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2553万円は高くない!? BMW「M8コンペティション」が持つ究極の二面性

掲載 更新 17
2553万円は高くない!? BMW「M8コンペティション」が持つ究極の二面性

■4.4リッターV8ツインターボはBMW量産モデル最強の625馬力!

 BMW Mモデルは、「公道へと舞台を移した純粋なレーシングマシン」というコンセプトでつくられている。

1000馬力!! 「ラ フェラーリ」より速い「SF90スパイダー」が誕生!

 8シリーズにも「M8クーペ」、「M8グランクーペ」、「M8カブリオレ」というように3つのボディタイプにMモデルが存在する。

 今回、箱根のワインディングロードで「M8カブリオレ・コンペティション」に試乗することができたので、そのインプレッションをお伝えしよう。

 まず、車名に付いてくる「コンペティション」とはなんだろうか。これは普通のM8ではなく、さらにパワーアップしたエンジンを搭載するモデルということを意味する。

 4.4リッターV型8気筒で2基のツインスクロールターボチャージャーをVバンクの中に納め、高精度直噴システム、バルブトロニックを組み合わせた、BMWの量産モデルに搭載されるなかでもっともパワフルなエンジンを搭載する。

 普通のM8は600ps/6000rpm、750Nm/1800-5600rpmという最高出力と最大トルクを発揮するが、コンペティションは625ps/6000rpm、750Nm/1800-5860rpmと、高回転側まで太いトルクを維持し最高出力をアップさせている。まさにサーキット走行で威力を発揮するスペックのエンジンなのだ。さらに、強化されたエンジンに合わせてサスペンション、ボディ各部の強化もおこなっている。

 その結果、0-100km/h加速は3.3秒。0-200km/h加速は10.6秒という、身体が弱い人なら耐えられないような強烈な加速力を引き出せる。

 M8カブリオレには、Mモデル固有のダブルバーを備えたキドニーグリル、Mドアミラー、Mライトアロイホイール、Mペダル、M特有のディフューザー付きリアエプロン、ブラッククローム仕上げのデュアルエキゾーストパイプがその効果をさらに高め、アグレッシブなモデルとして印象深くしている。

 ドアを開くと、まずMスポーツシートが目に入る。豪華なシートではあるが、あくまでもスポーティでハードな走行でも身体をしっかりとホールドしてくれる。後席もバックレストが立ち気味ではあるが、一応座れるので乗車定員は4人だ。

 オープンで走ったときに寒くないように、ヘッドレストの下部から首に向けて温風が出るようになっている。冬にはこれとシートヒーターと合わせて使うと快適なドライブができる。

 後席に乗り込むときにイージーなのは、幌を開けてしまうことだ。スイッチを押してから14秒で完全に開けることができるし、同じく14秒で閉めることもできる。これは市街地程度のスピードならば走行中でも可能だ。またクルマの外からリモートコントロール(キー)を使ってルーフ開閉もできる。

 センターコンソールにある赤色のスタート/ストップボタンを押すとエンジンが目覚める。低音のエキゾーストノートが響いて、クルマ好きなら誰もが心が昂るはずだ。

■カブリオレでも高いボディ剛性で不快な振動は皆無

 ステアリングホイールの中に左右ふたつの赤色のMDM(Mドライブモード)ボタンがある。これはドライビングモードをプリセットしておけるもので、エンジン、ダンパー、ステアリング、ブレーキのセッティングをそれぞれ「エフィシェント」か「コンフォート」、「スポーツ」、「スポーツ+」にセットしておけば、サーキットやワインディングロードに行ったときにスイッチひとつ押すだけで最適なセッティングを呼び出すことができる。

 とはいっても、よほど乱暴な運転をしない限り、ダンパーもステアリングもコンフォートのままで十分だ。ただしエンジンはエフィシェントよりもスポーツにしたほうが、山道では元気よく走れるから楽しいかもしれない。

 M8では、コンペティションモデルにだけトラックモードが存在する。そのなかの「M xDrive」は、DSC(ダイナミックスタビリティコントロール)をオフにして4WDスポーツ、さらに後輪だけ駆動させるFRで走ることもできる。

 タコメータを見ると、6700rpmからイエローゾーン、7200rpmからレッドゾーンが始まる。とはいっても、普通に走る限り2000rpmも回せば十分に速く走れる。

 しかしもっとアクセルペダルを踏めば、エンジン回転が上昇するほどに分厚いトルクを感じる。アクセルペダルを床まで踏み込むと750Nmを感じることができるが、そんな強烈な加速でもホイールスピンすることなく走り出す。うまく躾けられた後輪駆動ベースの4WDである。

 幌を開け、オープンでワインディングロードを走るのは楽しい。屋根がないカブリオレでも、ボディ剛性はものすごくしっかりしていて、ユサユサするような動きやブルンブルンというような振動が残ることもない。

 パドルシフトを使って低いギアをキープしながら、つまりエンジンの高回転域を使いながらコーナーを立ち上がっていくときのエキゾーストノートもたまらなく良い。

 あるときは完璧なラグジュアリーカー、あるときは本格的なスポーツカーという二面性を1台で楽しめるとなれば、2553万円というプライスも安く感じるかもしれない。

●BMW M8 Cabriolet Competition
BMW M8 カブリオレ コンペティション

・車両価格:2553万円
・試乗車オプション込み価格:2797万3000円
・全長:4870mm
・全幅:1905mm
・全高:1350mm
・ホイールベース:2825mm
・車両重量:2030kg
・エンジン形式:V型8気筒DOHCツインターボ
・排気量:4394cc
・駆動方式:4WD
・変速機:8速AT
・最高出力:625ps/6000rpm
・最大トルク:750Nm/1800-5860rpm
・ブレーキ前/後:Vディスク/Vディスク
・乗車定員:4名

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みんなのコメント

17件
  • 今時こんな車売れないだろいうに、作るだけでエラいわ。
  • このブランドにこの値段出すのはサードカー以降が買える層かな
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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