2021年10月に2代目へと切り替わった、レクサス「NX」。新型登場後まもなくから続いていた受注停止は、2023年3月にようやく解除となったものの、納車までにどれほど日数がかかるのかは、依然として不透明だ。
ただ、フルモデルチェンジから1年7か月が経過したことで、中古車市場では、先代のNXがいまお得感を増してきている。また、NXは新型でボディサイズが大きくなったことから、新型ではなく先代が欲しい!! という人もいるのではないだろうか。そんな「先代NXを購入したい!!」という人に向け、先代NXの賢い買い方、得する売り方についてご紹介しよう。
「買えない…」から「買える!!」へ レクサスNX中古を狙え!! 買い時と賢い売り時は?
文:吉川賢一
写真:LEXUS
先代NXは、「F スポーツ」を選ぶべし!!
先代NXは、2014年7月に登場。2.0L直4ガソリンターボの「NX200t」(のちにNX300に改名)と、2.5L 直4エンジン+モーターの「NX300h」の2つのラインアップで、グレード構成は「標準」と、装備充実の「Iパッケージ」、ラグジュアリーな「バージョンL」、そしてスポーティな「F スポーツ」の4段階、それぞれにFFとAWDがあった。
最後のマイナーチェンジは2017年9月。主な変更点は、NX200tをNX300へ改名、ヘッドランプユニットのレンズ形状変更、フロントグリルを4本バーから11本バーへ変更、Fスポーツのグリル枠をメッキから漆黒メッキへ変更、リアコンビネーションランプの形状変更、ターンランプをシーケンシャル化、マフラーカッターを四角形から六角形へ変更、ホイールデザイン変更、ナビディスプレイを7インチから10.3インチへワイド化、エアコン操作盤一部をボタン式からレバー式に変更など。MC後の車両価格は、NX300が税込440~532万円、NX300hが504~596万円であった(2021年9月末時点)。
中古車の流通に詳しい中古車買い取り業者によると、先代NXの売れ筋グレードは、NX300 Fスポーツ(2WD)だったそう。先代NXの最上級グレードで装備も満載、かつ中古車流通数も多く探しやすいこと、また、リセールを考えれば、人気グレードである「Fスポーツ」を選びたいところだ。できることならば、2018年以降に初度登録されたモデル、かつメーカーオプションのサンルーフ付を選びたい。これによってリセールがさらに有利となる。
2017年9月にマイナーチェンジをした先代のNX300 Fスポーツ。ヘッドライトやフロントグリル、テールランプ、10.3インチワイドモニター化など、大々的な改良が施されている
NXのインテリアはクオリティが高いと評判がよい。所々にあしらわれたメッキ調パネルや、本革の表皮など、輸入車を超える見た目と質感を備えている
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代替わりから1年7か月経過し、中古相場は下落してきた 様子みながら買うべし!!
ガソリン車であるRX300の5月中旬時点の中古車相場は、5年落ちの2018年製造車が約286万円~510万円。4年落ちの2019年製造車が約290万円~528万円、3年落ちの2020年製造車が約360万円~550万円といったところ。
ハイブリッド車であるNX300hの中古車相場は、5年落ちの2018年製造車が約308万円~540万円。4年落ちの2019年製造車が約338万円~549万円、3年落ちの2020年製造車が約430万円~598万円となっている(良質の個体を選ぶため走行距離は3万km以内とした)。
もちろん、走行距離の上限を5万km、7万km、10万kmと上げていけば価格は安くなり、先代NXデビュー直後の2015年製造車まで遡れば、相場は200万円~390万円程度にまで抑えられるが、そのぶん、今度はリセールで損をする。低走行の高年式中古車を手に入れて、距離は抑えて乗るほうが、損幅は少なく済むはずだ。
2代目の新型NXが2021年10月に登場して、既に1年と7カ月が経つ。今後は、先代NXの中古車販売店の店頭価格も下がってくるはずなので、継続的にリサーチを続け、納得できる価格で入手してほしい。
●「NX300とNX300h、2018年式、3万キロ未満」
●「NX300とNX300h、2019年式、3万キロ未満」
●「NX300とNX300h、2020年式、3万キロ未満」
NXは商品改良のたびに、特別仕様車をしばしば販売してきた。写真は、2020年1月の特別仕様車「NX300 Bronze Edition」(ソニックチタニウム)
売却のポイントは「5年落ち年内に手放す」と「どこに売却するか」
モデルにもよるが、中古車相場は、海外への輸出事情に大きく左右される。先代NXも海外へ多く輸出されており、特にマレーシアやロシアへ多く輸出されている。なかでもマレーシアに多く輸出されているため、マレーシアの輸入規制を考慮して売ることが、先代NXを賢く売る売却するコツだ。
マレーシアの輸入規制は、「初度登録月からの経過月数12か月~59か月まで」。今年2023年でいえば、2018年製造車から2022年製造車までが、マレーシアへ輸出できることになる。たとえば、2020年の後期型NX300 F スポーツを入手し、2024年のうちに手放す(輸送時間がかかるため59か月になる2~3か月前には手放したい)というタイミングだと、上記の輸入条件にあてはまり、高い下取りが狙える。逆に、製造年6年落ちとなると、買い取り価格は一気に40~50万円ほど下がってしまう。
また、売却するタイミングと同じくらい、「どこに売却するのか」も重要。中古車相場は日々変動するため、相場を毎日チェックする買取店とそうではない買取店とでは、買取価格に差が生じる。大手の買取店でも、中古車相場を毎日追いかけているとは限らない。面倒でも、複数の買い取り店で査定してもらい、より高い価格で買い取ってくれる店を探すのが「賢い売り方」の鉄則だ。
海外では、サンルーフとエアロパーツが人気のオプションだ。モデリスタやTRD製の純正エアロパーツが付くと査定はプラスとなることが多い(写真はモデリスタのエアロキット装着車)
◆ ◆ ◆
先代NXは人気モデルであっただけに、中古車であっても流通価格が高い。だがそのぶん、いいリセールが期待できる。もちろん、59か月を超えた初期モデルを手に入れて、カスタムしながら長く楽しむというのもアリだ。ぜひ本稿を参考にして、お得に先代NXを楽しんでほしい。
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