現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 走り継ぐべき絶版オフロードマシン:’96 ヤマハTT250Rレイド〈Past Time Review〉

ここから本文です

走り継ぐべき絶版オフロードマシン:’96 ヤマハTT250Rレイド〈Past Time Review〉

掲載 15
走り継ぐべき絶版オフロードマシン:’96 ヤマハTT250Rレイド〈Past Time Review〉



オフロードマシン ゴー・ライド5月号発売【走りを楽しむ! 林道ツーリングのためのキャンプ術】

現行ラインナップとして今はなくても、あの頃の憧れや、もう一度乗ってみたいという思いを叶えてくれる絶版車。数ある絶版車オフロードマシンの中から、ヤマハの4スト本格トレール「TT250Rレイド」を紹介する。

●文:ゴー・ライド編集部(青木タカオ) ●写真:栗田晃 ●外部リンク:レッドバロン

ビッグタンクを標準装備し、タフなロングライドを実現

用途によってさまざまなモデルが登場したオフロードマシンだが、大型ヘッドライトやビッグタンクを標準装備したラリーレイドイメージの機種も誕生し、強烈なインパクトを今も残している。パリダカールラリーで総合優勝したXL500R改をモデルに開発した’82年のホンダXL250Rパリダカールをはじめ、’86 XLR250バハ/’95 XRバハ/’96 スズキ ジェベル250XCもそうだろう。長距離走行を実現する大容量燃料タンクや光量に優れた大径ライト、泥はね防止に効果的なオーバーフェンダーや荷物を満載にできる大型キャリアを備え、ダートも走破するタフなツーリングライダーたちに支持されてきた。

今回紹介するヤマハTT250Rレイドもまた、その代表格のひとつと言える。’93年の東京モーターショーにて「TT250Rラリーレイドスペシャル」として出展され、容量16Lのフューエルタンクに加え、サイドカバー内にもさらに左右それぞれ10Lずつの予備タンクを持つというラリーマシンさながらの仕様であったため、ファンは歓喜した。ただし、法規上の問題などがあったと見られ、翌’94年3月発売の市販モデルではサイドカバー内の予備タンク採用は見送りに。それでも16Lのビッグタンクが400kmにも達する航続距離を実現し、旅するライダーに高く評価された。

―― 【’96 YAMAHA TT250R RAID】■全長2145 全幅850 全高1290(各mm) ■空冷4ストロークDOHC単気筒 249cc 30ps/8500rpm 2.8kg-m/7000rpm セル始動 ■タイヤサイズF=3.00-21 51P R=4.60-18 63P ●発売当時価格:49万5000円 ※撮影協力:レッドバロン レッドバロンの”譲渡車検付き”であれば、絶版車でも安心して楽しめる。

オフロード走破性も眼を見張るものがあるのは、前年デビューのTT250R(4GY)をベースにしているからだ。ヤマハは’93年、’80年代から輸出仕様にあったTT350(1RG)/250(1LN)のネーミングを冠したTT250Rを発売。ヤマハの国内4スト本格トレールとしては’85年発売のXT250T(48Y)以来で、空冷ながら新開発のDOHC4バルブエンジンを搭載。セルスターターを標準装備している点も高く評価された。

2スト有利と言われるなか、「闘う4スト」というキャッチフレーズで、カワサキはKLX250SRを同年に発売。エンデューロブームまっ盛りの中、4ストの高性能マシンが再び市場から求められていた時代でもあったが、2スト勢に勝つために生まれたKLX250RSは、KX譲りのぺリメターフレームに水冷DOHC4バルブを積み、その軽さは当時の4ストとしては驚異的な109kg。同年新型のTT250R(121kg)と比較しても圧倒的な軽さで、’89年発売のKDX200SRの107kgに匹敵。ただしキックオンリーで、レース中は始動に手こずるライダーも少なくなかった。一方のTT250Rは、径43mm正立フロントフォークなど装備面はトラディショナルながら、セル始動の利便性の高さが普段乗りやエンデューロで際立った。

翌’94年、派生モデルとしてTT250Rレイドが発売。280mmある前後サスペンションのストローク量を260mmにし、シート高は895→875mmに落とされた。大径170mmのヘッドライトには60/55Wのハロゲン球が組み込まれ、夜道を明るく照らした。アルミパイプ製ガードも装着され、旅好きがタフな相棒として愛し続けている。

―― シートは座面を幅広にし、ロングライドも快適に。今回紹介する’96年式ではスイングアームが15mm延長され、直進安定性を向上している。

―― [左]’96年式ではウインドスクリーンも標準装備され、高速クルージングをより快適にした。[右]シート高は855mmとTT250Rより20mm低く、足着き性も良好。左側のサイドカバーには3L容量の小物入れがある。

―― ’95年式でフライホイールの重量を増やし、低速トルクを向上。 [写真タップで拡大]

―― [左]フロントブレーキは2ポットキャリパーに245mmディスクの組み合わせ。43mm正立フォークはTT250Rではカートリッジ式だが、レイドでは通常タイプに。[右]フロントフォーク同様、リヤショックもTT250Rからストロークを20mm減らしたが、走破性の高さは維持している。 [写真タップで拡大]

