1970年代の後半に大ブームが起き、今もなお人々を魅了してやまないスーパーカーたち。そんな懐かしいモデルから現代のハイパースポーツまでを紹介していく、スーパーカークロニクル。今回は、アストンマーティン ヴァルキリーだ。
アストンマーティン ヴァルキリー(ASTON MARTIN VALKYRIE:2017~)
2016年、アストンマーティンは当時F1グランプリに参戦しているレッドブル レーシングとコラボレーションし、スーパーカーを超えた「ハイパーカー」の共同開発を始め、「AMーRB 001」というコードネームで開発プロジェクトが進められた。2017年のジュネーブ モーターショーでお披露目されたAM ーRB 001の実車には、「ヴァルキリー(Valkyrie)」という、北欧神話に登場する、戦死した英雄の魂を導くという半神半人「ワルキューレ」を英語読みした車名が与えられた。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
アストンマーティン側ではDB11や現行ヴァンテージなどのデザインを手がけたチーフ クリエイティブ オフィサーのマレック・ライヒマンが、レッドブル側ではチーフ テクニカル オフィサーであるエイドリアン・ニューウエイが責任者として、ヴァルキリーの共同開発にあたった。
そのスタイリングは、フロントに内蔵したウイング、コクピット両側の巨大なベンチュリートンネルなど、徹底的にエアロダイナミクスを追求したものだ。詳細なスペックは発表されていないが、ボディやシャシにCFRPをはじめ、チタンやマグネシウム合金を多用することにより、車重は1000kgに抑えられている。
ミッドシップ搭載されるパワーユニットは、コスワース社が手がけた6.5Lの65度 V12DOHCで、最高出力が1014ps/10500rpm、最大トルクが740Nm/7000rpmという、数値も発生回転数もレーシングエンジン並みのものとなった。さらに、F1で採用されたKERS(運動エネルギー回生システム)を組み合わせたハイブリッドとし、システム最大出力は1176ps、最大トルクは900Nmに達するという。
ドアはなく、サイドウインドーをガルウイング式に開いて乗り込むコクピットにはカーボンをふんだんに採用。運転席はフロアに直接設置され、メーターや操作系はステアリングにビルトインされるなど、かなりレーシングカー的だ。ヴァルキリーのロードモデルは150台が生産され、そのうち11台が日本に導入される予定だ。だが発表された段階で、既に150台のオーナーは決まっているという。
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