■必要にして十分な「最安ハリアー」
トヨタの高級SUV「ハリアー」は現行モデルが4代目で2020年にデビューしました。
上質な内外装が特徴で先代に引き続き、高い人気を博していますが、そのなかでも最安グレードについて、SNSなどではさまざまなコメントが投稿されています。
【画像】「えっ…!」 これが「一番安いハリアー」です(39枚)
現行ハリアーは歴代モデルで培ってきた都会的なスタイルをより洗練させ、シンプルさとエレガントさを融合させたクーペスタイルに刷新されました。
また、TNGA GA-Kプラットフォームの採用により、ボディの高剛性化・低重心化を実現。乗り心地と走りの良さが高められたことも特徴です。
パワートレインは2リッターガソリンエンジンと2.5リッターハイブリッドに加え、2.5リッタープラグインハイブリッドを設定。駆動方式はFFと4WD(E-Four)を用意するなど、幅広い選択肢を用意します。
そんなハリアーにはパワートレインごとにいくつかのグレードが存在。最上級はPHEVの「Z」グレードで、駆動方式は4WD(E-Four)のみとなり、価格(消費税込、以下同様)は620万円です。
一方の最安となるエントリーグレードはガソリンの「S」グレード/2WDで、価格は312万8000円です。
最上級のZ PHEVとエントリーグレードのS ガソリン車では2倍の価格差があり、内外装でさまざまな差別化が図られています。
Sグレードのエクステリアは、3灯式LEDヘッドランプを装備し、2重のL字に発光するLEDデイタイムランニングライトは非採用。ハリアーのなかで唯一、別デザインとなっているのです。
また、フロント・リアバンパーのメッキ加飾が省かれているほか、17インチのアルミホイールは5本スポーク(グレーメタリック塗装)というシンプルなものを装着。マフラーカッターの形状も真円のものが装備されます。
インテリアでは、ハンドルにシルバー加飾が施され、上級グレードに装備されるサテンメッキ加飾は省略。オープントレイやセンターコンソール、ドアスイッチなどのパネルには加飾無しのブラックパネルを採用しています。さらに、シートは標準的なファブリックで、電動機能も備わりません。
ただし、簡素化された装備は表面的なところにとどまっており、安全装備は歩行者(昼夜)や自転車運転者(昼間)を検知対象に加えた衝突被害軽減ブレーキなどのパッケージ「トヨタ セーフティ センス」が装備。
ETC2.0やApple CarPlayおよびAndroid Auto対応の8インチのディスプレイオーディオも装備されるなど、上位グレードよりもいくつかの装備は省略されているものの必要最低限のものは備わっています。
このSグレードは、2020年の登場時は300万円を切る299万円で販売されていたのですが、2022年の一部改良で現在の312万8000円に値上げされています。
最安モデルとなるSグレードについて、SNSなどではさまざまな意見が見られます。
「300万円代であの完成度と高級感は素晴らしい」「(同じトヨタのSUVの)『C-HR』や『ヤリスクロス』目当てでも、もうちょい出せばハリアー買えるのか」「確かに十分」など、下位クラスを狙うユーザーからも手が届きやすい価格設定や最安モデルであるものの、装備はこれで事足りると感じる人が多いようです。
また、「お買い得車いいね」「別にこれでいいんじゃないか」など、価格の割にはお買い得だとする意見も。
一方で、「乗っている間ずっと上位のグレードを気にしてしまう」「トヨタの廉価版ってホントにわかりやすい」など、価格を抑えた最廉価モデルであることには変わらず、上級モデルと比較し内装の仕立てが気になったり、エクステリアにおいてもSグレードであると判断がつくことを気にするユーザーもいるようです。
さらに、「(カーシェアの)カレコ御用達」「レンタカーじゃん」など、クルマを低コストで大量に仕入れるレンタカーやカーシェアと同一のグレードでは面白みに欠けるとするユーザーもいるようですが、なかにはアフターマーケットパーツでカスタムするというユーザーが、車両本体価格を抑えたいという理由からこうした最安モデルを選ぶこともあり、自分流にカスタムして乗るにはちょうどよいかもしれません。
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