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オープンカーのソフトトップは劣化しやすい!? 洗車機で洗っちゃダメ? 幌の正しいお手入れ方法とは

掲載 更新 62
オープンカーのソフトトップは劣化しやすい!? 洗車機で洗っちゃダメ? 幌の正しいお手入れ方法とは

■ソフトトップは駐車環境で長持ちするかどうかが大きく変わる?

 多くの人が憧れるオープンカー。最近は格納式のメタルトップが増えて、ソフトトップ(幌)のルーフが減りつつありますが、それでもオープンカーにソフトトップを装備することにこだわるメーカーもあります。

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 そんなオープンカーのソフトトップは、当然ながらボディやほかのパーツとは違う素材でできているので、お手入れ方法にも気を遣う必要がありそうです。

 そこで今回は、実際にオープンカーに乗っているオーナーにインタビュー。ソフトトップのメリット・デメリットを教えてもらいつつ、神奈川県の中古車販売店のS店長にソフトトップの取り扱いについて聞いてみました。

 ソフトトップに関してもっとも気になるのはその耐久性でしょう。硬いスチールでできたボディと違い、手動か電動の骨組みに「ビニールレザー」や「キャンバス」と呼ばれる生地を使用したソフトトップは、どう考えても耐久性では通常のボディには勝てません。

 ソフトトップに使用される生地は、どんなものがあるのでしょか。

 まず、ビニールレザーには4種類の生地があります。ひとつ目は「HVデニム」と呼ばれるキャンバス生地のような処理が施されたもの。ホンダ「S2000」や日産「フェアレディZロードスター」など、少し前のオープンカーに多く使用されていました。

 ふたつ目は「カブリオビニール」と呼ばれる生地。マツダ「ロードスター」でも使用されているポピュラーな生地で、表面はレザーのようにざらざらな加工が施されています。発色が美しく、さまざまなカラーが用意されているのも特徴です。

 みっつ目は「ピンポイントビニール」。古くは1960年代以降のVW「ビートル」やフォード「マスタング」、プジョー「205カブリオレ」などにも使われていた伝統的な生地で、表面に細かいドット加工がしてある生地になっています。

 そして「セイルクロス」はピンポイントビニールの進化系で、同じようにドット加工されていますが、比較的最近のモデルになってから採用されている生地です。

 一方でキャンバス生地は3種類ほどあり、ひとつ目は古くから使用されている「STF」と呼ばれるキャンバス生地です。

 往年のシボレー「コルベット」や「カマロ」、プジョーやアルファロメオでも採用されていたといわれています。表地・裏地・中間層の3層構造になっており、中間層には防水加工が施されている頑丈なソフトトップです。

 同じ3層構造ながら欧州車を中心に採用されていたのが「SDK」と呼ばれるキャンバス生地です。STFと比べて繊維の密度が高く、厚みもあるのが特徴です。

 もうひとつが「ジャーマン」と呼ばれる布生地です。ポルシェのカブリオレやメルセデス・ベンツ、BMWなどハイクラスの欧州系オープンカーに採用されるもっとも高級な生地になります。

 このようにソフトトップとはいってもさまざまな生地が使われていますが、クルマを取り巻く環境によって(スチール系ボディ以上に)コンディションの差が出やすいようです。どれくらいの耐久性があるのか、神奈川県の中古車販売店のS店長に聞いてみました。

「一応、メーカーなどの説明では、耐用年数は5年から10年といわれていますが、保管状況などによっては5年持たないものも多いです。

 というのも、生地自体は強く擦ったり、鋭利なもので切られる以外では5年経過しても破れることはあまりありません。

 しかし、直射日光などを長期間浴び続けていると、表面の色褪せが進行してしまうことがあります」

 雨風や、日光に含まれる紫外線は、そもそもクルマのボディを傷める原因となりますが、ソフトトップの場合は色褪せなど劣化がさらに顕著に出やすい傾向があります。

「ソフトトップと固定するピラーの緩衝材となっているウェザーストリップなどのゴム製部品が5年も持たないケースが多く、そこから雨漏りしてしまうケースが多いです」(中古車販売店 S店長)

 実際に複数のオーナーに聞いたところでは、5年以上経過したモデルでもソフトトップは問題なかったという人が多かったのですが、その理由はほとんどが屋根付き駐車場で保管されていたことにありました。

 やはり雨風や紫外線からクルマを守っていたことが、長持ちにつながっているようです。

■ソフトトップにメリットはあまりない!?

