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【価格2倍=魅力2倍?】ランドローバー・レンジローバー vs ベントレー・ベンテイガ 高級SUV比較 後編

掲載 更新 1
【価格2倍=魅力2倍?】ランドローバー・レンジローバー vs ベントレー・ベンテイガ 高級SUV比較 後編

大柄なボディでも取り扱いしやすい

執筆:Matt Prior(マット・プライヤー)

【画像】英国ブランドの高級SUV ベントレー・ベンテイガとランドローバー・レンジローバー 全62枚

撮影:Luc Lacey(リュク・レーシー)

翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)


ランドローバーらしく、レンジローバーの運転姿勢はコマンド・ポジションと呼ばれる背を正したもの。大きなSUVでは、そのメリットを感じやすい。躯体は大きく、サイドミラーが張り出しているにも関わらず、視界に優れ路上での取り扱いはしやすい。

インテリアも機能的。ベンテイガも悪くないが、レンジローバーのスイッチ類は大きく、直感的に操作できる。インフォテインメント・システムは最新バージョンではないが、不満は感じられない。少なくとも、従来のシステムと比べれば遥かに良い。

インテリアに用いられる素材の品質や仕立ての水準は、ベントレーには及ばない。だが、車両価格が半分近いと考えれば、それ以上の価値は感じる。

ランドローバーには、さらに値の張るレンジローバーもある。5.0LのV型8気筒スーパーチャージド・ガソリンを搭載した、ロングホイールベース版のSVオートバイオグラフィーの英国価格は、17万9715ポンド(2767万円)する。オプションレスで。

V8スーパーチャージャーは素晴らしいユニットだ。だが、シガーソケットにローレット加工が施されていたとしても、D300の倍以上の価値があるとまでは感じられなかった。筆者としては、今ここにあるレンジローバーがベストと感じる仕様だ。

走り始めると、その印象は更に強くなる。運転しやすく、堅苦しくない。乗り心地はスムーズ。D300のディーゼルターボは、穏やかなアクセル操作では存在感が薄い。目一杯踏み込んでも、耐えられないようなノイズは放たない。

他に例を見ないほど多能力なSUV

レンジローバーのステアリングは軽く、切り込んでも重さが増したり、感触が濃くなったりはしない。しかし反応はとても正確。レシオは、ベントレーよりスローだ。

センターのアームレストを降ろし、適正な位置にシートを調整すれば、感心するほどリラックスできる。レンジローバーらしい。

ベンテイガには、コンフォートとスポーツ・モードのほかに、丁度良いブレンドのベントレー・モードが備わるドライブモードがある。実際、このSUVには活発な走りも快適な移動も、SUVらしい使い方も、多くが求められている。

論理的には、すべての両立は難しい。多くのことを達成するのはシンプルではない。しかしタイヤの助けもあり、ベンテイガはかなりの水準に達している。これほど多能力なSUVは珍しい。近いのは、アストン マーティンDBXくらいだろう。

技術的には、レンジローバー以上のことをこなせる。淡々と。ベンテイガの乗り心地はより硬く、ロードノイズも少し大きい。2台ともに装備するタイヤは21インチのオールシーズンだったが、市街地ではゴツゴツとした質感が伝わってくる。

姿勢制御も、ベンテイガはよりタイト。ボディロールは小さい。ステアリングの操舵感は重く、好感触。速く運転したくなる。

ベンテイガから感じるすべてがポジティブ。とても速いだけでなく、V8ガソリンエンジンはより良いサウンドすら聞かせてくれる。

自然に接することができるレンジローバー

しかし英国の道路環境では、ベンテイガで満足のいくドライビング体験は得にくい。左には生け垣が、右にはセンターラインが迫る。ドライバーは、高いウインドウラインに包まれている。

乗り心地はレンジローバーより硬めでも、車重を隠せてはいない。アストン マーティンDBXやポルシェ・カイエン、ランボルギーニ・ウルスに並ぶほどの、動的性能を持ち合わせてはいない。

より広く滑らかな道路のある国や、制限速度の高い国なら、一層優れた印象を残してくれるのだろう。ベンテイガの方が魅力的ではある。だが、筆者がより自然に接することができるのは、レンジローバーだ。

少なくとも英国の道では、レンジローバーの方が快適に運転できる。テールゲートを倒して腰を掛け、森を横切るキジを眺めながら紅茶を楽しむ。緑豊かな環境に近づきながら、快適に過ごせる。

ランドローバー・レンジローバーとベントレー・ベンテイガは、異なるクラスのSUVではある。しかしラグジュアリーSUVとして備える魅力は、価格を超えて、レンジローバーに強く感じるのだった。

レンジローバーとベンテイガ 2台のスペック

ベントレー・ベンテイガ V8(英国仕様)のスペック

価格:14万6700ポンド(2249万円)から
全長:5125mm
全幅:1998mm
全高:1728mm
最高速度:289km/h
0-100km/h加速:4.4秒
燃費:7.5km/L
CO2排出量:302g/km
乾燥重量:2416kg
パワートレイン:V型8気筒3996ccツイン・ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:549ps/6000rpm
最大トルク:78.3kg-m/1960-4500rpm
ギアボックス:8速オートマティック

ランドローバー・レンジローバー D300ウエストミンスター(英国仕様)のスペック

価格:8万6920ポンド(1338万円)から
全長:5000mm
全幅:1990mm
全高:1836mm
最高速度:209km/h
0-100km/h加速:7.4秒
燃費:11.5km/L
CO2排出量:228g/km
乾燥重量:2275kg
パワートレイン:直列6気筒2997ccターボチャージャー+ISG
使用燃料:軽油
最高出力:300ps/4000rpm
最大トルク:66.1kg-m/1500-2500rpm
ギアボックス:8速オートマティック

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みんなのコメント

1件
  • 凄え、こじつけ!
    マット・プライヤーは英国の国沢やな。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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