4月24日、WRC世界ラリー選手権第3戦『クロアチア・ラリー』の競技2日目はデイ2のSS9~16が行われ、前日2番手につけたセバスチャン・オジエ(トヨタ・ヤリスWRC)が総合首位に立った。
東ヨーロッパのクロアチアを舞台に行われているWRC初開催のクロアチア・ラリーは、土曜日もサービスパークの南西エリアに設けられた4本のSSを、午前と午後のループに分けて各2回走行するスケジュールで争われた。
前日に最多4本のSSを制し、首位ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)と7.7秒差の総合2番手につけたオジエは、この日も好ペースを維持しオープニングのSS9でベストタイムをマーク。キャリア通算602回目のステージ優勝を飾るとともに総合首位に浮上した。
WRC7冠王者は午前のループ最後のSS12でもベストタイムを記録した後、日中のサービスを挟んで迎えたSS13でパンクに見舞われたがトップの座は譲らず。1日の終盤、SS15と続くSS16をベストタイムで締めくくり堂々の総合首位でラリー最終日に駒を進めている。
王者オジエに続くリザルトを残したのはチームメイトのエルフィン・エバンス(トヨタ・ヤリスWRC)だ。
SS9で総合2番手に浮上しSS11ではステージ優勝を果たした彼は、競技2日目も安定感のある走りを披露。1日をとおしてオジエの背後にピタリとつけ、SS16の終了時点では6.9秒差の2番手に。これによりトヨタ陣営はデイ3をワン・ツーで迎えることになった。
前日のデイ1でトップに立っていたヌービルは、今朝のSS9でタイヤ選択を誤り大きくタイムを失ってしまう。彼は低温に適していると考えハードとソフトコンパウンドのタイヤをミックスしてラリーに挑んだが、これが裏目に。4本すべてにハードタイヤを選択したオジエとエバンスに遅れを取ってしまう。
さらに、ヌービルの駆るヒュンダイi20クーペWRCはエンジンのストールとブレーキにも問題を抱え、これによって思うようなペースアップができず。一時は首位から20秒近くギャップを広げられてしまう。
しかし、オジエがタイムを失ったSS13でベストタイムをマークしたヌービルは、このステージでギャップを約10秒削り、ふたたびその差を10秒以内とする。SS15では王者とベストタイムを分け合ったベルギー人は、最終的にトップと10.4秒差で競技2日目を終えている。
■WRCトップドライバーに匹敵する速さを示した勝田貴元
前日に引き続き総合4番手に留まったオット・タナク(ヒュンダイi20クーペWRC)は、デイ2でも持ち前のスピードが発揮できなかった。チームメイトから27秒、オジエからは37.8秒遅れている。
総合5番手は今戦がWRカーデビュー戦となっているエイドリアン・フルモー(フォード・フィエスタWRC)。フランス期待の若手はSS9と再走ステージSS13で2番手タイムを刻むなど存在感を発揮した。
総合6番手はチームメイトのガス・グリーンスミス(フォード・フィエスタWRC)で、日本の勝田貴元(トヨタ・ヤリスWRC)がその後ろ総合7番手に入った。
勝田はこの日、SS10で昨シーズン最終戦モンツァ以来となるステージ優勝を飾ると、続くSS11では3番手タイムをマーク。さらに、午後のSS14ではふたたび全体ベストを記録してキャリア3度目のステージ優勝を果たした。1日をとおしてトップドライバーに匹敵する速さを示した勝田は、順位を総合9番手から7番手に上げてラリー2日目を完走している。
25日(日)のラリー最終日はサービスパークの北側で、日中のサービスを挟むことなく2本のステージを各2回走行するスケジュールが組まれている。全長25.20kmのSS17と再走ステージのSS19は今大会最長のロングステージ。最終SS20はトップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーにボーナスポイントが与えられる“パワーステージ”だ。
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