車重1トン以下。それは、2021年を生きる自動車愛好家にとっては「ある種の夢」だ。
その昔は、車両重量1トン以下の車というのも決して珍しい存在ではなかった。かく言う筆者も車重850kgのMT車(ルノー5バカラ)に乗っていた時期がある。
新型はノートもフィットも消滅!! MT車は滅んでしまうのか?
それは最高出力90psの1.7L、SOHCというショボいエンジンを積んだハッチバックに過ぎなかったわけだが、その走りの質というか「気持ち良さ」に関しては、後に購入した車重1410kgのポルシェ911カレラ2ティプトロニックにも、決して大負けはしていなかった。
だが2021年の今、車重1トン以下のクルマに乗るというのは前述のとおり「夢」に近い何かとなってしまった。端的に言ってしまえば「ほとんど存在しない」のである。
だが車重1トンを切る「運転が楽しいクルマ」も、決して皆無になってしまったわけではない。
探せば、新車であってもいくつかのモデルが存在し、中古車でもOKとすれば、さらに多くの“それ”を見つけることができるのだ!
文/伊達軍曹
写真/ベストカー編集部 ベストカーweb編集部
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マツダロードスターS(6MT)/車重=990kg
車両価格=260万1500円
1トンを切るのはロードスターS(6MT)のみ。すぐ上のSスペシャルは1010kg、RSは1020kg。エンジンは132ps/15.5kgmを発生する1.5L、直4
ということで、まずは国産新車のなかから「1トン以下」を探してみることにしよう。
現行型のマツダ ロードスターはすべてのグレードが「軽くて安くて速い車=好ましいクルマ」だといえるが、そのなかでも唯一1トン以下となるのがこちら、エントリーグレードの「S」だ。
同じSでも「Sスペシャルパッケージ」や「Sレザーパッケージ」だと、MT車でも車重1トンを微妙に超え、AT車になると1トンを比較的大きく超えてしまう。
だが「ロードスターの素うどん」といえるSであれば、全体の軽さと、軽さによって可能となったしなやかな足回りとのバランスがもたらす好ましい走り=2021年の今となってはかなりレアな味わいを十二分に堪能できるのだ。
それは、決して速くはないが「絶品」でいえる動きおよび感触であり、「実は最廉価グレードであるSこそがロードスターのベストグレード!」と評価する人は多い。
スズキスイフトスポーツ(6MT)/車重=970kg
車両価格=187万7400円~(6MT、スズキセーフティサポート非装着車)、装着は201万7400円(6MT)~
車重は6MTが970kg、6ATが990kg。エンジンは1371cc、直4ターボで140ps/23.4kgmを発生
6MTのシフトフィールは小気味よく決まる。初心者にも扱いやすい操作性がスイスポの魅力だ
スズキが誇る名作ホットハッチ「スイフト スポーツ」も、今となっては珍しい車両重量1トン以下の車である。
ちなみに上の見出しでは6MT車の車重を記したが、6速ATの全方位モニター用カメラパッケージ装着車であっても、その車重は990kgである。素晴らしい!
車両全体からは「小柄だが筋骨隆々」といったニュアンスを感じるハッチバックではあるのだが、軽量ゆえに、バネレートをソフトにすることができたクルマでもある。
そのため「ホットハッチ」という言葉からイメージするほど乗り心地は悪くなく、というかむしろ「良好」であり、それでいてハンドリングは実にシャープ。
そしてさらに1.4Lターボエンジンは、低回転域からビッグトルクを発生するタイプであると同時に「回して楽しい!」というエンジンでもあるため、どこまでも果てしなく走っていきたくなる類の車なのだ。
ちなみにどこまでも果てしなく走っていくことで疲れたときには、6MT車であっても装備されるアクティブ・クルーズ・コントロールに速度調整を丸投げし、しばらくのんびりするといいだろう。
スズキアルトワークス(5MT)/車重=670kg
車両価格=153万7800円(FF、5MT)、164万7800円(4WD、5MT)、168万6300円(4WD、5GS)
車重はFFの5MTが670kg、フルタイム4WDの5MTが720kg、5GSが740kg。エンジンは64ps/10.2kgmを発生する658cc、直3インタークーラーターボ
「軽自動車なんだから1トン切りは当たり前だろ!」という意見もあるだろうか、最近の軽はスーパートールタイプだと平気で900kg台であり、ターボ付きだと1トンを超えることも決して珍しくない。
で、そんな軽自動車の現行モデルのなかで「軽くて安くて速いモデル」といえば、このスズキ アルト ワークスで決まりだろう。
車両重量はダントツの軽さを誇るわずか670kgで、そこに最高出力64ps/最大トルク10.2kgmの直3ターボエンジンと、シフトフィールにまでこだわって専用開発されたクロスレシオの5MTが組み合わされると、その走行フィールは思わずワハハッ!と笑ってしまうほど痛快なものとなる。
サスペンションの味付けは、あくまでしなやかなスイフトスポーツとはまったく異なる「ゴツゴツと硬い系」だが、そのぶんだけ路面状況はドライバーの両手とお尻にリニアに伝わってきて、ほとんどレーシングカーのようなフィールを味わうことができるのだ。市販の軽自動車だというのに!
