10月6日、2024年MotoGP第16戦日本GP MotoGPクラスの決勝レースが栃木県のモビリティリゾートもてぎで行われ、レプソル・ホンダ・チームのルカ・マリーニが14位、ジョアン・ミルはリタイアとなっている。
ヨハン・ザルコ(ホンダ・カストロールLCR)は11位、フル参戦最後の母国GPとなった中上貴晶(ホンダ・イデミツLCR)は13位で終え、ホンダは3人がポイントを獲得した。
バニャイアがもてぎを完全制覇。中上は悔しさ跳ね除け、母国で見事ポイント獲得/第16戦日本GP
昨日までと打って変わり時折日が差す決勝日は午前9時40分の時点で気温23度、路面温度31度の完全なドライコンディションに。10分間のウォームアップでは、ホンダ勢はハード/ソフトという組み合わせのタイヤでコースインした。天候も路面も土曜日のスプリントまでとまったく違うため、確認走行の意味合いが大きいセッションとなった。結果は、ザルコが9番手、中上が10番手、マリーニが20番手、ミルが21番手となった。
27周の決勝レースは、Moto2の決勝レース時に雨が降るもすぐに乾き、気温21度、路面温度26度のドライコンディション。タイヤ選択はグリッド上で中上のみハード/ソフトを選択し、それ以外はハード/ミディアムの組み合わせとなった。
スタート後、マリーニと中上はポジションを維持したが、ザルコとミルはひとつずつポジションを後退させた。すると、オープニングラップの12コーナーでミルがアレックス・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)に接触され、そのまま13コーナーの外に進み転倒を喫す。ミルはスプリントに続き、連続リタイアで早々にレースを終えた。
その後も上位ライダーの転倒などもあり、ザルコが13番手、中上が16番手、マリーニが18番手に浮上。ザルコは、前のファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)に離されないようにしつつ、オーバーテイクの機会を伺う。7周目には、15番手を走っていたアウグスト・フェルナンデス(レッドブルGASGASテック3)が転倒したため、その後ろにいた中上はポイント圏内に順位を上げた。
中盤以降も上位ライダーの転倒やリタイアがあり、残り11周の時点ではザルコが12番手、中上が14番手に浮上する。マリーニは16番手まで上がり入賞まであとひとつという位置まで迫ると、レース後半の残り8周、中上とマリーニはライバルを攻略しそれぞれ13番手と15番手にポジションを上げる。それにより、ホンダ勢の3人はポイント圏内へと姿を現した。
終盤もマリーニの勢いは続き、残り4周にラウル・フェルナンデス(トラックハウス・レーシング)をオーバーテイクし14番手に上がる。ザルコは、クアルタラロとのバトルが最終周までもつれるも、最終コーナーでようやく仕留めることに成功し11位でフィニッシュした。
中上は終盤に好ペースで前方の集団に追いつくものの、バトルには至らず13位。マリーニはオーバーテイクした後も後続を引き離してポジションを維持し、14位でチェッカーを受けた。
ホンダと中上にとってホームレースとなった日本GPは天候に振り回されたが、3人がポイント獲得を果たした。さらに、中上は新しいエアロでの進歩も確認できたようで、再起を図るホンダ勢にとっても来シーズンのためにもいい結果が得られた週末となったことだろう。
1週間のインターバルののち、オーストラリア、タイ、マレーシアの3連戦と日本とは時差が少ないグランプリが続く。シーズン終盤も、連続ポイント獲得に迫るホンダの走りに期待したい。
■ジョアン・ミル(決勝:リタイア)
「(オープニングラップの)11コーナーでアレックス・マルケスをオーバーテイクした後、12コーナーで彼が僕のリヤに接触した。そして、彼のバイクが僕のバイクのシートとホイールの間でスタックし、そのまま走ることを余儀なくされて転倒したんだ」
「レースの1周目はとても調子が良かったし、昨日のスプリントで見せたペースなら、何か良いことがありそうだったのに悔しいよ」
■ルカ・マリーニ(決勝:14位)
「後方で素晴らしいバトルを展開できて、今日はそれを楽しむことができたよ! 1周目でかなりのタイムとポジションを落としてしまったので、リカバリーのレースになった。週末が始まったときから難しいレースになることはわかっていたから、今回の13位と14位はいい結果を残せたと思う」
「リヤタイヤの選択はもっと良くすることができたかもしれないし、そこから何かを得ることもできたかもしれない。でもいずれにせよ、僕たちは学ぶことができたし、来年に向けてもっと準備できるだろう。今は少し休んで、次の3連戦までに回復するよ」
■ヨハン・ザルコ(決勝:11位)
「もう少しでトップ10に入れるところだった、これは重要なことだね。今日のレースでは、ミスをせず常にアタックできるように心がけた。最後のバトルは想定済みで、リスクを冒さずにできる限りのいいポジションでフィニッシュするために努力したけど、ライバルたちに苦戦した。全体的にポジティブな週末だったよ」
■中上貴晶(決勝:13位)
「とても感動的なレースでした。とても楽しめたし、ファンの皆さんのためにベストを尽くしたいと思いました。後方グリッドからスタートだったこともあり、失うものは何もないと思っていたので、どんなリスクも冒す価値がありました。もちろん、ポイントを獲得するのはいつでもうれしいことです」
「自分の前にいたグループに追いつこうとしたましたが、最終的には13位でのゴールとなりました。ファンの温かさを感じることができ、それはとても感慨深いものでした。応援してくれた皆さんに感謝します」
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