たった2周しかチャンスがなかった
ファンシーなディナーパーティーの最初にでてくる、おいしそうなアミューズブーシュ。それくらいに小規模な試乗会だった。
愛情を注がれるホンダの至宝、それはNSXタイプR 6ケ月点検開始
シャシーナンバー0000(どれだけの0000が存在するかはわからない)のプロトタイプが用意され、180秒で1周するコースをたった2ラップしかできなかった。楽しくもあり、不満が残るものだった。
ホンダが画策する今後の商品展開を深く知るために日本を訪れた時の、予期せぬオファーであったが、それは、カーブの多いむずかしいサーキットでおこなわれた。
4速を使うことはなく、それなりのスピードで旋回するコーナーでも3速で十分であった。ホンダといえば、いつも奇想天外なことをやってのけるのだが、またしてもやらかしたのだ。
だからあらかじめ言っておくが、このレビューでは結論は出せない。多くの開発費と時間を費やして誕生したクルマを、垣間見える片鱗だけで判断するのはわれわれの流儀ではない。
星もなければ、どんでん返しの結論もない。
しかし、ヒントを掴むことはできたと思う。それこそが重要な点であるのだろう。そそられる好奇心を駆り立てられたことに全く不満はない。
パワフルなターボエンジンを搭載
新型タイプRは、10代目の標準モデルが発表されてから、間もなく導入されていることはご存じであろう。
ターボで加給される2.0ℓVTECガソリンエンジンを、再び搭載し、先代モデルよりも、パワーで10ps多い323psへ、最大トルクは不変の40.8kg-mである。そして、同じ6速マニュアルが与えられた。
0-100km/hなどのデータは、来週まで公表されないが、ありきたりの数値はここでは重要ではない。
ホンダのエンジニアによると、肝心なのは刷新されたシャシーとサスペンションであり、それらは、更に締め上げられ、タフになっているが、無駄な贅肉をつけることもなく、あれこれといじくり回すこともできるようだ。
車体は、先代に比べ、長く、更にロウ&ワイドのプロポーションを極め、重心を下げることによる恩恵を享受している。そして、速い。
いよいよインプレッション
はじめて走るサーキットで、様子をみながら、わずか2ラップ走っただけでは、自身が本当にちゃんとした走りができたのかどうかを判断することもむずかしい。
わかりやすく表現すると、あまり上手く操ることはできなかった。
旋回時のスピードが速すぎるとリアが出る。旋回時にアクセルを開けすぎると、おもしろいほどにリアは出るが、唐突ではない。
それにしてもこのグリップ。旋回時に頑張っても、アクセルに置いた足はそのままでよい。タイヤやステアリングは、もがくが、心配することはない。
そして、絶え間なく続く、ステアリングからのフィードバック。足元で起こっていることが、手に取るようにわかる。
ステアリングは、ちょっと軽い。しかしそれには目的があり、とても正確である。
先代のタイプRは、レーシングカーの域まで踏み込んでしまったが、このモデルでは、クルマを繰る上で、標準モデルのフォード・フォーカスSTが醸し出すような、趣以上のものが存在する。
エンジニアもすごい
すごいのは、私の横に座る事になった、気の毒なエンジニアである。勢いよく繰り出し、ハードなブレーキングや全開加速を繰り返し、試乗車をこれでもかと酷使しても、顔色ひとつ変えることもなかった。
反対に、彼は笑顔を見せたかと思えば、たまに笑ったりもしたが、ちょっとミスしたな、と思った時に、メモを取っていた。果たして私の成績はどうだったのか、結果を知るのが怖い。もう呼ばれないかもしれない。
彼がメモを整然ととることができたのは、よくできた、スポーツシートのおかげでもあるだろう。試乗を終えたドライバー達は、口を揃えて、このタイプRに乗ることは苦行ではなく快楽であると自信をもって語った。
尋常でない脚の硬さが日常性を奪うことになった先代のタイプRに比べて、このクルマの乗り心地が改善しているかどうかを知る為には、縁石を乗り越える以外に最良の方法はなかった。踏んだ感じは、良質なしなやかさに近いものだったと思う。
ロールやグリップ、スタビリティに妥協があったのかどうかを確かめるためには、わたし程度の技量では無理である。日本人のジャーナリストと呼ばれるひとは、いつもこの程度の時間でクルマの善し悪しを見極めているのだろうか? だとしたらすごい。
その他に関しては、あなたの想像通りであろう。これまで以上に素敵なエンジン、軽快な変速機に、期待通りのインテリア。いずれも悪くない。
いっぽうのエクステリアだが、これの評価に関しては、それぞれの好みにおまかせするとしよう。
シビック・タイプRの初期の評価は高い
何人かは既に購入しているし、とくにAUTOCARの読者の多くは購入を考えている事だろう。
ここで認識していただきたいのは、このクラスでは最も過酷な競争を強いられるということである。
偉大なホットハッチのライバルがひしめく現代のこのクラスで、シビック・タイプRがどの程度素晴らしいかを探ることは、楽しみ以外のなにものでもない。
新型タイプRは、疑いなくよくできている。しかし、問題は、どの程度良いのか? ということである。
今後のロードテストや比較試乗で、はっきりと答えをだそうではないか。
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