ダイハツコペン/850kg(MT)
車両価格=ローブ&XPLAY、CVT/188万8700円、MT/191万700円。セロCVT/194万3700円、MT/196万5700円。GRスポーツCVT/238万2200円、MT/243万7200円
ローブ、XPLAY、セロ、GRスポーツいずれも車重は5MTが850kg、CVTが870kg。エンジンは64ps/9.4kgmを搭載する658cc、直3インタークーラーターボ
2021年4月7日に一部改良が行われた。今回の一部改良では、新法規に対応し、より広い後方視界確保のためサイドミラーを拡大。さらにオートライトを新設定するとともに全グレードに標準装備し、安全性を向上させた
ホンダS660の生産終了で、軽唯一のオープンカーとなったコペンも一体感のあるスポーティな走りが持ち味。
なかでも、2019年10月に登場したGRスポーツの完成度が素晴らしく、見た目とは裏腹に楽しさに加えて極めて上質な走り味を実現していて驚かされた。
ミドシップのS660とは違い、FFゆえハンドリングは別物ながら、お互い楽しいことには変わらず。
コペンは車重850kg(MT)、64ps/9.4kgm、パワーウエイトレシオ13.28kg/psとS660と大差はない。しかも着せ替えができる点
フィアット500 1.2 スポーツ(5MT)/車重=990kg
中古車相場=60万~120万円
車重は990kg(5MT)。現在、1.2スポーツの5MTは廃盤。エンジンは69ps/10.4kgmを発生する1.2L、直4SOHC8バルブ)=5万円)
フィアット500(5MT)の中古車情報はこちら!
中古車市場のなかから1トン切りの「軽くて安くて速いモデル」を探すとすれば、このイタリア車がまずは候補となるだろう。
フィアット500に途中から追加され、現在は廃番となっている5MTグレード「1.2スポーツ」だ。
通常のフィアット500はデュアロジックという2ペダルMTを採用しているわけだが、こちら1.2スポーツは正真正銘の5MT。この5MTはシフトタッチも実は素晴らしく、短いゲートでカチカチ決まるそれはかなりの快感である。
とはいえこのクルマ、搭載エンジンは最高出力69psの1.2L、SOHCに過ぎないため、「速いか?」と問われれば「いや、むしろ遅いかもしれません」と答えざるを得ない部分もある。
しかし、非力なエンジンでもってアップダウンのある道をなるべく速く、なるべくスムーズに走らせるために頭と身体を使ってコキコキと変速させながら走るのは、少なくとも「めちゃめちゃ楽しい!」とは言える。
機械任せの変速に慣れきった身体に喝を入れ、精神を活発化させたい人にはかなり向いている一台だ。
ただしあまり売れなかったせいか、中古車の流通量が少ないのが玉に瑕ではあるのだが……。
先代マツダデミオ13C(5MT)/車重=970kg
中古車相場=15万~60万円
2007年5月~2011年6月まで販売された3代目デミオの13Cの5MT車は970kg。搭載されるエンジンは91ps/12.6kgmを発生する1.3L、直4DOHC
3代目デミオ(5MT)の中古車情報はこちら!
車重1トン切りの名車を中古車市場から探し出すとなれば、コレも外すわけにはいかないだろう。2007年7月にフルモデルチェンジした先代マツダ デミオの前期型の、なおかつ最廉価グレードである。
何も知らない人が先代デミオ13Cを見れば「おじさんかおばさんが乗ってる安い実用コンパクトカー(の中古車)」にしか見えないだろうが、実際の走りはまったくそうではない。
1.3L、直4DOHCエンジンは最高出力91psとほどほどだが、それが車両重量わずか970kgの高剛性ボディと組み合わされると途方もないドライビングプレジャーを生む。
具体的には、英国製ライトウェイトスポーツのごときステアリングのレスポンスと、軽やかな回頭性を生み出しているのだ。
先代デミオ13Cの5MTがあれば、もうロータスはいらない!……というのはさすがに言い過ぎだろうが、それに近い資質とフィーリングを備えているのが、一見する限りでは何の変哲もないハッチバックに見えるこのクルマだ。
スマートロードスター/車重=830kg
中古車相場=80万~160万円
2003年9月~2006年3月まで販売されたスマートロードスター。全長3430mmというコンパクトなサイズの830kgの軽量ボディに82ps/11.2kgmを発生する698cc、直3インタークーラー付きターボを搭載
スマートロードスターの中古車情報はこちら!
「峠のミズスマシ」または「秋名の下りで拓海のハチロクに勝てる(かもしれない)一台」。それが、2003年から2006年までのごく短い期間に販売されたスマートの派生モデル、「スマートロードスター」だ。
おむすび型であった当時のスマート フォーツークーペと違い、こちらは全長3430×全幅1615×全高1205mmの超スポーティフォルムとなる2シーターモデルで、搭載エンジンは排気量698ccの直3、SOHCインタークーラー付きターボ。
これは当時のスマートに搭載されたエンジンと基本構造は同一だが、最高出力82ps/最大トルク11.2kgmまで増強されたユニットだった。
そのエンジンをリアに搭載して後輪を駆動させるRRレイアウトで、「ソフタッチ」という超クロスレシオの6速セミATはややおマヌケな部分もあったが、かなりメリハリの利いたターボエンジンと、峠の下りを自在に舞うかのごときハンドリング性能との組み合わせは「痛快!」のひと言。
ブレーキがややプアなため、実際は(?)秋名の下りで拓海のハチロクに勝つのは難しいと思われるが、少なくとも「勝利の予感」は感じることができる素晴らしい2座式オープンである。
昨今、中古車の流通量はずいぶん少なくなってきたが、この種のやや古い輸入スポーツカーで起こりがちな「相場の高騰」は、今のところさほどでもない。 多くの人がこの車の価値に気づき、相場が高騰してしまう前に手に入れたい、わかる人にはわかる逸品だ。
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