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デイトナ24時間:雨の中で魅せたアロンソ「勝ちたかったレースのひとつ。達成感を得られた」

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デイトナ24時間:雨の中で魅せたアロンソ「勝ちたかったレースのひとつ。達成感を得られた」

 1月26日から27日にかけてアメリカ・フロリダ州のデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われたロレックス・デイトナ24時間レース。雨に見舞われた決勝レースは、コニカミノルタ・キャデラックDPi-V.Rの10号車キャデラック(ジョーダン・テイラー/ランガー・バン・デル・ザンデ/小林可夢偉/フェルナンド・アロンソ組)が総合優勝を飾った。

 一昨年のデイトナ・ウイナーであるウェイン・テイラー・レーシング(WTR)は、2019年のデイトナに向け、予選よりも決勝に強くフォーカスした準備を進めて行った。長時間のレースで本領を発揮してくれるであろうアロンソと可夢偉という強力な助っ人も用意し2019年のデイトナ24時間に挑んだ。

小林可夢偉が日本人4人目のデイトナ24時間制覇。アロンソとともに10号車キャデラックに栄冠もたらす

 DPi(デイトナプロト・インターナショナル)というカテゴリーが始まって以来、もっとも高い実力を発揮しているのがキャディラック。それに対して、苦戦を続けて来ている筆頭はまだ総合優勝を経験していないマツダで、昨年のデイトナがデビューだったアキュラも、まだ勝利はミド・オハイオでの1回しか挙げることができていない。

 このような状況下だと、IMSAが誇る“バランス・オブ・パフォーマンス(BOP)”という名の性能調整は、どうしてもキャディラックに対して厳しいものになる。

 予選ではマツダRT24-Pがライバル勢より明らかに速かった。エンジンは小型の2リットル4気筒ターボだが、彼らのストレートスピードはもっとも早く、ポールポジションと総合4番手を獲得した。

 アキュラは予選2、3番手。キャディラック勢は最高でも予選5番手という苦々しい結果となった。昨年ポールポジションを獲得したWTRだったが、今年の予選結果は6番手となった。

 しかし、予選でのポジションを彼らはまったく気にしていなかった。24時間の長丁場をいかに優位に戦うかにフォーカスしていたからだ。

「他ブランドのマシンは僕らよりストレートスピードが速い。なかなかオーバーテイクできない」と性能差は合同テストの時ですでに明らかになっていた。

 そこで、レースの決勝中に雨が降るという予報を聞いた時には、「僕らにもチャンスが生まれると思った」とジョーダン・テイラーは感じたという。

 レースはドライでスタート。雨が降り出すのは明け方からという予報で、そのとおりに現地時間5時頃からデイトナは雨に見舞われた。

■助っ人のアロンソが本領発揮

 ここで速さを見せたのがアロンソ。トップに躍り出ると、すぐさま後続を引き離してみせた。雨がさらに降り続け、コースの許容量を超えてしまったためにレースはイエローフラッグ下でのペースカーラン、さらには赤旗中断へと変わった。朝の7時過ぎのことだ。その後にレースはまた再開されたが、デイトナ史上初の2回目の赤旗がゴール前約2時間で出された。

 そして、レースはそのまま再開されることなくチェッカーフラッグ。2回目の赤旗が出された時にトップにいたのは、アロンソと可夢偉を起用したWTRのコニカミノルタ・キャディラックDPi-V.Rだった。

 優勝の立役者はもちろんアロンソだ。序盤のドライコンディションでは7番手からトップにまで躍り出ると、2回目のウエットコンディションでもふたつのポジションアップを果たしてトップに復活してみせた。ゴール前に雨がひどく降ったコンディションでは、前の出番でみせた速さを買われて3回目の搭乗を任されている。

 また、可夢偉は雨が降る前にアロンソからマシンを受け取ると、ドライコンディションの夜間走行を4スティントに渡って続けた。担当した時間帯の後半にイエローフラッグ発生によるペースカーランはあったが、長い仕事をこなした末にトップの座を保ち、マシンに何らダメージを与えずにバン・デル・ザンデに襷を渡した。

「可夢偉はパフォーマンスもキャラクターも最高」とチームオーナーのウェイン・テイラーは絶賛。

 可夢偉は「勝つために呼ばれたというところがあったと思うので、期待されたとおりにそれを達成できてうれしい。プレッシャーも大きかったけれど」とレース後に話した。

 アロンソは「デイトナも勝ちたかったレースのひとつ。伝統あるコースだから」とコメント。

「雨による赤旗、レース短縮はあったけれど、充実し達成感を得られたレースとなった。序盤のドライコンディションではトップに躍り出で、後半のウェットでは速いラップを重ね、トップに立ってからは後続を大きく引き離したんのだからね」

 日本人のデイトナ24時間レース総合優勝は、1992年の長谷見昌弘、星野一義、鈴木利男組以来2回目、4人目だ。

 今日の総合2位はウエットの終盤に猛チャージを見せたウェレン・エンジニアリング・レーシングの31号車キャデラックDPi-V.R(フェリペ・ナッセ/エリック・カラン/ピポ・デラーニ組)。3位は予選4位だったアキュラARX-05(リッキー・テイラー/エリオ・カストロネベス/アレクサンダー・ロッシ組)だった。

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