高級車というのは中古でもそこそこの値段がするもの。それが輸入車となればなおさらだ。しかし、ほんの少しだけ選択肢を広げれば、お買い得な一台が手に入ったりもする。ここでは高級輸入セダン&ハッチバックの「上級カテゴリーの一つ下」の中からお買い得を探してみる。
※本稿は2024年3月のものです
文/伊達軍曹、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2024年4月10日号
アウディにBMW……560馬力が330万円で手に入る!? 中古輸入車「上級カテゴリーの一つ下」がお買い得すぎた
■「トップカテゴリーの一つ下」に属する高性能車に注目する
無理をしてトップカテゴリーを選ぶよりも、その1つ下あたりを狙ったほうが満足度は高い場合もある
セダンおよびハッチバックでも基本的な考え方はおおむね同様だ。すなわち「現行型を狙うなら“格”をやや落とす。もしくは先代でもOKとしたうえで、あまり古すぎない“先代後期型”を狙う」のだ。
現行型世代の“格”をやや落とすというのは、例えばBMW M340i xDriveだ。
同じ現行型3シリーズでもトップ・オブ・トップの「M3セダン」を狙おうとすると、中古車であっても総額は軽く1000万円を超える。しかしMモデルではなく、その1つ下のカテゴリーである「Mパフォーマンスモデル」に属するM340ixDriveであれば、半額である総額500万円前後でイケるのだ。
もちろんパフォーマンスはM3セダンのほうが上なわけだが、ハッキリ言って現行型M3セダンのパフォーマンスをフルに開放できる場所など、日本ではサーキット以外にない。それゆえ実はMパフォーマンスモデルであるM340iでも充分、いや、むしろまだ過剰なほどだ。
またベンツCクラスも、リアルAMGモデルであるC63を選ぼうとすると先代でも総額400万円を超えるが、セカンドライン的な立ち位置となる「AMGスポーツモデル」のC43なら、総額300万円からイケる。
さらに中身は同じだが車名がC450AMG 4マチックだった世代の中古車なら、もうひと声お安い場合も多い。367psの出力に不足を感じることは、そうそうないはずだ。
■高級輸入セダン&ハッチバックの「セカンドライン」
●アウディ RS3 Sportback(先代・250万~340万円)
小さなボディに367psエンジン!
最高出力367ps(後期型は400ps)の2.5L直5ターボを積む超快速ハッチバック。後期型は総額500万円以上だが、もしも「前期型でもOK」と思えるなら、総額400万円前後で低走行物件が狙える。RS3の場合は、S3と違って前期型でもさほど古さは感じないかも。
●アウディ S3 Sportback(先代・250万~340万円)
RS3ほどではないが、280ps!
最高出力280ps(後期型は290ps)の2L直4ターボを積む俊足ハッチバック。前期型はさすがにやや古く感じるが、2017年以降の後期型なら、いわゆるアウディらしいカッコよさはまだまだ充分。
※アウディの「RS」と「S」の違いは?
SモデルのSは「Sport」の頭文字で、RSモデルは「Racing Sport」。要するにSでも充分スポーティではあるが、より強力なのがRSということだ。
●BMW M135i xDrive(現行型・330万~370万円)
なんたって現行世代のMパフォーマンスモデル!
現行型BMW 1シリーズのMパフォーマンスモデル。搭載エンジンは最高出力306psの2L直4ターボで、組み合わされるトランスミッションは8速AT。
このエンジンは数値だけでなくフィーリングの面においても、高性能4気筒ターボのなかではベストに近い。それでいて中古車価格は新車の約半値といえる総額330万円~なので、これはもう買うしかないと思うのだが、いかがだろう!?
●BMW M140i(先代・280万~310万円)
340psの直6ターボ搭載!
こちらはFRだった先代1シリーズのMパフォーマンスモデル。前期型であるM135iはさらにお安い総額150万円から。
●メルセデスAMG A45 4MATIC(先代・220万~290万円)
旧型だが2Lツインターボは360ps!
先代AクラスのAMGモデル。排気量2Lの直4ターボだが、その最高出力は実に360ps(後期型は381ps)。小さなボディを弾丸のように走らせることができる。それでいて中古車相場は、比較的低走行な物件でも総額200万円台だ。
●メルセデスAMG C43 4MATIC(先代・290万~380万円)
367psのV6ツインターボ搭載!
メルセデスベンツのC450 AMGとして登場し、その後すぐにメルセデスAMG C43へと改名および転籍された先代Cクラスのハイパフォーマンスバージョン。AMG伝統の「1人のマイスターによって組まれたエンジン」ではないが、その切れ味とパワーは充分以上。それでいて中古車相場は比較的お手頃。
●BMW M340i xDrive(現行型・490万~550万円)
現行3シリーズで唯一の6気筒エンジン!
現行型BMW 3シリーズのMパフォーマンスモデル。これの上には当然ながら「M3セダン」があるわけだが、最高出力387psの3L直6ターボを積むこちらでも、公道でのパフォーマンスは充分以上。そして存在感も充分以上と言えるはず。
●アウディ S8(先代・350万~550万円)
旧型とはいえフラッグシップ!
最高出力520psの4L・V8ターボを搭載するアウディのフラッグシップセダン。現行型は中古でも900万円以上だが、先代でもOKとすれば、総額450万円前後で超絶の世界を堪能できる。
●BMW M5(先代・330万~430万円)
4.4L・V8は560psをマーク!
言わずと知れたBMWM5の先代モデルで、搭載エンジンは最高出力560psの4.4L・V8ツインターボ。中古車流通量が少ないのが玉にキズだが、総額300万円台後半の予算で、まずまずの1台が見つかるはず。
■AMGやBMW「M」の魅力は高出力なエンジンだけじゃない
ここまでは主にAMGやM、Mパフォーマンスなどのエンジン出力について書いてきたが、それらハイパフォーマンスモデルの魅力はもちろんエンジンスペックだけではない。
スポーティな純正空力パーツや硬派なインテリア……なども、もちろんその魅力なわけだが、それに加えて筆者が一番大きな魅力と感じているのは「クルマ全体としてのタッチに、上質感と重厚感がある」という部分だ。
何がどうなると、あの“タッチ”が生まれるのかは定かでないが、ハイパフォーマンスモデルは特にスピードなど出さずとも、例えばステアリングホイールに少々触れているだけでも充分に気持ちいい。要するに“精度感”だと思うのだが、そこが実は一番大きな魅力なのだ。
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商業トラックじゃないと我慢できないカラダみたいだしw