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「老舗トップチューナーが軽さにこだわって仕上げた究極のマークII」D1グランプリシリーズ第4戦十勝で北岡が単走優勝を果たす!

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「老舗トップチューナーが軽さにこだわって仕上げた究極のマークII」D1グランプリシリーズ第4戦十勝で北岡が単走優勝を果たす!

3.6L化した2JZ-GTEにGTX3584RS改タービンで800psを発揮!

2018年シーズンから大幅進化はないものの各部の熟成で成績向上

「老舗トップチューナーが軽さにこだわって仕上げた究極のマークII」D1グランプリシリーズ第4戦十勝で北岡が単走優勝を果たす!

十勝スピードウェイにて開催されたD1グランプリシリーズの第4戦で、見事に単走優勝を果たしたTEAM MORIの北岡裕輔選手。そしてその活躍を支えている彼の愛機・マークIIが今回紹介するD1マシンだ。

このJZX100を手がけたのは、老舗トップチューナーとしてチューニング業界で活躍してきたオートサービスモリの森さん。D1グランプリシリーズで勝つことを目標に、これまでのノウハウを注ぎ込んだ作品だ。

軽量化を積極的に進めたということもあり、車重は燃料満タン時で1230kgを実現。そしてそれだけでなく「転がしはじめの軽快さ」にこだわって製作したため、車重以上に軽快な動きになっているという。

2018年シーズン開幕戦の舞洲で投入され、そこで行われた2連戦で連続表彰台に登る鮮烈なデビューを果たし、その後はトラブルなどでポイントを落とすことがあったものの、シリーズランキング5位を獲得。2019年に入ってからは仕様も煮詰められ、第4戦で単走優勝を獲得。追走での優勝にも期待がかかる注目のD1マシンなのだ。

老舗トップチューナーとして知られているオートサービスモリの森修(モリ ヨシミ)さん。これまでに様々なチューニングカーを手がけてきただけでなく、自身でもシルビアを駆ってD1ライツシリーズやフォーミュラドリフトジャパンに出場。現在62歳という年齢ながら、両シリーズでポイントを獲得する好成績を残しており、今シーズンはD1グランプリシリーズの最終戦と併催されるD1ライツシリーズ(オートポリス戦)への参戦を密かに計画している。

D1グランプリシリーズにはTEAM MORIとして10年近く参戦しており、以前は2JZ-GTE仕様のレクサスGSを使用していた。2018年からこのマークIIへと切り替え、同時にD1ストリートリーガルシリーズで2度のチャンピオン経験を持つ北岡裕輔選手をドライバーに抜擢した。

ノウハウを注ぎ込んだこのマシンには「オレのこだわりなんだけど、クルマを手で押した時に軽くなきゃダメってのがあるんだよ。ひとりで押せるのか、ふたりで押せるのか、実際走る時も同じで、クラッチ繋いだ時の軽さが大事なんだよな」と、車重うんぬんの話だけでなく、動き出しのフィーリングも追求している。

心臓部の2JZは東名パワードの3.6Lキットで排気量アップ、ヘッドにはインテーク側264度/エキゾースト側270度のハイカムを組む。タービンはGTX3584RS改で、制御はLINKフルコンという最新パッケージだ。ブースト1.8キロ時に最高出力800ps/最大トルク100kgmを発揮している。

タービンは2018年シーズン途中でEFR9180からGTX3584RSに変更。そして2019年シーズンからは、コンプレッサーホイールを“重量が3分の1になってレスポンスが向上する”というマグネシウム素材でワンオフ。GTX3584RSの改造タービンを装着しているのだ。

大パワー&高トルクを受け止めるべく組み合わされたクラッチはORCのトリプルプレートで、ミッションは実績のあるボリンジャーのRD6シーケンシャルだ。マフラーの反対側にはリヤラジエターへの配管が通されている。

ファイナルギヤのギヤ比が変更しやすくなるSIKKYのクイックチェンジデフを装着し、LSDはOS技研の機械式を装着。リヤの足まわりはイケヤフォーミュラのアッパーアームに、オリジンラボの3点アームという構成で、ナックル側の3点アーム取り付けブッシュはピロボールに変更されている。

リヤラジエターのコア搭載位置はリアウインドウの真下となっており、ウインドウのポリカーボネイトを一部カットして導風板で囲い、コア後方に引き抜きファンを設けてフレッシュエアを導いている。

車高調はDG-5のオートサービスモリモデルで、バネレートはフロント26kg/mmのリヤ5kg/mmの設定だ。ロアアームは風間オートサービスの35mm延長タイプで、イケヤフォーミュラのアッパーアーム&テンションロッドに、ヘイメンプロダクツの切れ角アップナックルを装着している。

タイヤは今シーズンからヴァリノのペルギア08RSを前後に履く。サイズはフロントが265/35-18で、リヤは285/35-18だ。タイヤやショックのマッチングも煮詰められきたことで、シリーズ第3戦と第4戦が行われたHOKKAIDO DRIFTでは、常に上位となる最高速度をマークしていた。

軽量化のためにムダが徹底的に排除された室内。ダッシュボードは材質変更されており、モーテックのディスプレイで車両情報を集中表示している。

リヤシート部分の隔壁で覆われたところに40Lの燃料タンク(安全タンク)を設置。また、運転席と助手席の間と助手席の後部に消化器が配置され、運転席の後部にはウォータースプレー用のタンクがマウントされる。

ドライバーを務める北岡裕輔(キタオカ ユウスケ)選手。2013年と2015年のD1ストリートリーガルチャンピオンとして、2016年からD1グランプリシリーズにステップアップ。2016年と2017年は自分のJZX100マークIIでプライベーター参戦していたが、2018年からはTEAM MORIのドライバーに抜擢された。

「それまで乗っていた自分のマークIIとは軽さもパワーも全然違うから、最初はうまく加速させられなかったよね。トラックで言うと荷物満タンの時と空の時みたいな感じかな? それを1年かけてエンジンや足まわり等のセットアップを煮詰めて、かなり乗り慣れてきたし乗りやすくもなったと思う」と、単走優勝の要因を語っていた。

十勝スピードウェイにて開催されたD1グランプリシリーズの第4戦では単走優勝を決めたものの、ベスト8でランキング首位を独走中の横井昌志選手に破れ、現在はシリーズランキング4位につけている。

シリーズ第5戦と第6戦が行われるEBISU DRIFTに向けては「D1グランプリにきてから横井選手には負けっぱなしだけど、リーガル時代は決勝で勝ったこともあるし、同い年ってことからも絶対にリベンジするので期待していてください! あと高橋選手がオレに勝つって言ってたけど、こっちも絶対に負けませんから!」と意気込む。

北岡選手にとってエビスは得意コース。そして「どんなクルマが来てもそう簡単には負けないクルマに仕上がった」と自信満々に言っていたことから、TEAM MORIにとって、北岡裕輔選手にとってのD1グランプリシリーズ初優勝の準備は整ったと見て良いかもしれない。

TEXT&PHOTO:Daisuke YAMAMOTO

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