「うちのクルマは天才なのだ。」と、BMWがあの『天才バカボン』をモチーフとしたTVCMをうったことに驚いた。それほどまでに1シリーズは変わったのだと、訴えたかったということだろう。
BMW 118i プレイ|BMW 118i PLAY
ボディサイズは全長4335mm、全幅1800mm、全高1465mm。ホイールベースは2670mmで、リアシートの足元スペースは約40mm拡大した。価格は375万円。
8年ぶりのフルモデルチェンジで3代目となった1シリーズは、ついにというべきかこのセグメントで唯一のFR(後輪駆動)をやめて、FF(前輪駆動)になった。一般的にFRは前輪が操舵を、後輪が駆動を、とそれぞれ役割を分担することによって自然な運転感覚を得られるメリットがある。その一方で後輪に駆動力を配分するプロペラシャフトなどが必要になり、室内空間が犠牲になるといったデメリットもあった。
BMW 118i プレイ|BMW 118i PLAY
新型では、キドニーグリルも新世代のものへと変更。6角形型の4灯ヘッドライトを採用し、スポーティーなイメージを強調している。
BMW 118i プレイ|BMW 118i PLAY一連のミニとのプラットフォームの共有化によるコスト削減、そして室内空間の拡大といったミッションを背負った3代目1シリーズが、FFになることはおそらく必然だった。かくしてベースモデルの118iのボディサイズは、全長4335mm×全幅1800mm×全高1465mm、ホイールベース2670mmと、先代比で全長約25mm、ホイールベースは20mm短縮されているにも関わらず、後席足元スペースが約40mmものびた。さらに、全幅は+35mm、全高+25mmとなり、頭上空間や肩まわりも明確に広く、ラゲッジ容量も20L拡大して380Lになった。
BMW 118i プレイ|BMW 118i PLAYBMW 118i プレイ|BMW 118i PLAY新たなプラットフォームになったことによるもう1つの大きなメリットは、最新のインフォテインメントシステムや安全運転支援機能が備わる点だ。オプションだが、AI技術を活用し、「OK, BMW」と呼びかければ、音声で車両の操作、情報へのアクセスが可能となるBMWインテリジェント・パーソナル・アシスタントを備えた。メルセデスにも同様のMBUXという機能があるが、BMWの特長はドライバーが任意の名前をつけられる点にある。ペットネームよろしく、「OK、1(ワン)ちゃん」でもいい。ちょっとしたことだが、日常の相棒としてクルマを使うオーナーにとっては大事なことだろう。
BMW 118i プレイ|BMW 118i PLAY
最新のBMWライブ・コクピットには、標準では5.1インチのメーターパネルと、8.8インチのコントロールディスプレイが備わる。オプションで、10.25インチのディスプレイも搭載できる。
また運転支援機能として、レーン・チェンジ・ウォーニング、後部衝突警告機能などをはじめ、直近に前進した50mのルートを記憶して、自動でステアリングを操作して軌跡をなぞって後退することができる「リバース・アシスト」も全車に標準装備した。またQi対応のワイヤレス充電機能を全車に標準装備するなど、日常での使い勝手を向上している。
BMW 118i プレイ|BMW 118i PLAY乗ればやっぱりBMW。きちんと面白いで、もちろん肝心なのは、走ってどうなのかということだ。「駆け抜ける歓び」を標榜するBMWが、実用性を重視するあまり運転してつまらないクルマを作っては元も子もない。
BMW 118i プレイ|BMW 118i PLAY搭載するエンジンは、1.5Lの直列3気筒DOHCガソリンエンジン。最高出力は140psで、最大トルクは220Nm。BMW 118i プレイ|BMW 118i PLAY
ラゲッジルームは、先代と比べて20L増加し、380Lとなった。リアシートを倒せば、最大1200Lまで増加する。
試乗した「118iプレイ」は、Mスポーツ系のスポーティなサスペンションではなく、タイヤサイズも16インチともっともベーシックな足回りモデルだ。パワートレインは最高出力140ps、最大トルク220Nmを発揮する1.5L直列3気筒ターボエンジンに7速DCTを組み合わせる。お世辞にも“速い”といえるほどパワフルではないけれど、静粛性も高まっているし、乗り心地も良好で、とてもシンプルで心地よい。箱根のワインディングロードにも持ち込んでみたが、これが意外なほど活発に走る。ベースグレードゆえシフトパドルは付いていなかったが、シフトレバーをマニュアルモードに切り替えると、押してダウン、引いてアップと、ちゃんとBMWらしい設計になっている。最近は逆のパターンを採用するメーカーも多いが、個人的には減速Gと加速Gに合わせたこの考え方が理にかなっていると思う。
BMW 118i プレイ|BMW 118i PLAY
今回のモデルチェンジで、BMWインテリジェント・パーソナル・アシスタントが搭載になった。AI技術を活用したボイスコントロールシステムで、従来の音声入力よりも自然な会話形態でドライバーの指示や質問を理解するという。システムの名前は自由に設定可能で、好きな名前で「OK 〇〇」と呼びかければ作動する。
BMW 118i プレイ|BMW 118i PLAYBMWらしいのは、マルチリンクのリアサスペンションを、グレードを問わず標準装備していること。そして、日本のBMWでは初となる「ARB」という新機能を搭載したことだ。これはコントロールユニットが従来の3倍の速さでスリップ状況を検知し、FFのデメリットであるアンダーステアを抑制するというものだが、言われなければそれが制御してくれていると分からないけれど、ぐいぐいと曲がっていくのが印象的だった。
BMW 118i プレイ|BMW 118i PLAYBMW 118i プレイ|BMW 118i PLAYハイパフォーマンスグレードの「M135i xDrive」にも乗ったが、最高出力306ps、最大トルク450Nmを発揮する2L直列4気筒ターボに8速AT を組み合わせ、4輪を駆動するこのモデルは、とにかく速い。速いがしかし、コンフォートモードでは穏やかで、意外なほどジェントルな味付けがなされていることに驚いた。その狙いはのちに同じパワートレインを搭載するミニJCWクラブマンに試乗して判明する。ミニは明らかに排気音の演出がきいており、キビキビ動くゴーカートフィーリングなのだ。それに比べればM135i xDriveは、GTカーの様相を呈している。よくもまあ同じプラットフォーム、同じパワートレインでこれほどまでに乗り味の違う2つのモデルを作れるものだと、ほとほと感心してしまった。
BMW M135i xDrive|BMW M135i xDrive
MモデルのM135i xDriveのボディサイズは、全長4335×全幅1800×全高1465mm、ホイールベースは2670mm。価格は630万円から。
FF化によって失ったものがないのかと問われれば、それはある。FRゆえの古典的だけれど美しいスタイリングであり、素直なハンドリングだろう。しかし、それ以上に得たものがある。新型1シリーズはBMW自らが「天才」と言うくらいなのだから、生半な完成度であるはずもないということだ。
BMW M135i xDrive|BMW M135i xDrive
エンジンは2Lの直4DOHCガソリンエンジンを搭載。最高出力は306psで、最大トルク450Nm。
文・藤野太一 写真・柳田由人 編集・iconic
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みんなのコメント
居住性が良く為っても、不細工な車は要らない。
そんなものがセールスポイントになる位だもん。アホで独りよがりな運転のドライバーが増えてる訳だ。