3月12~14日にかけて行なわれたF1のプレシーズンテストで、王者メルセデスはトラブルに見舞われることになったが、マシンの問題点に関してもまだ解決には至っていないようだ。
新シーズンに向けた今季のテストは、新型コロナウイルスの影響もあり計3日に短縮された。しかしメルセデスはその初日午前にギヤボックストラブルが発生してしまい、大きく走行時間をロスしてしまった。
■メルセデスF1、開幕まで粉骨砕身の日々?「データ上ではレッドブルに及ばない」
さらにテスト期間中、ルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタスは新車W12のリヤエンドの不安定さを指摘するなど、順風満帆のテストとはいかなかった。
特にW12のリヤエンドの問題については、原因が何なのかすぐに答えは出せないとチームが認めている状況だ。
「マシンのハンドリングが良くないことはテストからも明らかだった。一方でレッドブルは特に最終セクターを通じて、非常に安定したクルマだった」
メルセデスのチーフストラテジストであるジェームス・ボウルズは、チームの投稿したテスト報告の映像の中でそう語った。
「それがフェアな観察だと思う。外部から観測が可能だったし、ラップタイムはそれを反映していると思う」
「それからテスト終了から24時間しか経っておらず、今ここにいる段階では答えは出ていないと言っていいだろう。大量のデータがあり、今は何が原因だったのか、その理解を試みる長い道のりが待っている」
またトラックサイド・エンジニアリングディレクターであるアンドリュー・ショブリンは、テストの舞台となったバーレーン・インターナショナル・サーキットの強い風がドライバーにとっては難しいものだったと説明している。
ただ彼もライバルがマシンのリヤに関してメルセデスのような目立つ問題を抱えていなかったのは事実だと認めており、修正に向けやるべき作業があることは明らかだと語った。
「風が難しくしていたんだ」と、ショブリンは言う。
「風がマシン後方から来るときには、多くのダウンフォースを失う。それは実質的な対気速度が減少するからだ。そして風が後方から吹いていたいくつかのコーナーでは、そうしたことが起こりがちだった」
「またこのサーキットではタイヤが非常に過熱しやすく、滑り始めるとグリップを失い、悪化する傾向がある。そのためいくつかの問題がある」
「重要なのはライバルの一部も同じような問題に悩まされていた、ということだ。そのため我々もリヤエンドに多少問題があった理由はなぜなのか、そしてそれをより安定し予測可能なものにする方法を理解することに焦点を当てる必要がある。そして、その取り組みは現在進行中だ」
「レースウィークエンドでは(風が)そこまでドライバーにとって厳しくないことを願っている。彼らはラップタイムを出すのにかなり苦労していたからね」
なおメルセデスは16日にフィルミングデーを実施してW12をバーレーンで再度走行。月末の開幕戦に向けて最終的なシェイクダウンを完了させた。
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