10年以上同じクルマに乗り続けるというのは自動車好きにはわりと多いが、いまや一般的になりつつあるようだ。そこで、「10年も同じクルマで飽きないのかな」と不安に思う方に向け、飽きに強く、長い年月をしっかり付き合える現行型国産車を、おなじみの自動車評論家&ライター陣がご紹介する!!
※本稿は2023年11月のものです
文/渡辺陽一郎、岡本幸一郎、清水草一、大音安弘、永田恵一、国沢光宏、片岡英明、ベストカー編集部
写真/ベストカー編集部、Adobe Stock、トヨタ、日産、ホンダ、マツダ、SUBARU
初出:『ベストカー』2023年12月10日号
CX-5にGR86……せっかく新車買うなら長く乗りたいよね!!! 「10年乗っても飽きない」国産車7選
■10年以上付き合えるクルマ選びとは?
病める時も健やかなる時もともに!
一般財団法人自動車検査登録情報協会が調査した結果によると、令和3年3月末の乗用車(軽自動車を除く)の平均使用年数は13.87年となり、過去最高を更新しているという。
かくいうベストカー編集部でも、編集長・イイジマの日産 スカイラインGT-R(R34)が24年、ハヤシのスバル フォレスターももうすぐ10年10万kmと、ほかの編集部員も含め愛車に長く乗る傾向が強い。
しかし、なかには「10年も一緒にいて飽きないのかな」と不安に思う方もいることだろう。今回はそんな方に向け、飽きに強く、10年以上でもしっかり付き合える! と自動車評論家やライターが考える、現行型国産車を紹介していく! ご精読あれ!
■渡辺陽一郎が選ぶ1台は?
渡辺陽一郎氏が選ぶ1台は日産 フェアレディZ
10年愛せるクルマには、ユーザーの欲しい! という感情に加えて、複数の条件がある。
まずはコンセプトやその表現方法となるデザインに、長く使っても飽きない普遍的な価値が備わることだ。目立つことを狙ったクルマは10年愛せない。
所有する車両が1台のみの場合は、日常的な使いやすさも大切だ。街中で運転しにくいと、結局は乗り換える。安全装備も重要。進化の著しい分野だから、購入時に遅れていると、10年後には不満の対象になる。
そうなると設計が新しく、普遍的な価値を備えた使いやすいクルマを買いたい。
そこでフェアレディZを選んだ。スポーツカーの本質とされる運転する楽しさとカッコよさを追求して、外観は初代Zがモチーフだから普遍性を感じる。
全長を4380mmに抑えたボディは、全幅が1800mmを超えるものの、スポーツカーでは日常的な街中の移動にも使いやすい。
安全装備は先進的ではないが、衝突被害軽減ブレーキなどは標準装着される。しかもZは生産台数の少ないスポーツカーだから、フルモデルチェンジを行う周期が長い。
改良を重ねながら、10年後でも新車として販売を続けている可能性がある。10年愛するには最良のクルマだ。
■岡本幸一郎が選ぶ1台は?
岡本幸一郎氏が選ぶ1台はマツダ CX-5
10年というのはクルマにとって結構長い時間の単位だと思います。10年も経ったらデザインも装備も常識が全然変わっているはずです。
長く乗るつもりで買っても、どうしても飽きが来たり、調子が悪くなったりするかもしれないので、10年はなかなか乗れないでしょう。
でも、もし10年乗るつもりで選べと言われたら、現時点ではCX-5が最有力候補ですね。
ポイントは、買ってからできるだけ後悔しなくて飽きなさそうなことと、今じゃないと買えない=今だからこそ買えること、でしょう。
せっかく新車を買うなら、できるだけフレッシュな気持ちを長く維持させたい。意を決して新車を買っても、改良で大きく変わると、内容によっては途端に愛情が薄れてしまう。
だから、なるべくあまり変わらなさそうなクルマのほうがいい。その点、すでに商品改良を繰り返してきたCX-5なら、もうそれほど大きく変わることはないでしょう。
さらに、この先では買えなくなりそうな何かを持っているクルマがいい。その点でも、2.2LのSKYACTIV-Dはなかなか魅力的です。普通に買えるうちに買っておくのは大いにアリでしょう!
■清水草一が選ぶ1台は?
