人気カテゴリーの先駆者「スペーシアギア」が2代目へ進化
スズキの「スペーシアギア」は、軽自動車のスーパーハイトワゴンである「スペーシア」をSUVテイストに仕立てたクロスオーバーモデルです。
【画像】「えっ!…」ジムニーのようなマスクが斬新! これがスズキ新型「スペーシアギア」です(30枚以上)
このジャンルの先駆者として2018年にデビューした初代はスマッシュヒットを記録。軽スーパーハイトワゴン市場に刺激を与え、多くのフォロワーを生み出しました。
そんなヒットモデルも、2023年秋の本家「スペーシア」のフルモデルチェンジを受けて2024年4月に生産が終了。とはいえスズキは、2024年1月にどう見ても「スペーシアギア」の次期型にしか見えない「スペーシア パパボクキッチン」というコンセプトカーを参考出品し、新型の登場を暗に予告していました。
それから約9か月、ようやく新型「スペーシアギア」がデビューしたというわけです。
新型「スペーシアギア」は、初代モデルの特徴でもあった丸いヘッドライトをしっかりと継承。その上、フロントグリルに縦スリットデザインを採り入れることで、「ジムニー」っぽいマスクに仕上げています。
新型「スペーシアギア」は「スペーシア」と同じボディパネルを使っていますが、ヘッドライトやフロントグリルに加え、フロントバンパーも専用デザインとすることでアクティブな雰囲気を強調。
ボディサイドには、ルーフレール(単なるアクセサリーではなく、ルーフキャリアなどを装着できる実用的なアイテム)、ドア下部のガーニッシュ、さらにサイドアンダーガーニッシュなどを追加し、専用デザインの14インチのアルミホイールを組み合わせています。
一方インテリアは、オレンジのステッチがアクセントのはっ水加工済みシート表皮を組み合わせ、荷室フロアも樹脂素材を採用することで汚れたらサッと気軽に水ぶきできるものに変更。この辺りは、ハードユースにも対応できる機能性を求めた結果といえるでしょう。
加えて、インパネやドアトリムにはカーキグリーンのパネルを組み合わせることで、「スペーシア」とも「スペーシアカスタム」とも異なる世界観を演出。また、周囲をダイバーズウオッチのように丸いフレームで囲んだメーターや、フロントシートの背もたれ背面の上部に備わるメッシュタイプのポケットなどで、アウトドアっぽいイメージに仕立てています。
そんな新型「スペーシアギア」で注目したいのが、標準車の「スペーシア」にはない装備類です。
グレードは基本的にひとつだけ(パワートレインの違いで4つの仕様がある)の新型「スペーシアギア」ですが、シートヒーター(これは「スペーシア」も装備)に加えてステアリングヒーターも装備。スイッチを入れればすばやく温まるので、寒い日のドライブも快適です。
また、新型「スペーシアギア」は「スペーシア」とは違ってステアリングが革巻きタイプとなるほか、アルミホイールも標準装備。さらに、電動パーキングブレーキや高速道路渋滞時停止保持機能つきの】アダプティブクルーズコントロールなど、「スペーシアカスタム」にはあるけど「スペーシア」には採用されていなかったアイテムが、新型「スペーシアギア」には備わっているのです。
つまり、「スペーシア」シリーズにおける新型「スペーシアギア」の立ち位置が、「スペーシア」以上で「スペーシアカスタム」に近いということが装備類からもうかがえます。
●標準車では選べないターボ仕様をラインナップ
さらに筆者(工藤貴宏)は、標準車である「スペーシア」では選べないターボエンジン搭載車が、新型「スペーシアギア」では選べることをうれしく思います。なぜなら、ターボエンジンは加速に優れるため運転していて疲れにくく、加速時のノイズも静かで快適だからです。
新型「スペーシアギア」を選ぶユーザーの中には、クルマの雰囲気どおり、キャンプなどアクティブレジャーを楽しむ人も多いことでしょう。となると、ロングドライブに出かける機会も増えるでしょうから、運転していて疲れにくく快適に移動できるターボ仕様は好相性といえるでしょう。
ちなみに、新型「スペーシアギア」のトランスミッションは、全車CVTとなります。また駆動方式は、自然吸気エンジンもターボ仕様も前輪駆動か4WDのいずれかを選ぶことができます。
「スペーシアギア」を筆頭にライバル各車の個性が明確に
ここで興味深いのは、初代「スペーシアギア」に触発されて登場したライバルたちの方向性です。同じSUVテイストのクロスオーバーモデルでありながらも、よく見ていくと微妙にキャラが異なっているのです。
新型「スペーシアギア」はガチのアウトドアまでカバーすることを意識していますが、標準車である「スペーシア」との違いは内外装の仕立てと装備のみ。ダイハツの「タントファンクロス」も同じ方向性のモデルといっていいでしょう。
しかし、三菱「デリカミニ」は内外装に加えて、4WDモデルのみですがサスペンションを専用設計とし、大径タイヤを組み合わせてリフトアップすることで悪路走破性を強化しています。ライバルよりもちょっとだけSUVとの距離が近いポジショニングです。
また、ホンダがこの秋に発売する「N-BOXジョイ」は、バリバリのアウトドアユースからはちょっとだけ距離を置いています。
リアシートを格納すると出現するチェック柄で囲まれたフラットフロアに座り、ラゲッジスペースでお部屋のようにリラックスして過ごして欲しいという斬新なコンセプトを採用。まるで“移動するマイルーム”のような感覚のモデルで、景色のいいところへ出かけてリアゲートを開け、ピクニック気分を楽しもうというわけです。
シート表皮を始めとする各部のテキスタイルにチェック柄を採用するなど、アウトドアというよりもおしゃれ空間の演出を重視していることもライバルとの大きな違いです。
* * *
このように、それぞれの個性が際だってきた軽スーパーハイトワゴンをベースとするクロスオーバーモデルですが、実用的なパッケージングを持ち、SUVテイストのルックスで楽しい雰囲気を演出しているのは各モデル共通です。
アウトドアに出かけなくても、所有しているだけで毎日を楽しく過ごせそうな雰囲気が、これらのモデルの最大の魅力であることは間違いありません。ライバルが出そろったことで好みに合わせて選べるようになったのは歓迎するべきことでしょう。
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みんなのコメント
くるまのニュースなどは「ジムニーワゴン」と記事に書いたほどだ。