この記事をまとめると
■周囲の人が驚くほどトラックのクラクションの音が大きいことがある
かつての定番「ヤンキーホーン」や「エアホーン」! 最近見かけなくなった理由とは
■エアホーンを装着しているトラックが多いからだ
■トラックドライバーにエアホーンが人気の理由を解説
エアホーンの装着は専門家に依頼すべき
街なかで突然、けたたましい程の音量を放つトラックのクラクションに驚かされたという経験をおもちのひとは、きっと数知れず存在するだろう。近くで鳴らされると耳をつんざくような刺激的なトラックのクラクションは、電子ホーンではなくエアホーンの可能性が高い。トラック乗りのあいだでは、旧くから大音量のエアホーンが人気を集めているのだ。
その起源は、1970年代にさかのぼる。当時のトラック業界では、米軍払い下げのヤンキーホーンを取り付けることに躍起になっていた。そんなスタイルは変わらず続いており、現在では多種多様のエアホーンがデコトラ界で流通している。その音色にもさまざまなものがあり、高音や低音など、多岐にわたる。それもまた、エアホーンの人気を物語っている。
ではなぜ、デコトラ愛好家はエアホーンを好むのか。
その最たる要因は、音の大きさにあるのだろう。道路が仕事場である彼らにとって、のんびりと走る乗用車はとかく邪魔な存在だった。それらに進路を譲らせるために、大音量のエアホーンが好まれたのだ。さらに、トラックは陸の船とも呼ばれる存在。それが関係したのかどうかは定かではないが船舶用の汽笛を取り付けるひとも現れた。おそらく大音量を求めたのだと考えられるが、鉄道の警笛を取り付けるという強者も存在したのである。
そのような風潮が、現代のデコトラ界に受け継がれているといっても過言ではないのだが、大音量のエアホーンを取り付けるためには、当然エアが必要となる。そのため小型トラックではコンプレッサーやエアタンクを別途用意する必要があるのだが、中型や大型トラックの場合はもともとエアホーンが装着されており、エアブレーキが採用されている。純正のエアタンクからエアが取れるため、デコトラ界でもエアホーンは重宝されているのだ。
だが、そのぶん取り付けには注意が必要となる。エアホーンを新たに取り付けるには、当然のごとく新たなエアホースも必要となる。そのホースがエンジンなどの高温部分との接触により溶けてしまったり劣化してしまうと、エア漏れを起こしてしまう。純正のエアタンクを使用したエアホーンでは、当然のごとくブレーキを作動させるためのエアが不足する。そうなると、最悪の事態を招いてしまう恐れがあるのだ。
エアブレーキのトラックは、一定のエアがたまらなければ警告ブザーが鳴り、発進させることができない。仕事が控えているのに動かせなければ仕事先に迷惑をかけてしまうし、走行中にエアホースが破損した場合は、とんでもない事態に陥りかねない。
だからこそ、エアホーンの装着は専門業者に任せよう。エアだけではなく、純正の配線からカスタムパーツの電源を取ることも、オススメできない。できうる限りバッテリーからヒューズを噛ませた上で電源を取り、純正ハーネスと完全に分けてしまうことが重要だ。そのように対策をしたうえで、楽しく安全なデコトラライフを過ごしていただきたい。
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