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ゼロ・エミッションの中型クロスオーバー トヨタbZ4Xへ英国試乗 丁度良い味付け

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ゼロ・エミッションの中型クロスオーバー トヨタbZ4Xへ英国試乗 丁度良い味付け

ゼロ・エミッションの中型クロスオーバー

トヨタの新しいバッテリーEV(BEV)には、少々読みにくい名前が与えられた。bZはビヨンドゼロの略。ゼロ・エミッションということで、BEVであることを表している。4は中型のボディサイズで、XはSUVやクロスオーバーを表すものだという。

【画像】トヨタらしい味付けのBEV トヨタbZ4X 欧州で競合する電動モデルと写真で比較 全104枚

レクサスを除くトヨタとしては初のBEVで、ベースとするのはeTNGAと呼ばれるEV専用のプラットフォーム。カローラなども採用するTNGAの派生版となるが、駆動用バッテリーとモーターで走るモデルへ特化している。

レイアウトはBEVとしておなじみのもの。フロア下に大きな駆動用バッテリーが敷き詰められ、前端と後端に駆動用モーターが載っている。サスペンションはフロントがマクファーソンストラット式、リアはトレーリングアーム式が選ばれた。

eTNGAは、全長が4.3mから5.0mくらいのトヨタ製BEVが共通して用いる予定。ひと回り小さいプラットフォームをベースにしたモデルも、今後に控えている。プリウスでハイブリッドを他よりリードしていたトヨタだが、BEVの展開はやや慎重らしい。

bZ4Xは全長4690mm、5シーターのクロスオーバーで、前輪駆動か四輪駆動を選べる。今回の試乗車は後者で、前後に109psの駆動用モーターを搭載し、合計での最高出力は218psとなる。

英国価格は、四輪駆動で4万8350ポンド(約788万円)から5万1550ポンド(約840万円)に設定された。前輪駆動の場合は203psの駆動用モーターがフロントに1基載り、4万1950ポンド(約683万円)から4万7650ポンド(約776万円)だ。

動力性能や車体サイズはVW ID.4と同等

駆動用バッテリーの容量は、共通で71.4kWh。急速充電能力は最大150kWまで対応する。現在のところ、車載のAC充電器は6.6kWとなっているが、2022年末には11kWへアップグレード予定だという。

航続距離はグレードによって変わるものの、四輪駆動の場合、WLTP値で413kmから460km。前輪駆動では445kmから510kmがうたわれる。実際の車載コンピュータが算出する距離は短く、試乗車の場合は337kmが表示されていた。

動力性能やボディサイズを比べてみると、駆動用バッテリーの容量も含めて、フォルクスワーゲンID.4と肩を並べる。エネルギー効率も同等といえるが、トヨタはbZ4Xの方が優れると主張するだろう。

インテリアは、広々としていて居心地が良い。荷室容量はトノカバー下で452Lあり、充分に広い。リアシートの背もたれは、分割して折りたたむことができる。ボディサイズを考えると、リアシート側は膝前の空間にも余裕がある。

低い位置に据えられたダッシュボードには、薄地のクロスが張られているが、傷の付きやすそうなプラスティックも目につく。沢山の小物入れが用意されている反面、助手席正面のグローブボックスは備わらない。

タッチモニターだけでなく、実際に押せるハードボタンも多く残され、操作性は良い。ステアリングホイールはプジョーのiコクピットのように小さく、モニター式のメーターパネルが部分的にリムで隠れてしまう。

滑らかな発進加速 落ち着いた乗り心地

2023年には、電気的にタイヤを操舵するバイワイヤー式のステアリング・システムがオプションで登場予定。その場合、円形に近いステアリングホイールではなく、操縦桿のような上端が切れたものが装備される。

可変レシオで、ステアリングを150度傾ければ最大の舵角が得られる。このシステムなら、メーターは隠れないだろう。果たして、そのフィーリングはどんなものだろうか。

システムをオンにして、bZ4Xを発進させてみる。その印象は、非常にありきたりな表現でお許し頂きたいが、良い。取り立てて悪い部分はない。

四輪駆動のクロスオーバーとしては、急な下り坂をアシストするヒルディセント・コントロールや、岩場などに有効な低速クロール・コントロール、ストロークの長いサスペンションと、500mmの渡河性能を備えている。なかなかの内容だ。

日常的な印象で重要になる、回生ブレーキには2種類の強さが用意されている。しっかり減速するものと、長く惰性走行するものから選べる。静止状態からブレーキペダルを緩めると、内燃エンジンのAT車のように、クリープ走行もする。

発進加速は滑らかで、乗り心地は穏やかで落ち着いている。姿勢制御も良く調整されており、ステアリングホイールの反応は温和。動的能力に長けていそうな雰囲気が漂う。BEVらしく重心が低く、ボディロールは小さい。

トヨタ・ユーザーへ向けた丁度良い味付け

トヨタ初のBEVとなる、bZ4X。このブランドのモデルらしく、とてもまとまりが良いと感じた。

レクサスLFAの開発にも関わったエンジニアが、bZ4Xにもローンチコントロールを与えたという。とはいえ、車重が2060kgもあるクロスオーバーだから、GRヤリスのようには走らない。

しかし、それでまったく問題ない。多くのトヨタ・ユーザーへ向けたモデルとして、丁度良い味付けにあるといえるだろう。

トヨタbZ4X AWDプレミア・エディションのスペック

英国価格:5万1550ポンド(約840万円)
全長:4690mm
全幅:1850mm
全高:1650mm
最高速度:161km/h
0-100km/h加速:6.9秒
航続距離:413km
電費:−
CO2排出量:−
車両重量:2060kg
パワートレイン:ツイン永久磁石同期モーター
バッテリー:71.4kWh
最高出力:218ps
最大トルク:34.3kg-m
ギアボックス:シングルスピード

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みんなのコメント

22件
  • 集中攻撃されるトヨタ
    アンチが多い事が、トヨタの強さを物語っていますね
  • やっとグリルにエンブレムを付けるの止めてくれたか。
    この車は微妙だけど今後のトヨタには期待出来るかも。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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