TRDから発売された14Rというコンプリートモデル
100台の限定販売であった14R-60の灯を消さぬために。TRDは「14R」というコンプリートモデルを発売した。これは主に空力関係を14R-60からフィードバックしたクルマであり、足まわりやブレーキについてはノーマルとなる。つまりストリートのチューニングベースといっていい立ち位置のクルマだ。
トヨタが作った女性向けの「86」がありました! プラス100万円の「style Cb」はファッショナブルで個性的なデザインでした【86名車プレイバック】
(初出: XaCAR 86&BRZ magazine Vol.07)
ストリートスペックとはいえレベルが高い装着パーツ
タイヤ&ホイールはアルミ鍛造の18インチを採用。タイヤは225/40R18サイズのブリヂストン・ポテンザS001。ホイールサイズは8.0J+48が装着される。ちなみに、14R-60はタイヤサイズが235/40R18、ホイールはマグネシウム鍛造の8.5J+43となる。
タイヤ&ホイールのサイズが違うのは、14Rにはフロントワイドフェンダーやリアフェンダーアーチが装着されないからだ。ノーマルボディに収めること、そしてストリートを前提としたことが、そのチョイスにつながる。
スポーツチューンのお手本のような仕様
なお、今回試乗したクルマにはGTウイングとフロントアンダーリップのセットオプションや、TRD製の正立式車高調整式サスペンション(スプリングレートはフロント=49.5N/mm、リア=72N/mmでスプリングは直巻き)、そして対向キャリパーキットなどが奢られている。こんな感じで仕上げたい、というお手本的な仕様といえるだろう。
今回はそんな14Rをワインディングで試乗した。すると、まず感じられたことは、このクルマがかなりグランドツーリングカー的な動きで安定方向に仕立てられていることだった。
終始安定方向を意識したエアロダイナミクス
14R-60はとにかく前後バランスに優れることが特筆すべき点だったが、14Rは終始安定方向に空力が効いている。フロントまわりの長さが違うところも、そんな味につながっているのかもしれない。ロングドライブをしても疲れ知らずの感覚、それがこのクルマの持ち味だ。
それはもちろん、タイヤ&ホイールのチョイスやシャシーの造り方にも起因しているのだろうが、スポーツ走行というよりは明らかにストリートを狙っていることが読み取れる。より万人向けのセッティングと言えばいいかもしれない。
だが、それは決してネガティブな話ではない。疲れ知らずで、しかもビギナーでも怖さがなく走れるところが14Rの持ち味。誰もがグリフォンのテイストを味わえるという意味で、この仕様は絶妙。14Rファンの裾野を広げ、その世界を続けていくという重責を担うにはピッタリだ。
本気のメーカー系チューニングカーを見た
今回、14R-60と14Rという2台のTRDコンプリートモデルに試乗し、さらに工房を拝見させていただいてあらためて感じたことは、メーカー系チューニングが本気になった時の底力だ。がむしゃらにコンセプトモデルを作り上げ、それを受け継ぐストリート仕様のパイロット版を限定販売という形で落とし込む。さらに、普及モデルを後に展開するという用意周到な流れ。いずれの仕様にも秀逸すぎる世界観を実現していたこと、そのすべてがアッパレとしか言いようがない。だがしかし、このプロジェクトがここで終わってしまっては何の意味もないと僕は考える。
ベースの86がスポーツカー文化を育てようと、年々あらゆる領域を成長させているなら、やはりTRDもそれを後押しするように、コンプリートモデルを継続していくべきだと感じずにはいられなかった。600万円オーバーという非現実的な14R-60かもしれないが、やはり第2弾を製作してほしい。せっかく世界に通用しそうなコンプリートモデルの兆しが見えたのに、それを後世につなげない手はない。TRDの本気をこれからも見続けたいのだ。
※この記事は2015年のXaCAR 86&BRZ magazine Vol.07の記事をもとに、再編集したものです。表記の数値や肩書きにつきましては、当時のものになります。
【14R 車両価格(当時)】 376万7237円(6速MT)/384万971円(6速AT)
【14R装着主要パーツ】 ・フロントスポイラー・カラードフェンダーエアロフィン・サイドスカート・リアトランクスポイラー・GTウイング&専用アンダーリップ(オプション)・リアバンパー&デュフューザー・ハイレスポンスマフラー(センター出し)・鍛造アルミホイール(18×8J +48)&ポテンザS001(225/40R18)・ドアスタビライザー・ロアアームカバー・フロントホイールフェアリング・フロントアンダーカバー(フロア下、タンク下)・インテークマニホールドカバー・ウインカーバルブ・専用オーナメント&専用エンブレム(14R)・スカッフプレート・プッシュスタートスイッチ・専用フロアマット・専用ナンバープレートボルト・専用車検証ケース・専用キーケース
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
5速MTあり! ホンダ「斬新”カクカク”SUV」がスゴい! めちゃ「ユニークすぎデザイン」がカッコイイ! ほぼ「コンセプトカー」な「エレメント」は時代を先取りしすぎたのか
突然!? 「ゴールド免許」剥奪? 事故違反ナシでも「ブルー免許」強制格下げの理由は? 何が問題? 金色免許を継続する方法とは
超オシャレな日産「新型軽ワゴン」がスゴい! 高級「ジーンズシート」に斬新「ブルー×グレー」2トーン採用! 市販化期待される「ルークス」カスタムモデルとは
トヨタ新型「ランクル“軽”」公開に大反響! シリーズ初の「軽」は斬新ボディ&“画期的”な素材を採用! 超カッコイイ「ナナマル」とは?
スズキの超ハイルーフ「背高SUV」がカッコいい! 悪路走破性は「現行ジムニー」超え!? アウトドアで大活躍の「斬新クロカン」に反響集まる!
みんなのコメント