メルセデス・ベンツといえば近頃はSUVが人気だが、その長い歴史には数々のスポーツカーが名前を刻んできた。中でも「SL」はメルセデスのスポーツモデルの代名詞であり、1950年代から数々の伝説を築いてきた偉大なアイコンである。
そのSLが、10年ぶりにフルモデルチェンジを果たした。新たにAMGを開発主体とし、ボディシェルをアルミでゼロから新設計した意欲作だ。はたしてどんなクルマになったのか。その詳細をお伝えしよう。
ベンツSLが直4かぁ……スペックで侮るなかれ!! F1直系技術でSLは新たな伝説へ
文/ベストカーWeb編集部、写真/メルセデス・ベンツ、ベストカーWeb編集部
1950年代から伝説を作ってきた名スポーツカー
メルセデスAMG SL43
SLは、1952年にル・マン24時間レースでワン・ツーフィニッシュを飾った伝説のレーシングスポーツカー「300SL」を起源とするメルセデスの代表作だ。今回登場したのは初代から数えて7代目となるモデルで、型式名はR232を名乗る。
今回、SLに起きたもっとも大きな変化は、開発主体がメルセデス・ベンツ本体からAMGへと変更されたことだ。長くメルセデスのハイパフォーマンスモデルを手がけてきたAMGだが、新型SLに同社の培ってきたスポーツカーの開発ノウハウがいっそう濃厚につぎ込まれたことになる。
なかでもAMGのこだわりを感じるのは、ゼロから開発されたというボディシェルだ。アルミニウムを中心にスチールやマグネシウムを組み合わせた自信作で、単体重量は270kgと軽く、ねじり剛性が先代に比べて18%高くなっているという。
そんな背景を頭に入れて、日本に上陸したSLを見てみよう。正式にはメルセデスAMG SLで、グレードはM139型2リッター直列4気筒ターボエンジンを積む後輪駆動モデルのSL43のみ。この4気筒エンジンはすでにAMG A45やCLA45に搭載済みのエンジンだが、今回はそのエンジンを縦置きした点が新しい。ちなみに本国にはV8ツインターボをAWDで駆動するSL55やSL63も存在するのだが、いまのところそれらの日本上陸は未定とのことだ。
F1直系の技術を採用した直4ターボエンジン
心臓部のM139型直列4気筒ターボエンジン。F1直系の技術「エレクトリック・エグゾーストガス・ターボチャージャー」を搭載
「AMGに直列4気筒か」と考える人もいるかもしれないが、落胆するには及ばない。スペックだけみてみても最高出力381ps(280kW)、最大トルク480Nmと十分にすごいのだが、V8に比べてノーズが圧倒的に軽いため、スポーツカーとして資質はむしろこちらが上かもしれない。
過給システムも注目だ。過給の立ち上がり遅れを電動モーターがアシストする「エレクトリック・エグゾーストガス・ターボチャージャー」というF1由来のエネルギー回生システム技術を採用したのだ。
その構造だが、ターボチャージャーのタービン=コンプレッサー間の軸上に薄さ4cmという小型モーターを組み込み、過給をアシストするようにしたもの。スロットルオンの時に生じるターボラグをこのモーターが補うことで全域にわたる鋭いレスポンスを実現したのだ。このモーターは車載の48Vマイルドハイブリッドシステムと一体で作動するので、エネルギー効率という点でも優れているという。
トランスミッションには9速のAMGスピードシフトMCTを採用。トルクコンバーターの代わりに湿式多版クラッチを搭載し、ダイレクト感のあるスピーディなシフトを可能にしている。走行状況によって多彩なモード変更も可能で、燃費優先のComfortからスポーティなSport、Sport+、RACE、雪上走行などのためのSlipperyといった6つの設定が可能になっている。
あえてソフトトップを採用しシートは2+2に
15秒で開閉できるソフトトップ。積層繊維の効果でハードトップなみの静粛性を実現
内外装をみていこう。ここでの新型SLのトピックは2つだ。ひとつは金属製のハードトップをやめてクラシカルなソフトトップを採用したこと。この変更は上屋の軽量化や重心高の低下のほか、トランク容量の拡大にも寄与しているはずだ。
もうひとつは、小型ながらリアシートを設けた2+2となったこと。従来のSLは一部のオプション設定を除き2シーターだったから、これまたドラスティックな変化だ。ちなみに新型SLは全長4705mmと従来に比べてほんのわずか長くなったが、バッグや上着を置けるスペースができた恩恵のほうが、デメリットをはるかに上回ると思われる。現代のメルセデスの流儀に従ったエクステリアはエアロダイナミクス的にも優れており、風の巻き込みやウインドノイズなどが最小限に抑えられていることはいうまでもない。
足回りだが、前後ともに5リンク式というユニークな方式が採用された。特にフロントサスは、操舵系とサスペンション系の間に生じる悪影響を抑える工夫がなされており、高い横加速度発生時でも、ステアリングへの駆動力の影響を最小限にとどめることに成功している。バネ&ダンパー系ではAMG ライドコントロールサスペンションを標準装備しており、走行状況に応じた減衰力の自在な変化も可能にしている。
さまざまな新しいチャレンジを形にした新型SLの価格は1648万円。10月24日の発表とともに全国のディーラーで発売を開始した。内燃機関の行く末が危ぶまれる現代にあって、新型SLはスポーツカーの魅力をもう一度問いかける魅力的な1台といえるかもしれない。
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みんなのコメント
それぐらい気筒数って重要。
4発は妥協でしかない。