ロメオ・フェラーリスは、2021年に本格始動する見込みの電動ツーリングカーによるレース『ETCR』に向け、フルEVマシン『アルファロメオ・ジュリアETCR』の製作プロジェクトを進めるとアナウンスした。
このETCRは、WTCR世界ツーリングカー・カップやTCRジャパンなどで使用されているカスタマー向けツーリングカーカテゴリーであるTCRと同じWSCグループが提唱している新たなプラットフォームだ。
電動ツーリングカーレース『ETCR』、2020年のプレシーズンは全4戦開催。クプラに加えてヒュンダイも参戦か
ETCRは2021年にヨーロッパやアジア、北米でのシリーズ開催を目指しており、2020年にはプレシーズンイベントとして全4戦のレースが行われる見込み。
シリーズに向けては、すでにクプラやヒュンダイが参戦を表明しマシンも公開しているほか、ホンダ・シビック・タイプR TCRを製作するJASモータースポーツもホンダ車をベースとした車両開発を示唆している。
今回ジュリアETCR開発プロジェクトを発表したロメオ・フェラーリスは、過去5年間に渡ってWTCRをはじめとする世界各国のTCRシリーズにジュリエッタTCRを供給し、勝利も収めてきた。
新設のETCRに向けて、ロメオ・フェラーリスはアルファロメオのブランドを維持しながらもTCRとはベース車を変え、同ブランドのフラッグシップセダンであるジュリアをもとにマシンを製作する。ジュリアの名がレース界に復活するのは実に50年ぶりのことだ。
1965年からモータースポーツの世界で活躍しているロメオ・フェラーリスだが、電気駆動のレースカー開発は新たな挑戦となるため、今回のジュリアETCR開発プロジェクトではヘキサトロン・レーシング・システムを技術コンサルタントとして迎える。
ロメオ・フェラーリスのオペレーションマネージャー、ミケラ・チェルッティは「独自プログラムとして走らせているアルファロメオ・ジュリエッタTCRが、数々の成功を収めていることを踏まえ、我々は勇気を持ってETCRという新しい世界へ飛び込むことができる」と述べている。
「電気自動車は自動車業界だけではなく、モータースポーツ界の将来にとっても明確な選択だ」
「エンジニアはすでに作業を進めているが、この電動レースの分野では、我々のようなプライベートチームよりもはるかに大きなリソースを持つ巨大自動車メーカーたちが先行している」
「そんな状況ではあるが、我々はこれまでと変わらず、自分たちの評判を維持できるよう最善を尽くすよ」
WSCグループのマルチェロ・ロッティは「モータースポーツ史のなかで、アルファロメオほど伝統あるブランドはわずかだ」とETCR参戦を歓迎した。
「ロメオ・フェラーリスがジュリアという伝説的な名前をETCRに持ち込んでくれることを誇りに思う。彼らはジュリエッタTCRで成功を収め、自らの力を証明した。電動レースという新たな分野でも、その力を存分に発揮してくれると確信しているよ」
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