清水草一氏が選ぶ1台はホンダ シビックe:HEV
シビックはスバラシイ。オーソドックスな5ドアハッチバックスタイルは、適度にスタイリッシュでスポーティで、10年乗っても飽きは来ないだろう。
いや、10年後は今よりもっとクラシカルでステキに見えるんじゃないだろうか? 流行りのスタイルじゃないところがイイんだよね。
居住性も超オーソドックス。インテリアもスーパーオーソドックス。奇をてらったところが全然ない。
スバラシイのが走りだ。シャシーはしなやかスポーティ。パワートレーンは適度にパワフルで燃費もイイ。そして気持ちイイ!
なにしろホンダの2L自然吸気エンジンだ。基本は発電機の役割のくせに、回すともの凄く気持ちイイんだから驚くしかない。こんな気持ちいいハイブリッドシステムは史上初だ。
そりゃまぁタイプRのほうが速いけど、長く乗れるクルマってそうじゃないと思うんだ。だいたいタイプRじゃ距離伸ばす気にならないでしょ、値落ちが気になって。
その点e:HEVならガンガン乗り倒せる。乗り倒しても燃費は平均20km/Lくらいは行くだろうから、将来のガソリン高にも耐えられるはず。いろんな意味で、クルマ好きが長く乗るにはベストじゃないだろうか!
■大音安弘が選ぶ1台は?
大音安弘氏が選ぶ1台は日産 スカイライン400R
一度は乗ってみたかった憧れの一台だったのが、スカイライン。憧れた往年のモデルたちは、今や世界の人気者。
しかし、路線変更したV35以降は、従来のスカG像とは異なり、私には刺さらず。それは現行型も同様だったが、そんな私に再び興味を抱かせたのが、後期型で登場した「400R」だ。
全体的にやや粗削りなところもあるが、走りの要となる3L・V6ツインターボエンジンの性能は、なんとGT系よりも100psアップの405psを発生。パワフルさを活かすべく、足回りも電制サスや4輪アルミ対向式ブレーキなどで強化。
その加速は、刺激的かつ気持ちよさに溢れる。そこも憧れたスカGターボの魅力と重なるところだ。
スタイリングも後期型で、インフィニティ顔から日産顔となり、伝統の4灯丸目テールが復活したのも好ポイント。
10年愛するなら、限定のNISMOがいいのではという意見もあるだろう。走りを重視するならば、断然、NISMOだ。
しかし、メインカーとして長く愛するには、モータースポーツを意識した内外装がちょっと重く感じる。
個人的には、セダンなら、さり気ないスポーティさの400Rに、好みのホイールを合わせたほうが理想なのだ。
■永田恵一が選ぶ1台は?
永田恵一氏が選ぶ1台はトヨタ ランドクルーザープラド
「飽きずに10年乗れるクルマを選ぶ」となったら、人によってボーダーラインは大きく異なるにせよ、次のような要素が必要だと思う。
1.ほどほどに刺激がある
2.過剰な負担にならないボディサイズや維持費
3.高い耐久性を持つか、部品代や修理代が安い
4.カスタマイズしやすい
ということを踏まえて私はランクルプラドを選んだ(これから新車が買えるか不明だが)。
まず、ランクルプラドは高級本格SUVというポジションでありながら、450万円前後という中心価格帯にはじまり、ボディサイズや維持費など多くの要素が許容できる範囲なのが素晴らしい。これはランクル250にはない魅力だ。
刺激の部分も「世界に通用する本格オフローダー」という雰囲気と性能を負担なく味わえるという点でも推せる。
これでエンジンがプラドのワイルドなキャラクターによく似合うディーゼルであればなおよく、最後のエンジン車として乗るのもいい。
もちろん耐久性の高さは世界のランクルファミリーだけに言うまでもない。とどめにランクルファミリーのリセールバリューの高さは強烈なので、値落ちを気にする必要がないというのも長く乗れる理由の1つだ。
■国沢光宏が選ぶ1台は?
