現実世界で期待できる航続距離
バッテリー技術や充電インフラは日々進歩しており、EVはニッチな存在から内燃機関車の代替となる実用的なクルマへと変化しつつある。しかし、1回の充電でどれだけの距離を走れるかは、依然として重要な問題だ。
【画像】EV航続距離が最も長いのは?【各モデルを写真で見る】 全140枚
メーカーが公表している航続距離の数値はあくまで目安であり、日常の運転状況で必ずしも達成できるものではない。では、現実世界で走れる距離はどれくらいなのだろうか?
AUTOCARは現在、電動化が急速に進む欧州市場において、すべての市販EVで航続距離テストを実施している。その結果をランキング形式で紹介する。
1. ヒョンデ・コナ・エレクトリック – 417km
EV航続距離における現時点でのチャンピオンは、巨大なバッテリーを搭載した大型車でもなく、高価な最上級車でもない。大衆車ブランドであるヒョンデから3万5000ポンド(約560万円)以下で販売されており、EVの普及に貢献していると言えるだろう。
昨年、コナ・エレクトリックを公道でテストしたとき、記者は「EVの中で最も魅力的な使い勝手と手頃な価格の融合」であると述べた。64kWhのバッテリーによる実走行距離は400km以上と、テスラ、ジャガー、アウディといった高級車に勝るものである。
実際、その価格、性能、人気のクロスオーバースタイルという組み合わせにより、ヒョンデが需要に応えるのに苦労しているほどだ。
2. ジャガーIペイス – 407km
ジャガーは、テスラなどに対抗する高級モデルを発売した最初の欧州メーカーであり、航続距離においてはライバルを打ち負かすと同時に、後続に高いハードルを設定した。Iペイスは電気を動力源とするドライバーズカーであり、印象的な加速性能とジャガーらしいハンドリングを備えている。
90kWhのバッテリーで2基の電気モーターを駆動するIペイスは、実走行距離407kmを達成。これはコナ・エレクトリックに次ぐ僅差の2位だが、より高速のDC急速充電に対応しているため、充電時間の差で追いつけるかもしれない。
3. キアeニロ – 407km
Iペイスと表彰台を共有するキアeニロは、比較的小さいバッテリー(64kWh)を搭載しているにもかかわらず、407kmの航続距離を実現している。パワートレインはヒュンダイ・コナ・エレクトリックと共通だが、ボディが大きい分、若干の重量ペナルティがある。
eニロの公道テストでは、航続距離が兄弟車より短いものの、使いやすさ、洗練性、乗り心地で勝ると判断され、高い総合評価を得た。
4. テスラ・モデル3パフォーマンス – 385km
テスラの主力モデルであるモデル3は、「スタンダードプラス」と「ロングレンジAWD」仕様のほか、BMW M3並みのパワーを持つ「パフォーマンス」仕様もあり、0-97km/h加速は3.1秒、最高速度260km/hを実現する。オプションのパフォーマンス・パックでは、標準の空力特性に優れた18インチアルミホイールより大きな20インチが装着される。
公道テストでは、モデル3パフォーマンスは実走行で385kmを達成した。これは、遥かに高価なモデルXや、アウディeトロンを優に超える数値である。
5. テスラ・モデルX – 375km
モデルXは、7人乗りの実用性と派手なガルウィングドア、そしてオプションのルディクラス・パフォーマンス・モードを追加すればスーパーカー並みの加速を併せ持つ大型SUVだ。また、価格は10万ポンド(約1600万円)近いため、市販EVのなかでも最も高価な部類に入る。
現在では生産中止となっているP100D(現行のロングレンジモデルと同サイズの100kWhバッテリーを搭載)でテストしたところ、航続距離は375kmと競争力のあるものであった。小型のモデル3より劣るものの、テスラのスーパーチャージャー・ネットワークにより充電網はある程度整備されている。
6. 日産リーフeプラス – 349km
初代日産リーフは、手頃な市販EVとしてパイオニア的な存在となっているが、航続距離のチャンピオンにはなれなかった。2代目では、62kWhのバッテリーを搭載した「eプラス」モデルが登場し、飛躍的な進化を遂げている。標準の40kWhバッテリーに比べ、実走行距離が145kmも伸びているのだ。
40kWhのモデルよりもパワーがあり、最高出力217psでレスポンスが格段に良くなっている。しかし、乗り心地にはやや悩まされ、コーナリングでそのフルパワーを使うことは、それほど楽しいものではない。
7. メルセデス・ベンツEQC – 335km
実験的なモデルであるということはさておき、EQCはメルセデスにとって初の量産型EVである。メルセデスの高級SUVとして親しみやすくも新しいスタイリングを持ち、同社のラインナップから突出することなく、スリーポインテッドスターに求められるインテリアを備えている。
EQCは、80kWhのバッテリーから2基のモーターに電力を供給し、合計出力408psと最大トルク77kg-mを発生させる。ジャガーIペイスやアウディeトロンなど主要なライバルよりも加速力に優れている。パワーがある一方で、日常的な走行ではバッテリーの減りが早く、一般的な実走行距離は320km以上と予想される。
8. アウディeトロン – 315km
アウディはこれまでにも既存モデルのEVバージョンを実験的に開発してきたが、eトロンは新世代EVの第一弾であり、同ブランドにとって近年最も重要なモデルの1つになる可能性を秘めている。
第一に高級SUV、第二にEVでありながら、内燃エンジンを搭載した同クラスのモデルに近いスタイリングを持つ。しかし、重量は重く、95kWhの大容量バッテリーを搭載しているとはいえ、実走行距離は315km程度と見込まれる。プラス面としては、150kWの充電に対応しているため、走行再開までの待ち時間があまり長くならないことが挙げられる。
9. ルノー・ゾエR135 – 309km
2012年のデビュー以来、ルノー・ゾエは改良を重ね、今では初期モデルよりも強力なパワートレインを搭載している。エクステリアのデザインは大きく変わっていないが、インテリアは新型クリオ(日本名:ルーテシア)と共通化された要素により、質感が大幅に向上している。
52kWhバッテリーを搭載し、公式にはWLTPサイクルで383kmの走行が可能とされているが、編集部の実走行テストでは、通常の使用で309kmを走行することができた。上級車に匹敵する数値で、WLTPの公称航続距離に比較的近いものとなっている。
10. テスラ・モデル3スタンダードレンジ・プラス – 291km
上位モデルのパフォーマンス仕様では、有能な電動ツアラーとしてその実力を証明しているが、このスタンダードレンジ・プラス仕様も個別で評価すべきだろう。モーターはパフォーマンス仕様の2基から1基になり、バッテリーも小さくなっているが、それでも実走行テストでは航続距離の長いEVの上位にランクインしている。
編集部のテストでは、実走行距離が291kmとなり、同価格帯のBMW i3を上回ったが、ヒュンダイ・コナ・エレクトリックやキアeニロには遅れをとった。
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