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二足歩行「支援」ロボ? トヨタの「ロボット」がヒト型でもネコ型でもないワケ

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二足歩行「支援」ロボ? トヨタの「ロボット」がヒト型でもネコ型でもないワケ

■トヨタのロボットは二足歩行を「支援」する

 クルマメーカーのロボットといえば、ホンダの二足歩行ロボット「アシモ」が広く知られていますが、実はトヨタもロボット技術を大いに培ってきたメーカーです。

理由は「高性能すぎる」 新型車両開発中止

 2017年4月12日(水)、トヨタは脳卒中などにより足が麻痺した人のリハビリテーション支援を目的としたロボット「ウェルウォーク WW-1000」のレンタルを、2017年秋より開始すると発表しました。

「ウェルウォーク WW-1000」は「ロボット」と称されていますが、いわゆるヒト型やネコ型のそれとは大いに違う姿をしています。無論、二足歩行はせず、むしろ二足歩行を「支援」するためのロボットといいます。これは、いわゆる「産業用ロボット」の応用に位置づけられるもので、トヨタの「ロボット」はこの産業用ロボットの開発、およびクルマ作りを通し培われた技術をもとに開発されているという経緯があります。

 なぜトヨタはロボットを作り始めたのでしょうか。

 そもそもの理由としては2011年3月9日、同社が目指すべき方向性として発表した「グローバルビジョン」に基づいた活動だそうです。

「トヨタは『笑顔のために。期待を越えて。』をグローバルビジョンとして掲げ、いいクルマづくりを通して、いいクルマ、いい社会に貢献することを目指しています」(トヨタ)

 これに向けた活動の一環として、同社が培ってきた技術を応用し、「人の活動をサポートし、ヒトと共生するパートナーロボットの開発をすすめています」(トヨタ)としています。

■クルマメーカーのロボット作り、トヨタの場合

 トヨタは1980年代に産業用ロボットを導入しており、2005(平成17)年に愛知県長久手市で開催された「愛・地球博」においては、同社のロボットがパフォーマンスする姿も披露されています。また現在のロボット作りへつながるコンセプトなども2000年代半ばには公表していました。

 同社は2007(平成19)年末から、藤田保健衛生大学(愛知県豊明市)と共同でリハビリテーション支援ロボットの開発を進めており、2011(平成23)年から医療現場での実証実験を実施。2014年からは全国23の医療機関で、歩行練習アシストロボットの臨床的研究を開始しました。こうした経緯が、今回の「ウェルウォーク WW-1000」へとつながります。

「トヨタは『すべてのヒトに移動の自由を、そして自らできる喜びを』のビジョンのもと、特に日本において重要な課題である少子高齢化問題に対応するため、ヒトの活動をサポートするパートナーロボットの開発を、『シニアライフの支援』『医療の支援』『自立した生活の支援』『介護の支援』の4分野として進めています」(トヨタ)

 具体的にどのような技術がロボット作りに応用されているのか、という点について同社は、「産業ロボット分野では、モーターの小型軽量化技術やロボットアームの位置を精密に制御する技術などを、自動車技術では、たとえば車両姿勢を安定化させるための制御技術や各センサーの小型化、高精度化技術などを応用しています」と説明します。

 以上のように、トヨタのロボット作りの原点は、クルマ作りに導入した産業用ロボットにあるといいますが、ではこの「産業用ロボット作り」は、どこに原点があるのでしょうか。

■トヨタのロボットはクルマよりも歴史が古い?

 トヨタの歴史は、豊田自動織機製作所(現・豊田自動織機)の自動車部門として、1933(昭和8)年9月に始まります。同社はもともと豊田佐吉氏が発明した「自動織機」を製造するための会社で、1926(大正15/昭和元)年に創業され、そして現在のトヨタグループの起源になりました。

「自動織機」とは「自動織布機」のことで、文字通り自動で布を織る機械のことです。トヨタにおいては、自動で一定の作業をこなす産業用ロボットの、まさに原点ともいえるものでしょう。そういう意味では、トヨタのロボット作りはクルマよりも先に始まっていた、といえるのかもしれません。

 ちなみに1945(昭和20)年、豊田自動織機は、ピストンリング(エンジンなどの部品)を製造する東海精機重工業の全株式を同社オーナーより購入しますが、このオーナーというのがのちのホンダ創業者、本田宗一郎氏でした。同氏は翌1946(昭和21)年、この株の売却資金を元手に本田技術研究所を設立、1948(昭和23)年には同研究所を本田技研工業と改称し、現在に至ります。二足歩行ロボット「アシモ」と二足歩行支援ロボット「ウェルウォーク WW-1000」のあいだには、そうした古くからのゆかりもあるのです。

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