 やはり通常のルーフよりは扱いが難しそうなソフトトップですが、メリットはあるのでしょうか。前出のS店長に聞いてみました。

「メリットはあまりないといえますが、しいて挙げるとすれば、メタルトップより重量が軽いことです。また最近の電動格納式は開閉時間が速くなりましたが、手動のソフトトップは(一部車種を除き)かんたんに開閉できます。

 またメリットとしては、複雑な機構ではないため修理も比較的に安価で済むことでしょうか。

 さらにカラーバリエーションも豊富なので、オリジナルの2トーン配色にもすることができます」

 一方でデメリットは多そうです。たとえば経年劣化による雨漏りや色褪せ、後方視界の悪さなどが挙げられます。

 リアスクリーン(通常のクルマのリアウインドウ部分)は近年でこそガラス製が増えましたが、ビニール製のものは劣化が進んで細かい傷などで白ボケしやすく、またビニールの性質で経年による硬化も進行してしまいます。

「ソフトトップの耐久性や耐候性は以前より格段に向上していますが、通常のメタルルーフには勝てない部分は多いです。

 とくに耐候性は及ばない部分で、少し古いオープンカーは、夏の炎天下の直射日光からジワジワと熱が伝わってくるので、ルーフを開けて走ったほうが涼しいなんてこともあります」(中古車販売店 S店長)

 そして最大のデメリットは、やはり「防犯性」の脆弱さでしょう。ソフトトップの生地はカッターでもあっさり切れてしまい、そのため車上荒らしに遭う確率も通常のメタルルーフ車よりも高くなるのは仕方ないといえます。

「ひと昔前は、ビニールのリアスクリーンを切られるケースが多かったです。キャンバス生地よりかんたんに切れますし。

 劣化よりも車上荒らしが原因で、ソフトトップを張り替えられるお客さまが多かったと思います」(中古車販売店 S店長)

 それでは複数のオープンカーを乗り継いだF氏(50代・男性)に、ソフトトップの普段の取り扱いなどに聞いてみました。

「確かに多少は丁寧に扱う必要はありますが、神経質にならなくても大丈夫です。ただし普段停めておく場所だけ、できれば直射日光が当たらない駐車場が良いと思います」

 お手入れは、ソフトトップ特有のものが必要なのでしょうか。

「ソフトトップ専用の洗剤や保護剤などもありますが、通常のカーシャンプーでもまったく問題ないと思います。ただし洗車機だけは絶対に使いません。

 トップの生地というよりも、窓やピラーの接合部分から車内に水が入ってしまうことが多いんです。それより自分で水圧を加減しつつ作業できる手洗いのほうが良いでしょう」(オープンカーオーナー F氏)

 あとは柔らかめのウエスやブラシで少し丁寧に扱う程度で、通常通りの洗車をおこなうので問題ないのだとか。

「カーシャンプーを洗い流すときは、水圧を強くせずに何度か洗い流すようにすれば良いと思います。

 それと、拭き上げずに放置するのはシミの原因になりますので、できるだけ早く水気を取ります。慣れれば、全然面倒ではないですよ」(オープンカーオーナー F氏)

 それほど扱いは難しくようですが、少しだけ注意が必要なこともあると前出のS店長はいいます。

「花粉は洗い流せるのですが、樹液によるシミなどはなかなか取れません。通常のメタルルーフでも樹液は厄介なものですが、ソフトトップに染み込んでしまったときは、アルコール類や塩素系漂白剤などを使用してしまうと逆に傷めてしまうので、中性洗剤などで優しく洗うと良いでしょう」

 また、キレイに洗車して十分に乾燥させたあとは、ボディカバーなどをルーフ部分にかけることで直射日光やホコリなどから守ってくれる効果が期待できるといいます。

「オープンカーは1人のオーナーが所有される期間が短い傾向があります。そのため、歴代のオーナーからどのように扱われてきたかでかなり状態に差が出てしまいます。

 新車の場合は問題ありませんが、中古のオープンカーを購入する前に必ずソフトトップの開閉の動作確認や接合部分のヤレ具合などのチェックを忘れずにしていただければ、購入後のトラブルも少なくて済むと思います」(中古車販売店 S店長)

※ ※ ※

 メタルルーフ車と違い、ソフトトップの取り扱いは少々気を遣うところもあるようですが、それを超えた魅力がオープンカーにはあります。

 国産オープンカーであれば故障もほとんど心配ないので、一度は憧れのオープンカーを手に入れてみてはいかがでしょうか。

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みんなのコメント

62件
  • >少し古いオープンカーは、夏の炎天下の直射日光からジワジワと熱が伝わってくるので、
    >ルーフを開けて走ったほうが涼しいなんてこともあります」(中古車販売店 S店長)

    幌なしで炎天下って、、、
    絶対にそれが涼しいなんてことはありえん。
  • >最近は格納式のメタルトップが増えて、ソフトトップ(幌)のルーフが減りつつありますが、

    これ見て読むのをやめた、逆だよソフトトップは増えてるよ、BMW、メルセデスベンツ…だめだこりゃW
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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