この記事をまとめると
■オープンカーの特徴のひとつに「ルーフの開閉動作」がある
他人と被らない! 実車はまず見かけない激レア国産オープンカー4選
■電動で開け閉めできるモデルは機能美が詰まっていてファンも多い
■さまざまな機能が織り込まれており「ロボット」のように見えるモデルもある
オープンカーの見どころは「屋根の開閉シーン」
人生で一度は愛車にしてみたいと思う人も多いオープンカー。一般的には、優雅な感じでかっこいいとか、オープンエアなドライブを楽しみたい、という理由が挙げられると思いますが、なかにはオープンカーの“ある部分”にものすごい魅力を感じるという人もいるのです。
それが、「電動ルーフがどんな機構でどんな順序で開閉するのか」に興味津々だという、ちょっとマニアックな視点です。いまの40代くらいまでの人は遊んだことがあると思われる超合金ロボは、ロボットの腕や足を変形させると武器になったり別のロボットに変身したりしたものですが、それに通じるような、何度見ても飽きない面白さがあるのかもしれません。
そこで今回は、ルーフの開き方がカッコよくてついつい見入ってしまうオープンカーをピックアップしてみました。
まず1台目は、開閉所要時間わずか15秒という速さなのに、こんなに優雅で滑らかな動きはなかなか拝めない、BMW 8シリーズカブリオレ。電動ソフトトップで、スイッチを押すと最初にすべての窓が開き始め、全開になる寸前でリヤウインドウの部分とトランクリッド部分が開き始めます。
トランクリッド部分が後方に70度くらいの角度で開いたところに、フロントウインドウと接続していた部分からルーフ全体が大きく後方へ移動しはじめ、3つ折りになってリヤシートの後ろに収まると同時に、トランクリッド部分が戻ってきて蓋をするように着地。ドタンバタンという音は一切なく、静かなところも素晴らしいですね。
2台目は、さらに速くてわずか12秒という開閉スピードが自慢の、ルノー・ウインド。最初にトランクリッド部分がパカっと後方に立ち上がって90度近くになり、続いてルーフ部分も立ち上がって、ヨイショとでんぐり返しをするような感じであっという間にトランクリッド部分に収まり、ささっと蓋が閉じて完了。
ボディサイズが小さいということもありますが、うっかりすると見逃してしまうほど、本当に速いです。ルノーはこれを「回転格納式」ハードトップと紹介しており、オープン時でもクローズド時と変わらない270リットルという荷室容量を確保しているのが特徴。いまや希少車なのであまり見かける機会はないかもしれませんが、一度はナマで見て欲しいオープンカーです。
動いてる姿はもはや合体ロボットの域
3台目は、国産車でいまも記憶に残るユニークなルーフ開閉をするクルマといえば、ホンダCR-Xデルソルでしょう。1992年3月に発表されたモデルで、オープンとクーペを1台で楽しめる、それまでとマインドの異なる新しいスポーツを表現するというコンセプトでした。電動トランストップと呼ばれるハードトップの開き方は、当時から「まるでサンダーバード!」と絶賛された独創的なもの。
作動条件は、エンジンをかけてサイドブレーキを引き、リヤウインドウを閉めた状態で、室内からルーフ両サイドのロックを解除します。メーターバイザーの右にある開閉ボタンを押し続けると、最初にトランクリッドがゆっくりと上にあがってきます。ルーフより少し高い位置くらいまで上がりきると、今度はルーフの後端がチルトアップして、トランクリッドからスーッとスライドユニットが伸びてきて、ルーフに差し込まれます。
そしてルーフ後端にあるセンターロックを操作すると、ルーフとスライドユニットを接続。再度スイッチを押すと、スライドユニットがルーフごと再びトランクリッド内に収まり、トランクに着地してオープン操作は完了です。時間がかかるうえに、何度もロックやスイッチを押す手間があるのですが、それがまた味わい深くて何度見ても面白いルーフなのです。
4台目は、 端正なマスクの4シーターオープンカー、フォルクスワーゲン・イオス。2006年に登場した電動ハードトップを持つモデルです。スイッチを押すとまず窓が開き、同時にサンルーフのようにルーフがスライドしていきます。ルーフが後端に差し掛かるところで、パカっとリヤウインドウの部分が上にあがってルーフにかぶさってきます。
そしてトランクリッド部分が持ち上がり、リヤバンパーの方に倒れるように下がってきます。ここでかわいいのが、小さな羽のようにリヤの窓ガラスあたりのカバーがひょこっとサイドに飛びててくるところ。と同時に、ルーフにリヤウインドウ部分がかぶさった状態のまま、ゆっくりとトランクの深くに格納されます。飛び出てきた羽のような部分は、この動きを邪魔しないためのもので、その後またひょこっと元の位置に戻ります。そして、トランクリッドがガッシリと閉まって、完了です。
外観とはギャップがある、かなりメカメカしい動きで、超合金ロボに通じる面白さがあると思います。
5台目は、メルセデス・ベンツのAMG SL。2022年に日本デビューした現行モデルは2+2シーターへと変身し、スポーティさと優雅さを融合したモデルとなりましたが、電動ソフトトップの開き方もまさに、スポーティかつエレガント。なんというか、無駄がない動きなんです。
最初にサイドの窓が少しだけ下がり、おもむろにルーフ全体が後ろに引き込まれるように折り畳まれ、あっという間にトランクリッドと同じ高さまで下がって収まります。その後、リヤシートのヘッドレスト後方にあったカバーがシャキっと左右に羽のように開いてきて、格納されたルーフとボディの隙間をきっちりと埋めて操作は完了。とても美しい動きで、何度も見たくなってしまいます。
ということで、静かだったりメカメカしい感じだったり、細かい動きが可愛かったり。開発者の皆さんの苦労がしのばれるような、いろんな機構が見られるオープンカーの電動ルーフは、これからどう進化していくのかにも注目したいですね。
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みんなのコメント
でもオープンカーって一度手にするとやめられなくなる。本当にイヤになるか、中毒になるか、どっちかだと思う。