なんとなく目にしている数字を理解すると新車購入の参考になる
カタログにはさまざまな項目があって、そのクルマの身体測定的な数値が並んでいる。ボディのスリーサイズ、ホイールベースなど、慣れてくるとこれらを見ることでどんなクルマか、大まかにわかってくる。そのため購入するときの参考にするという人もも多い。しかし、その数値はどこを測っているのか正確にご存じだろうか? なんとなく見ているだけだが、今回はスペックの各項目の数値がどこを示しているかを整理してみた。
カタログじゃ絶対わからない! クルマの購入前に確認しないと後悔する8つの盲点とは
1)全長×全幅×全高
それぞれボディの端っこから端っこで、全高であれば地上からになる。ただ気をつけたいのが全幅で、ミラーは取り外せる付属物ということで含まれない。ギリギリの車庫でクルマを買う場合など注意したい。
2)ホイールベース
こちらは乗り心地や取りまわし、回頭性などに関係するものだが、横から見て前後タイヤ&ホイールの真ん中の間を測定したものとなっている。
3)トレッド
タイヤ幅を示すもので、走行時の安定性などを知ることができたり、立体駐車場のパレットに載せられるなどでも参考にしたりする。前や後ろから見て、左右タイヤの端から端と思いきや、ホイールベース同様にタイヤ幅の中心間を測っている。
生活圏内の走行がしやすいか参考にできる数値も
4)最小回転半径
日常的な取り回しやUターンのしやすさなどと関係するだけに、ボディの一番外側、つまりバンパーの角の軌跡で測っていると思いがち。狭い道でUターンする場合でもそこで合わせることが多いのでなおさらだ。正しくは、一番外側を通るタイヤ幅の中心線が通るラインの半径となる。しかも、こちらは実測ではなく、計算式で求めたものなので、さらに実際とは異なる。計算式で出す理由は、タイヤやサスペンションの状態などに影響されてしまうから。
5)最低地上高
こちらもなんとなくフロア下を擦るか擦らないかの参考、といったイメージで見ていることが多い。一番低いところとはいえ、各メーカーがそもそもどこで測っているかは不明というか、公表していない。
ちなみに法律的には9cm以上あればいい。少なくとも言えるのはサスペンションなどの可動部分は含まないのと、エアロやバンパーも除外されるということ。ただし、フォグランプが埋め込まれている場合はボディに含まれるので、基準に入る。ちなみに、ローダウンすると当然、最低地上高は下がるが、車検時や取り締まり時はマフラーの触媒部分で測ることが多い。また、アンダーカバーは保護するために付けられているということで、地上から5cm以上あればいいとされている。
6)室内長・幅・高
車内の広さを示す数値になるが、よく考えると車内というのは凹凸が多く、人が乗る部分=車内の広さとは限らない。たとえばラゲッジが広大でも、シートが小さかったり、狭いクルマということもあり得る。JISで測定方法は規定されているが、実際にどう測るかは微妙にメーカーや車種によって異なっている。
室内長で見ると、インパネから後席の後ろ、つまりヘッドレストの間を測っているが、インパネの奥や手前、その中間などバラバラ。後ろ側のヘッドレストもそのままだけでなく、伸ばして測っている例もある。スペック表には透視図が載っていることが多いが、見比べてみると線の出所がけっこう違っていることがわかる。長以外では、幅はドアの一番えぐれているところの間で測ることが多く、高さはフロアと天井のそれぞれ平らなところで測っている。
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みんなのコメント
>一番低いところとはいえ、各メーカーがそもそもどこで測っているかは不明というか、公表していない。
OEMのカタログなんかでは「(元のメーカー名)調べ」などと書かれていることがある。要するに「(自社とは)測定方法が違います」と言ってるようなもの。
SUVなんかでは1,2cmの違いで自慢するのがいるけれど実用面では逆転することもある。