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四輪駆動で428psの強力クロスオーバー 新型スマート#1 ブラバスへ試乗 航続399km

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四輪駆動で428psの強力クロスオーバー 新型スマート#1 ブラバスへ試乗 航続399km

ツインモーターの四輪駆動で最高出力428ps

思い切って過去のイメージを脱ぎ去った、新しいスマート#1(ハッシュタグ・ワン)。その最上級グレードとなるのが、#1 ブラバスだ。ドイツのチューニングメーカー、ブラバスを名乗るモデルなだけあって、過剰なほどのパワーを備えている。

【画像】428psの強力クロスオーバー 新型スマート#1 ブラバス 欧州で競合するBEVと比 全115枚

シャシーの前後に駆動用モーターを搭載し、四輪駆動で最高出力428psを発揮すると聞いても、ブラバスなら納得というクルマ好きもいらっしゃると思う。最大トルクは55.2kg-mもある。

ただし、過度な期待はしない方が良いかもしれない。そのブランド名から想像するような、息を呑むほどの動的能力の磨き込みは得られていない。正直なところ、控えめにも磨かれたような印象は受けないかもしれない。

といっても、この#1 ブラバスを否定するつもりはない。筆者は間違いなく運転を楽しめた。丸みを帯びたデザインの可愛らしい容姿でありながら、乾燥したアスファルトでも、フルアクセルではタイヤ4本を空転さようとするパワーが放たれるのだから。

一方で、ツインモーターによる溢れんばかりの馬力とシャシーの操縦性が、完全には調和できていない。まだもう少しの開発期間は残されているようだが、バランスが取れていないと表現したいほど。

効果的に展開されない大パワー

後輪駆動で271psのスマート#1 プレミアムの試乗レポートを先日ご紹介したが、馬力以外で#1 ブラバスが得た変化は大きくない。フロントに156psを発揮する2基目の駆動用モーターが搭載されるが、それが走りへ効果的に展開されているとはいえないだろう。

スマートの技術者によれば、ツインモーター化で増えた重さに対応させるため、サスペンションにも調整を施したという。#1 プレミアムはソフトで大人しい設定といえたが、明確に引き締められたわけではない。

大幅にパワーアップしていながら、履いているタイヤはコンチネンタル・エココンタクト6という、エコ重視なもの。加速時の太いトルクには耐えきれず、コーナリング時に掛かる負荷も受け止めきれない。

パワー任せにハイスピードでコーナへ侵入しようとしても、サスペンションが腰砕け。低い速度域でもアンダーステアが顔を出してしまう。

それをなだめつつフロントノーズの向きを変え、アクセルペダルを傾けていくと、リアの駆動用モーターがフロントより多くのトルクを放出。シャシーバランスが変化する。パワー・オーバーステアに持ち込めそうな気配はある。

ところが次の瞬間、スタビリティ・コントロールが容赦なく介入。テールスライドを維持できそうなパワーは、強制的に直進方向へ戻すように展開され、一層アンダーステアが強まってしまうようだ。

タイヤとスプリングで改善できるか?

#1 ブラバスの加速力は間違いなく鋭い。最高速度は#1 プレミアムと同じ180km/hながら、0-100km/h加速は3.9秒が主張されている。しかし、エレガントに次々とコーナーをこなせるわけではない。

ブラバスとして、見た目の差別化は限定的。アルミホイールが専用デザインとなり、フロントノーズにスリットが2本入り、随所へブラバスのロゴが入る程度といえる。ドライブモードには、スポーツモードより積極的なブラバス・モードが追加されるが。

過去のスマートにもブラバス仕様は存在した。それらも、動的能力が大幅に引き上げられていたわけではなかったことも事実だ。だが、#1 ブラバスへ更なるチューニングが加えられても良いと思う。

428psを四輪駆動で展開させることは楽しい。過去のスマートで、ここまでパワフルだったモデルはなかった。グリップ力の高いタイヤと、引き締まったサスペンション・スプリングを与えて、どの程度良くなるのか試してみたいところではある。

スマート#1 ブラバス(欧州仕様)のスペック

英国価格:4万3000ポンド(約709万円/予想)
全長:4270mm
全幅:1822mm
全高:1636mm
最高速度:180km/h
0-100km/h加速:3.9秒
航続距離:399km
電費:−
CO2排出量:−
車両重量:1900kg
パワートレイン:ツイン永久磁石同期モーター
バッテリー:66.0kWh
急速充電能力:150kW
最高出力:428ps
最大トルク:55.2kg-m
ギアボックス:シングルスピード・リダクション

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