見た目以上に中身は一新
text:Simon Davis(サイモン・デイビス)translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)新しいランドローバー・ディスカバリー・スポーツが登場したが、その変化は見た目以上に含まれている。アピアランスはフリーランダーに代わって2015年に登場したモデルと似通っているが、ランドローバー社のベストセラーだけあって、変更点は多岐に及ぶ。
エクステリアデザインは、従来のディスカバリーから僅かに手が加えられた程度に見えても、骨格をなすアーキテクチャは完全に入れ替わっている。インテリアデザインも、レンジローバーとの共通性を感じられるものになった。
当初のディスカバリー・スポーツは、初代レンジローバー・イヴォークも採用していたLR-MSプラットフォームへ大幅に手を加えたものだった。2019年版では、ランドローバー最新のプレミアム・トランスバース(横置き)・アーキテクチャ(PTA)を採用。2代目イヴォークも採用するものだ。
PTAプラットフォームを採用することで、ボディ剛性を高め、車外との隔離感や安全性も向上。開発段階でも重要視されていたであろう、電動化技術の搭載も前提となっている。その結果、複数用意される4気筒エンジンのほとんどに電圧48Vによるマイルド・ハイブリッドシステムが採用された。これもイヴォークと近い内容だ。
エントリーグレードは前輪駆動となり、ハイブリッドが付かない、150psの4気筒ディーゼルに6速マニュアルが組み合わされる。燃費は最も良好で、16.9km/L。二酸化炭素の排出量は140g/kmに抑えられる。
ガソリンは200psと250psの4気筒
4気筒ディーゼルのFF版は、環境負荷の優れた値をパンフレットへ与えたいがために、設定したグレードに思えてならない。多くのユーザーはランドローバーというクルマに期待する通り、ひとつ上の4輪駆動のグレードを選択するに違いない。恐らく。
幅広いグレード設定は、ランドローバーとしては重要だと考えているようだ。4輪駆動モデルにはすべてZF社製の9速ATが組み合わされるが、ディーゼルエンジンは先の150psユニットの他に、180psと240psがラインナップする。
ガソリンエンジンには、200psと250psの4気筒がラインナップ。2019年の年末にはプラグイン・ハイブリッドも登場する見込み。今回の試乗車はD240で、240psを発生するディーゼルエンジンを搭載した RダイナミックS。定員は5名だが、オプションで7名にもできる。
4輪駆動システムには、ドライブライン・ディスコネクト・システムも採用。低速走行時は、ディスカバリー・スポーツは前輪駆動状態で走ることになる。これにより、燃費の大幅な向上が期待できるという。試乗車のD240の場合、燃費はWLTP値で14.0km/Lで、二酸化炭素の排出量は187g/kmとなっている。
0-100km/h加速は7.7秒となっているが、その数字ほど速くは感じられない。最大トルクは50.9kg-mもあり1500rpmから湧き出るものの、乾燥重量で1934kgもあるから、余裕しゃくしゃくというほどでもない。
感心するほど滑らかで上品なディーゼル
中回転域で力強さを感じ取ることはできるが、重量級のSUVの加速は穏やか。郊外の道で遅い車を追い越すには充分とはいえ、見通しの良い長めの直線と加速の我慢は必要となる。ディーゼルエンジンのトップグレードだが、クイックとは呼べないクルマだ。
4輪駆動のファミリーカーとして捉えれば、ライバルモデルよりも航続距離では有利。直線加速が劣っていてもすべてを否定することにはならない。それでも目一杯の加速時に、ATの変速が優柔不断気味に感じられたことは残念でもある。
スロットルレスポンス自体は悪くないのだが、ペダルを踏み込んだ際にキックダウンで変速するべき段数を思案するのか、しばらくの空白があるのだ。レブカウンターを見ていると、加速していないのにエンジンの回転数だけ高くなっていることがわかる。変速が終了する頃にはエンジンは大きくうなり、やや息切れ感すら生じてしまう。
一方でリラックスしたペースで走行している限り、感銘を受けるほどスムーズで上品なエンジンでもある。防音性も高く、車内にいる限りエンジン音もほとんど聞き取れない。高速道路を走行中はそれなりにノイズも耳に届くし、ドアミラーの風切り音も発生するが、軽微なレベルに留まる。
ボディの姿勢制御も良好。スポーティということはないが、どっしりとした安定感がある。カーブの連続する区間で、サルーンと同じような振る舞いをディスカバリー・スポーツに期待できない点では変わらないが、低速域でのステアリングの正確性では優れている。
旨味の詰まったファミリーSUV
しっかり制御の効いたボディロールと、フロントタイヤの優れたグリップ力が、少し攻め込んだ走りをしてもアンダーステアを抑え込んでくれる。操縦性としては充分に素直で楽しさのあるものだといえる。
試乗車の21インチホイールはオプションで、路面のコブや轍の振動を処理しきれない様子だったが、基本的に運転している時間の殆どは快適。全体的に角の取れた柔らかい乗り心地で、うねりのある路面を通過しても車内空間は落ち着きを保っていた。
新しいディスカバリー・スポーツの価格は3万1575ポンド(420万円)から。トップグレードは4万9675ポンド(660万円)となる。試乗車のRダイナミックS D240の価格は4万3975ポンド(584万円)となる。
パワーで劣る4気筒ディーゼルを搭載したBMW X3 xドライブ20d Mスポーツの4万4015ポンド(585万円)と比較するとコストパフォーマンスで優れているといえる。ただし、オプションを選んでいくと簡単に5万ポンド(665万円)は越えてしまうだろう。
ディスカバリー・スポーツは、ライバルのBMW X3ほどのダイナミクス性能は備わっていない。4気筒ディーゼルも同レベルの洗練性を獲得していない。だがファミリーSUVとして見た場合、より実直で使いやすいクルマではある。
7名の定員も設定でき、ライバルよりもオフロード走行はお手の物。多くの人にとって旨味の濃いクルマだといえるだろう。
ランドローバー・ディスカバリー・スポーツ RダイナミックS D240 AWDのスペック
価格:4万3975ポンド(584万円)
全長:4597mm
全幅:1920mm
全高:1727mm
最高速度:218km/h
0-100km/h加速:7.7秒
燃費:14.0km/L(WLTP複合)
CO2排出量:187g/km
乾燥重量:1934g
パワートレイン:直列4気筒1999ccターボ
使用燃料:軽油
最高出力:240ps/4000rpm
最大トルク:50.9kg-m/1500-3000rpm
ギアボックス:9速オートマティック
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