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横浜ゴムのアイスガード7とG075。SUVに適したスタッドレスタイヤはどっち? を試す

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横浜ゴムのアイスガード7とG075。SUVに適したスタッドレスタイヤはどっち? を試す

冬の道を走るのに欠かせないのがスタッドレスタイヤ。ここでイメージするのは、降雪によって積もった路面やそれを圧縮して走りやすくした路面を走れるタイヤだと思う。ただそれだけでなく日ざしで溶けた路面が夜間に凍りついた路面にも効く、という点にも注目してほしい。これらの性能を備えているからこそ、冬の道を安心して走れるのだ。

横浜ゴムでは、より多くの人にスタッドレスタイヤへの理解を深めてもらうため活動の一環として、毎年メディア向けにスタッドレスタイヤ試乗会を開催。2024-2025年シーズン向けに行われた試乗会のメインテーマは「SUVとのマッチング」。そこで走って感じたことを斎藤 聡レポーターがお伝えする。

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横浜ゴムの乗用車用スタッドレスタイヤ「アイスガード7」の試乗会が、2024年春に北海道旭川試験場で行われた。今回のテーマは「SUVとのマッチング」だ。

実際のところ、SUVで冬用タイヤを選ぶとき、乗用車用のスタッドレスタイヤがいいのか、SUV専用のスタッドレスタイヤがいいのか、という悩ましい選択肢があるだろう。

そんな悩みを解決できるかもしれない。というのも今回は、乗用車用スタッドレスタイヤ「アイスガード7 iG70」とSUV用スタッドレスタイヤ「アイスガードSUV G075」を履き比べてみようという趣向だからだ。

試乗レポートする前にまずは簡単に2つのタイヤを改めて紹介しておこう。

アイスガード7 iG70(以下iG70)は、「氷に効く、永く効く、雪に効く」をうたう最新の乗用車向けスタッドレスタイヤ。トレッド部は接地面積の最大化とエッジ量の最大化を図るとともに、吸水効果とエッジ効果を高めた“ウルトラ吸水ゴム”の採用で、氷上・雪上性能を高いレベルで両立する。

一方、アイスガードSUV G075(以下G075)は、SUV用スタッドレスとしては大幅に氷上性能を引き上げているのが特徴で、スーパー吸水ゴムの採用によって優れた吸水性能を実現。転がり抵抗が少なく、また静粛性が高い(いずれも従来品比)のも特徴になっている。

■氷上での旋回性や制動性は最新のアイスガード7に分がある

まずは氷盤旋回路から。テスト車はRAV4だ。ちなみに氷盤路はアイススケートリンクのような真っ平らの氷の上で発進グリップ性能や制動性能、旋回性能など各種試験を行う施設。横浜ゴムは氷盤の氷面温度をコントロールできる屋内試験場を有し、今回はそこで試乗している。

半径約15mの旋回氷盤路を周回ごとのタイムを測定しながら走り比べてみると、このステージではiG70が圧勝。ベストタイム比較では1秒差にとどまったが、iG70のほうがタイムのばらつきが少なく、コンスタントに好タイムを記録できた。コンパウンドのグリップレベルの差が影響しているのだろう。

とはいえG075は、スリップアングルのピーク(グリップのピーク)を越えてハンドルを切り足していってもグリップの落ち込みが少なく、いい意味でルーズで扱いやすかったことも付け加えておく。

続いて氷上でのブレーキ性能を試す、氷上制動試験では30km/hからの制動ではG075の18mに対してiG70は15mと、車両の停止位置で3mほどの差があった。これはiG70のコンパウンドグリップと接地面積の広さが効いている印象だ。

■圧雪路ではさまざまなSUVでアイスガード7を試す

圧雪路(感応評価のみ)では、興味深い違いが出た。路面状況は良好な圧雪路。iG70を装着したBMWのSUV2台(重量のかさむバッテリーEVのiX1とガソリン車のX1)、ハイパワーSUVのポルシェ マカンなど、さまざまな車両で適応性を確かめた。

