web
MotoGPマシンデビューの小椋藍選手 初走行の印象は……【MotoGPバルセロナ公式テスト】
MotoGPマシンデビューの小椋藍選手 初走行の印象は……【MotoGPバルセロナ公式テスト】
バイクのニュース
ダイハツが新型「軽SUV」発表! 打倒「ジムニー!?」な“5ドア”モデル登場! タフすぎる「ゴツ顔×カクカクボディ」採用した“新型タフト”138万円から発売!
ダイハツが新型「軽SUV」発表! 打倒「ジムニー!?」な“5ドア”モデル登場! タフすぎる「ゴツ顔×カクカクボディ」採用した“新型タフト”138万円から発売!
くるまのニュース
ゼンリン、パナソニックのカーナビ「Strada」向け最新地図データ発売へ…12月2日
ゼンリン、パナソニックのカーナビ「Strada」向け最新地図データ発売へ…12月2日
レスポンス
下取り額爆上がり? アルヴェルのドアの速さまで変えられるトヨタの[KINTO FACTORY(キントファクトリー)]がすごい!
下取り額爆上がり? アルヴェルのドアの速さまで変えられるトヨタの[KINTO FACTORY(キントファクトリー)]がすごい!
ベストカーWeb
チャンピオン争いで明暗を分けた要因と変化がもたらす2025シーズンへの期待/MotoGPの御意見番に聞くソリダリティGP
チャンピオン争いで明暗を分けた要因と変化がもたらす2025シーズンへの期待/MotoGPの御意見番に聞くソリダリティGP
AUTOSPORT web
メルセデスが好発進、ハミルトンがトップタイム。RB勢は下位に沈み角田裕毅19番手|ラスベガスGP FP1
メルセデスが好発進、ハミルトンがトップタイム。RB勢は下位に沈み角田裕毅19番手|ラスベガスGP FP1
motorsport.com 日本版
ヤマハとホンダがコラボ展示! バイクSFアニメ『Tokyo Override』劇中車の『YZF-R1』&『CB1300』が渋谷に登場
ヤマハとホンダがコラボ展示! バイクSFアニメ『Tokyo Override』劇中車の『YZF-R1』&『CB1300』が渋谷に登場
レスポンス

みんなのコメント

11件
  • ジャガーのエンジンがそんなに軽いわけがない。
  • 過去にマツダ本社にて、NA型のロードスターの試作車(バルクヘッドから200mm延長)で、3リッターV6仕様がありました。

    外観もブリスターフェンダーになっており、当時の親会社、フォードのマークフィールズ社長に試乗してもらい、マツダのスポーツカー作りを納得させた経緯があります。

    それと似ているかも?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

289.9368.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

29.8586.0万円

中古車を検索
ロードスターの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

289.9368.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

29.8586.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村