国沢光宏氏が選ぶ1台はマツダ ロードスターRF
こらもう基本的には自分が好きなクルマをどうぞ、ということになるんだと思う。そこで「私ならナニを選ぶか」ということにしてみたい。
まず10年というスパンを考えると「主役級」は無理。
私もかつて今や驚くほど高い値が付くNSXやフェラーリ328や930ボディの911とか持っており、残していたらなぁと考えるけれど、維持コストは強烈だったりする。スンゴイお金持ちなら負担になるという感覚などないかもしれないですが。
しかも人気出ている純エンジンときたら、すでに入手難。私もフェアレディZを考えたけれど、売ってくれないというので終了。
スポーツモデルで買うのなら2Lエンジン積んだロードスターか? これなら10年乗って、孫に引き継げばいい。ガソリンの終売が2050年だから26年乗れる。
ランクル250も考えた。少しばかり大きくて疲れちゃうかもしれない。だったらJMSに出展されていたIMV0を買って、リアにキャンピングカーシェルを背負わせるなんて面白いかも。
実際、ロードスターかIMV0で大いに悩んでいたりする。今のとこと8対2くらいでロードスターといったイメージ。今持ってるクルマをみんな手放して2台という手もあります。
■片岡英明が選ぶ1台は?
片岡英明氏が選ぶ1台はトヨタ GR86/スバル BRZ
電動化が世の流れとなり、年を追うごとに安全基準も強化されている。クルマも肥大化しているから、これから出る新車の多くは、車両重量が増えてくるだろう。
走りが楽しいライトウェイトスポーツだって、電動化されれば重くなってしまう可能性が高い。しかもリア駆動のスポーツクーペは絶滅危惧種だ。
GR86と兄弟車のスバル BRZは、数少ないFRのスポーツクーペである。現行型は2代目で、2021年秋の登場だから10年後だって魅力を失わないだろう。
FRならではの軽快な身のこなしと人車一体の気持ちいい走りは、この先も色あせないはず。
世界でも少数となっている水平対向4気筒エンジンを積んでいるのも惹かれる理由のひとつだ。
2代目はトヨタの直噴技術(D-4S)に加え、排気量を2Lから2.4Lに拡大した。トルク感が増し、6速MT車は7000回転まで使い切ることができる。車重は1300kg以下だから力強い加速を楽しめるだろう。
しかもGR86とBRZは味付けを微妙に変えている。切れ味の鋭さを前面に押し出したハンドリング重視のGR86に対し、BRZはスタビリティ重視の味付けだ。次世代は重くなるだろうから、10年後も優越感を持って乗れる。
■10年付き合うために必要なメンテナンスは?
10年となれば部品供給の心配も出てくる。もし欠品が出たならネットなどを活用し根気強く探すしかない(Eakrin@Adobe Stock)
愛車を長持ちさせるなら、当たり前だが確かな点検、そして適切な整備が必要となってくる。そして多くの場合はかかりつけの整備工場を持っており、プロの整備士にすべてお任せ……という人も多いだろう。
実際、末永く愛車と付き合っていきたいと思うならそれも最適解のひとつといえる。
それでも長く同じクルマに乗っているといろんな故障やトラブルに巡り合うのは避けられない。そこで、10年乗り続けるうえで発生する可能性がある故障箇所を一例だがおさらいしておこう。
・各種ゴム部品
エンジン、ドライブシャフト、そしてステアリング機構などあらゆるところにゴム製部品が使われているが、これが経年劣化で縮み、結果ゴムが裂けてしまうことがある。
そしてエンジン関連だと燃料ホースもゴム製であるため、これも例外ではない。走行中に燃料漏れなどが起きたら車両火災などの危険もある。もしここの交換を整備士に薦められたら迷わず交換したい。
所有していると部品代だけで大出費を強いられることも考えられる
・サスペンション
長く乗り続けていると以前のような快適な乗り心地はどこへやら、感じたことのない振動や不安定な挙動を感じ取る機会が増えるかもしれない。そうなったら、サスペンションがヘタってきた可能性がある。
サスペンションだと、ショックアブソーバーのオイル漏れといった症状がありえるが、こうなったらまるごとサスペンションを交換することになるハズ。
整備料金は高くつくが、長く安心して走り続けるためにも異常が見つかったら交換することをお勧めしたい。
・タイミングベルト
吸排気バルブを適切なタイミングで開け閉めするために使う部品がタイミングベルトだ。これの交換時期は多くが「10年/10万km」とされている。この部品を交換する時期が迫ってきたら愛車を長い時間乗ったと言えるかもしれない。
これが破断するとエンジンに甚大なダメージを与えかねない。交換時期が迫ってきたら早めに交換しよう。
愛車と長く乗るには10年先に備えた知識も必要になるが、やはり一番重要なのは「愛」!! 皆さんも愛車により多くの愛を注ごう。末永くお幸せに!!
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