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SUVなのにランエボのエンジン!? 平成の羊の皮を被った狼5選

掲載 更新 11
SUVなのにランエボのエンジン!? 平成の羊の皮を被った狼5選

■スポーツカー並の優れた性能を持つ「普通」のクルマ

「羊の皮を被った狼」という表現は、強力なエンジンやチューンナップされたサスペンションなどを搭載しながらも、見た目は普通のクルマに与えられます。

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 日本において、その元祖はプリンス「スカイラインGT」ですが、後に各メーカーからも羊の皮を被った狼といえるクルマが登場します。

 そこで、平成の時代に発売された国産車のなかから、羊の皮を被った狼と呼べるクルマ5車種をピックアップして紹介します。

●三菱「エアトレック ターボR」

 本格的なオフロード4WD車の「パジェロ」を販売していた三菱が、2001年に発売したSUVが「エアトレック」です。

 エアトレックは、オフロードだけでなくオンロードでの走行性能も併せ持ったモデルとして開発され、4WD仕様だけでなく2WD仕様も用意されました。

 そして、2002年にエアトレックのスポーティモデルである「ターボR」が追加されます。

 エアトレック ターボRの特徴は、ランサーエボリューションシリーズと同じ2リッター直列4気筒ターボエンジン「4G63型」を搭載した点です。

 ランサーエボリューションシリーズは、世界ラリー選手権に参戦することを目的に開発されたクルマで、舗装路やダート、雪道で、優れた走行性能を誇りました。

 エアトレック ターボRでは、ランサーエボリューションシリーズの第1世代から第3世代まで搭載されていた高性能なターボエンジン4G63型をデチューンして搭載。最高出力240馬力を発揮し、スポーツモード付5速ATと組み合わされています。

 外観でスタンダードモデルとの違いはボンネット上のエアスクープくらいで、標準では派手なエアロパーツなども付いていません。

 発売当時は、ランサーエボリューションシリーズと同じエンジンを搭載していることもあり、大いに話題となりました。

●スバル「フォレスター XT」

 スバルのアイデンティティといえる水平対向エンジン+4WDというパワートレインは、1971年に発売された「レオーネ」で広く知られるようになり、1989年に発売された初代「レガシィ」によって一気に普及しました。

 このパワートレインはさまざまなモデルに搭載されましたが、多くはセダンとステーションワゴンだったため、新規カテゴリーとしてSUVの「フォレスター」が登場します。

 フォレスターは1997年に発売された初代から3代目まで、名機と呼ばれる「EJ20型」2リッター水平対向4気筒ターボエンジンを搭載するグレードがあり、ハイパワーなSUVとして人気となります。

 そして、2012年に発売された4代目では、280馬力を誇る「FA20型」2リッター水平対向4気筒直噴ターボエンジンを搭載した「XT」グレードをラインナップ。

 XTの特徴として外観は、自然吸気モデルとほとんど変わらず、3代目まであったボンネットのエアスクープも装備されないなど、一見すると見分けがつきませんでした。エンブレム以外では左右2本出しのマフラーが、主な違いです。

 ハイパワーなエンジンを搭載していながら、強く主張していないところが、コアなファンに受けているようです。

●日産「ローレル 25ターボ」

 1968年に発売された初代日産「ローレル」は、大きさ的に「スカイライン」のポジションながらスポーティ路線ではなく、落ち着いたイメージのセダン、クーペとしてデビューしました。

 1972年に発売された2代目以降は、シャシやパワートレインをスカイラインと共有しながら代を重ねていきます。なお、さまざまなバリエーションを展開した名機「RB型」エンジン(SOHC)を最初に搭載したのは、ローレルが先でした。

 そして、最終モデルとなった8代目では280馬力を誇る、2.5リッター直列6気筒ターボの「RB25DET型」エンジンを搭載するグレードを設定。

 ハイパワーなミドルクラスの4ドアハードトップセダンでしたが、スカイラインほど話題にはならず、影に隠れていた感じです。

 8代目はスタイリッシュな外観デザインで、同時期のR34型スカイラインほどの派手さはなく、それでいてパワフルなエンジンを搭載するギャップが新鮮なモデルでした。

 しかし、販売台数は低迷し、2002年に生産を終了。以降は「セフィーロ」とともに「ティアナ」に統合されました。

 現在は中古車価格が安いこともあって、ターボモデルがチューニングカーのベースとして人気があります。

■FFコンパクトカーに3.5リッターエンジンを搭載!?

●トヨタ「ブレイドマスター」

 現在販売中のトヨタ「カローラスポーツ」の前身にあたるコンパクトカー「オーリス」は、2006年に世界戦略車として発売。

 この初代オーリスの兄弟車が、同じく2006年に発売された「ブレイド」で、オーリスよりも上級のプレミアムコンパクトというポジションでした。

 オーリスとの大きな違いは外観のデザインと、エンジン、サスペンションにあり、なかでもリアサスペンションがオーリスのトーションビーム式からダブルウィッシュボーン式に変更され、スポーティなハンドリングを実現していました。

 そして、2007年には280馬力を誇る3.5リッターV型6気筒エンジンを搭載した「ブレイドマスター」が追加されます。

 外観はスタンダードな2.4リッターモデルと大きく変わらず、フロントグリルの意匠程度で、エンブレムを見ないとパッと見はわからないほどです。

 280馬力を前輪のみで路面に伝えるために、専用チューニングされたサスペンションや、フロントの重量増に対応してブレーキも強化されています。

 1.5リッターと1.8リッターエンジンを搭載するオーリスと同じシャシに、3.5リッターエンジンを搭載するブレイドマスターは、まさに破天荒なクルマではないでしょうか。

●ダイハツ「ミラX4」

 ダイハツ「ミラ」は、2018年まで販売されていた2BOXセダンタイプの軽自動車です。

 いまでは「ミライース」や「ミラトコット」といった、ミラから派生したモデルの販売が続けられていますが、ミラ自体の歴史は一旦途絶えています。

 そのミラには、かつて走行性能を徹底的に追求したモデルが存在。それが、1990年に発売された「X4(クロスフォー)」です。

 ミラ X4は、最高出力64馬力を発揮する直列3気筒SOHCターボエンジンに、フルタイム4WDシステムが組み合わされ、5速MT仕様のみとなっていました。

 そして、ミラにはさらなる高性能モデルである「ミラ X4R」が登場。簡略化された装備と、エンジン内部やECUなどが専用部品とされ、ラリーやダートトライアルをはじめとしたモータースポーツでのベース車両となることが念頭に置かれた仕様でした。

 見た目はスタンダードなミラと変わらず、「TR-XX」グレードのような派手さはありませんでした。

 ライバル車といえるスズキ「アルトワークス」にも競技ベース車の「ワークスR」が設定されていたなど、当時は軽自動車でも走りを楽しむ人を応援するグレードが充実していた時代だったといえます。

※ ※ ※

 現在、販売されているモデルでも高性能車はありますが、外観も派手なモデルが多く、もはや羊ではありません。

 そもそも、近年のクルマはツリ目で怒ったようなフェイスデザインのクルマばかりなので、羊のイメージは難しいのかもしれません。

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みんなのコメント

11件
  • 4G63載せたSUVならエアトレックよりRVRのスーパースポーツギアの方取り上げて欲しかったな。
  • ステージアが無いのは、もはや羊じゃないと皆知ってるからか?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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