いずれもハンドルを切り出したときの応答がいいと感じた。手応えもしっかりしていて、スッとクルマが向きを変えてくれるので、軽快というか機敏な印象がある。グリップ感としては接地面が作り出すコンパウンドグリップとエッジ成分が作り出すエッジ感がバランスよく出ている感触がある。

■ハイエース適合サイズを持つG075

これに対してG075は、ハイエース+荷室に重り+G075という組み合わせの車両が用意されていた。

ハンドルを切り出したときの応答はそれほどシャープではないが、ハンドルを深く切り込んでいったときにもグリップの落ち込みが少なく、懐が深い印象。グリップ感は、接地面のコンパウンドグリップよりもエッジ成分が作り出すグリップ感や雪柱せん断力の成分が多いように感じられた。

またG075は、深めの積雪部に踏み入れると雪を踏みしめて捉えるような感触があり、溝の深さからくる(と思われる)雪上性能のよさの一端が感じられた。

さらに、リヤの重さに後輪のトラクションが負けず、むしろエッジを立てるように路面をけり出していく感触が頼もしい。ホイールスピンも少なめだ。氷上、圧雪ともにステアリング応答がスロー気味な味付けだが、荷物を積んだハイエースでは、穏やかなクルマの動きとなって表れる。落ち着きがあって運転しやすい。

しかも意図的にリヤを滑らせるような操作をしても、横方向にエッジを立てているような引っ掛かり感を残したまま、徐々に滑り成分が増えていく。実用的な味付けだと感じた。

■ハイパワー車もアイスガード7なら雪道を安心して楽しめる

蛇足ながら、ハイパワーFRスポーツモデルとの相性を記しておくと、試乗車はフェアレディZだったが、シャープな操縦性と機敏な身のこなしを雪上でも体感することができた。タイヤが太いのに横方向のエッジが効いていて、しっかり踏ん張り感があるし、滑り出し直前の様子がわかりやすく、滑り出してからも十分コントロール可能な範疇にある。スポーツカーを雪道で楽しく走らせることができるというのもiG70の特徴に挙げていいと思う。

■凍結路と圧雪路に強いiG70、SUVらしい走りのステージにはG075

改めて乗り比べてみると、iG70は凍結路から良好な圧雪路を得意とし、SUV用のG075は、氷上性能ではiG70に一歩譲るが、深めの雪に対応し、SUVのロードクリアランスの高さからくる走破性に対応した特性になっているというのがわかった。

タイヤサイズによって対応している車種に違いがあるが、どちらも選べるのであれば、どんな状況でスタッドレスタイヤを使いたいか、あるいはどんなところへ走りに行きたいかによって、選ぶのがいいのではないかと思う。

〈文=斎藤 聡 写真=横浜ゴム〉

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みんなのコメント

2件
  • rai
    この手の取材をする人も メーカー側の人も少し考えて欲しいんだけれど、アイススケートリンクや湖の氷上っていうのは 書いた字の如く水平なのであって、氷結路の中では最も条件のいい場所なんだ。
    実際に湖の近くで車を走らせる所っていうのは湖畔の周回道路であったりして、山が迫ってきて登りになったり逆に下りになったりするし、流れ込む川が有ったらそこは弧を描いた橋の盛り上がりだったりもする。 また、湖が氷結してしまえば状況としてはまだ良くて、風が吹いても湖水は飛んでこない。
    一番厄介なのは、冷え込んだ割に大風が吹いて湖水が凍らない割に、周回道路には水が飛んで来ては凍るという場面だと思いますよ。しかもアップダウン付きで。
    そうなるとハンドルを握っただけでスピンをしかねませんから、車が行きたい方に行かせながら方向を徐々に変えるなんて事をしなきゃならない。
    私は200mの下りの為に 少し戻ってからチェーンを履いた。
  • hid********
    SUVタイヤで触れられていないのが、溝深さ。
    SUVの方が溝が深いメーカーが多い。
    この溝深さが雪深い時やシャーベット雪で力を発揮する。
    地域によってだが、温暖化のせいかドカっと降ってすぐ溶ける傾向が多く、深雪からのシャーベット、その先で凍結みたいな流れだから、履けるならばSUVの方が今の雪にあっているし価格も少し安い。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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