ここ最近、ライバルF1チームに対して戦闘力で劣り始めているレッドブル。クリスチャン・ホーナー代表は現在抱える相関性の問題について、チームは“3つの時計”を持っていると表現した。
開発を通してマシンの性能を確実に上げていくためには、風洞実験のデータ、CFD(コンピュータ解析)のデータ、そして実際の走行データの間に相関があることが重要となる。これらがちぐはぐだと、進むべき方向性を見失ってしまう。
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進歩を遂げてタイムを縮めるためには、その中のどのデータが最も正確なのかを見極めて、それを信頼することも重要である。レッドブルはというと、風洞のデータが求められる領域から外れてしまい、フロア開発の方向性を誤ってしまった。
既にマクラーレンやフェラーリ、メルセデスが台頭している今、レッドブルが開幕直後のような圧倒的な強さを取り戻すことは難しいかもしれないが、それでも各データをしっかりと揃えるという点では前進の兆しがあるようだ。
前戦アゼルバイジャンGPでは様々なフロアパーツが持ち込まれたが、そこではセルジオ・ペレスがチームにとって心強いパフォーマンスを発揮し、優勝争いにも絡む走りを見せた。そのため、少なくともマクラーレンやフェラーリと互角に渡り合う上では希望を持てる結果になったと言えそうだ。
ホーナー代表はシンガポールGPを前に、チームの現状について次のように語った。
「全ての時計で時間が少しずつシンクロし始めている。物事が上手くいき始めると、こういうことが起こるものだ」
「みんなが素晴らしい仕事をしてくれている。彼らは誰も諦めておらず、特にコンストラクターズタイトルを勝ち取るために懸命に働いている」
「彼らが与えてくれたものをバクーで結果に残すことができなかったのは不運だったが、まだレースはたくさん残っている。ライバルのパフォーマンスは強く意識しているし、皆が全力を尽くしている」
バクーではペレスが躍動した一方、チームメイトのマックス・フェルスタッペンは苦戦を強いられたが、これは予選で誤ったセットアップの方向性に進んでしまい、それ以降はパルクフェルメルールによって元に戻すことができなかったのが原因のようだ。
ホーナーはペレスが見せたパフォーマンスから、レッドブルには再び優勝争いに食い込んでいけるポテンシャルがあると感じている。
「アゼルバイジャンでのチェコ(ペレス)のパフォーマンスから少し自信を得ることができた。彼はレースの98%で、(レースリーダーから)1.5秒差以内のところにいたんだ」
「また教訓も得ることができた。FP3後にマックスのマシンに施したいくつかの変更に関しては、今思えば、あの時に戻れるのなら変更はしていなかっただろう」
「ただシンガポールに向けては、アゼルバイジャンで見たチェコのパフォーマンスや、我々の考えていることとコース上での結果の相関関係が見えてきたことなどが自信に繋がっている」
レッドブルの苦戦の主な原因となっているのは、イモラで新フロアを投入したことによるバランスの問題だったが、ホーナーはこのような困難に直面しているのはレッドブルだけではないと考えている。どのチームもさらなるマシンパフォーマンスを追い求めた結果、過度にダウンフォース量を増やしすぎてバウンシングを引き起こさないか、ギリギリのところで綱渡りをしているからだ。
「どのチームも色々な局面で問題を抱えている。このレギュレーションが非常に収穫の少ないものになりつつある今、皆が限界に挑戦しているのだと思う」
「どのチームだって……それこそフェラーリやメルセデスだって、パーツを取り付けたり外したりを繰り返している。どのチームも限界に達しているのだと思う」
「ファンにとって良いことは、接近戦で激しいレースができることだ。我々にとっては、ここ数戦マシンにいくつか問題があったけれど、今はそれらを本当に理解し、うまく対処でき始めていると思う」
アゼルバイジャンGPでは、終盤にカルロス・サインツJr.(フェラーリ)とサイドバイサイドの末クラッシュしたペレス。レッドブルにとって朗報だったのは、ペレスのマシンの主要コンポーネントに大きな損傷がなかったことだ。
「ありがたいことに、マシンの主要な構造パーツはほぼ無傷のまま残っているようだ」とホーナーは説明する。
そのため、ペレスが週末のシンガポールGPで旧仕様のマシンに乗り換えないといけないなどということはないが、バクーのアクシデントによってレッドブルのスペアパーツの状況がより厳しいものとなったのは確かだろう。
ホーナーはこう補足した。
「マシンのスペックに影響はないと思うが、スペアパーツの数量に影響があるのは確かだ」
「コスト制限に支配されている今のF1においては、大量のパーツを持ち込む余裕はないのだ」
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みんなのコメント
ダウンフォースを削っているため タイヤを守る事から、1・2セクターをブロックしながら タイムを抑えて、16の立ち上がりでのみ タイヤを使って加速し、DRSが使え無くても ミニDRS(フレキシブル)で逃げた、ピアストリ
ルクレールはダウンフォースを付け 1・2セクターで引き離す戦略が、前を塞がれ使えないどころか ピアストリのタイミングに合わせての、アクセレーションに リアタイヤを使い過ぎて崖が来てしまった
ペレスはS3でマクラーレンには当然 フェラーリにも勝てず、S1・2では フェラーリに勝てる筈も無く
ルクレールがピアストリより先に ハードに換えていたら、2台の10秒後ろで サインツとバトルだっただろう