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

ランボルギーニ、WEC参戦“休止”を発表。ハイパーカー、LMGT3共に撤退……IMSAとテメラリオGT3開発に専念か
ランボルギーニ、WEC参戦“休止”を発表。ハイパーカー、LMGT3共に撤退……IMSAとテメラリオGT3開発に専念か
motorsport.com 日本版
EVの充電がプラグを接続するだけに! Terra Chargeがプラグアンドチャージ対応EV充電器を2025年度から設置開始
EVの充電がプラグを接続するだけに! Terra Chargeがプラグアンドチャージ対応EV充電器を2025年度から設置開始
THE EV TIMES
世界最高峰のラリーストが日本に集結した! ラリージャパンのオープニングは2台同時走行のSSバトル!!
世界最高峰のラリーストが日本に集結した! ラリージャパンのオープニングは2台同時走行のSSバトル!!
WEB CARTOP
マツダが「超凄いロードスター」公開! 2Lで200馬力×幌仕様で登場!? こだわり“リアスポイラー”にも注目!? 限定で明かされた内容とは
マツダが「超凄いロードスター」公開! 2Lで200馬力×幌仕様で登場!? こだわり“リアスポイラー”にも注目!? 限定で明かされた内容とは
くるまのニュース
スタイリッシュでカッコイイ! アキュラ「ADX」世界初公開  1.5リッターVTECターボを搭載する全長4.7mの高級コンパクトSUV
スタイリッシュでカッコイイ! アキュラ「ADX」世界初公開 1.5リッターVTECターボを搭載する全長4.7mの高級コンパクトSUV
VAGUE
2億年前の石材を使ったベントレー!? 「テクスチャー表現」に匠のワザ光る4台
2億年前の石材を使ったベントレー!? 「テクスチャー表現」に匠のワザ光る4台
レスポンス
SS12は“安全上の問題”でキャンセルに。SS11を終えた時点でトヨタ勝田貴元は総合3番手|WRCラリージャパンDAY3午前
SS12は“安全上の問題”でキャンセルに。SS11を終えた時点でトヨタ勝田貴元は総合3番手|WRCラリージャパンDAY3午前
motorsport.com 日本版
トヨタ大逆転か、ヒョンデ初の3冠か。勝田貴元が握る、タイトル防衛のカギ【ラリージャパンの見どころ】
トヨタ大逆転か、ヒョンデ初の3冠か。勝田貴元が握る、タイトル防衛のカギ【ラリージャパンの見どころ】
AUTOSPORT web
フェラーリ、予想通りタイヤのウォームアップに苦労。ルクレール「レースペースは良い。逆よりマシだ」
フェラーリ、予想通りタイヤのウォームアップに苦労。ルクレール「レースペースは良い。逆よりマシだ」
motorsport.com 日本版
スズキ「ジムニー」の“スライドドア仕様”を初公開!? アウトドア最強の「本格オフロード」モデル実車登場! めちゃゴツ顔の「エブニイ SPIEGEL」に反響続々!
スズキ「ジムニー」の“スライドドア仕様”を初公開!? アウトドア最強の「本格オフロード」モデル実車登場! めちゃゴツ顔の「エブニイ SPIEGEL」に反響続々!
くるまのニュース
「昔あったなぁ」装備 「燃料コック」操作したことありますか?
「昔あったなぁ」装備 「燃料コック」操作したことありますか?
バイクのニュース
フェラーリ代表、選手権争いに向け「自分たちの潜在能力に自信を持っている」ラスベガスでは好結果を残せると確信
フェラーリ代表、選手権争いに向け「自分たちの潜在能力に自信を持っている」ラスベガスでは好結果を残せると確信
AUTOSPORT web
アルファロメオ、日本初導入となる『ジュリア』左ハンドル車のカスタマイズプログラムを実施
アルファロメオ、日本初導入となる『ジュリア』左ハンドル車のカスタマイズプログラムを実施
AUTOSPORT web
【1970年代国産GTカーに思いを馳せて】光岡自動車からM55の市販バージョンが登場!
【1970年代国産GTカーに思いを馳せて】光岡自動車からM55の市販バージョンが登場!
AUTOCAR JAPAN
BMWの次世代EV「ノイエ・クラッセ」、SUV版のテスト車両を生産開始
BMWの次世代EV「ノイエ・クラッセ」、SUV版のテスト車両を生産開始
レスポンス
排気量アップで140馬力!? 軽枠超えのコペンが本気すぎ
排気量アップで140馬力!? 軽枠超えのコペンが本気すぎ
ベストカーWeb
[2000年]代[軽スポーツ]に注目!? 流通量豊富なスズキ[アルトターボRS]に中古で乗る!!
[2000年]代[軽スポーツ]に注目!? 流通量豊富なスズキ[アルトターボRS]に中古で乗る!!
ベストカーWeb
旧車ベンツW111型「220SE」をデイリーに楽しむ!「羽根ベン」と呼ばれる理由は当時の米国の流行に乗ったデザインにありました
旧車ベンツW111型「220SE」をデイリーに楽しむ!「羽根ベン」と呼ばれる理由は当時の米国の流行に乗ったデザインにありました
Auto Messe Web

みんなのコメント

15件
  • このエンジンはXT250T、SRX250、TT250Rと乗ったがオンでもオフでもどちらも使える良いエンジンだった。レイドは買わなかったけれどツーリングには最適でしょうね。
  • YAMAHA特有の下からモリモリとトルクの出るエンジンで、良い旅バイクだったな~。
    ライバルのジェベルXCは、極低速でアクセル捻るとプッスンとエンジンが止まる「プッスン病」持ちだったし…
    ただ、TTRレイドは高速道路で連続運転すると、熱量が厳しくなりエンジンブローすることがシバシバあったのもが欠点だった。
    メーカー純正オプションでオイルクーラーがあったけど、着けていないのが殆どだったわ。
    オイルクーラー着いてる車体なら、未だに欲しいバイクです。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村