■ホンダ「ストリーム」の人気を受けて投入されたトヨタ「ウィッシュ」
一時期は販売台数ランキングの上位に食い込むほどの人気を見せていたにもかかわらず、気づけばモデル自体が消滅してしまった、というモデルは意外と存在しています。
なかでも2003年にデビューしたトヨタ「ウィッシュ」は同年の年間販売台数ランキングで3位にランクインし、そこから4年連続でトップ10圏内に存在し続けた紛れもない人気車種でした。
【画像】「えっ…!」カッコいい! 人気の「背が低いミニバン」画像を見る(18枚)
しかし、2017年に2代目モデルが終売すると後継車種も登場することなく、絶版となってしまいました。
一時は隆盛を極めたウィッシュですが、なぜ後継車種もなく消滅してしまったのでしょうか。
2003年1月に初代モデルが登場したウィッシュは、コンパクトな5ナンバーサイズを基本に3列シートを備えたミニバンとなっており、後部ドアはスライドドアではなくヒンジドアを備えていました。
近いコンセプトのモデルとしてはトヨタ「イプサム」が存在。イプサムは3ナンバーボディと背の高いパッケージでファミリーユースを中心に展開されていましたが、ウィッシュはスポーティなイメージに仕立てられており、ターゲットとするユーザー層が明らかに異なっていました。
そもそもウィッシュは、2000年に登場すると瞬く間に人気車種となったホンダのミドルサイズミニバン「ストリーム」の対抗馬として投入されたモデルです。
1990年代にホンダ「オデッセイ」を追いかけて発売したモデルが及ばなかったトヨタとしては、同じ轍を踏まないようにと徹底的にストリームを研究。トヨタ渾身のウィッシュは、一時はストリームを超える人気となったのです。
そんなウィッシュは2009年に2代目へとフルモデルチェンジを果たし、初代のキープコンセプトのままデザインなどをよりシャープにするなど、時代に即した変更を実施。しかし初代ほどの人気を獲得することは叶わず、2017年に終売となりました。
なお、ライバルのストリームは2006年に2代目へとフルモデルチェンジを実施し、ウィッシュよりも早い2014年に終売となっています。
このように一時は人気車種となったウィッシュですが、人気に陰りが出てしまった最も大きな理由は、スライドドアを備えた背の高いミニバンの便利さにユーザーの多くが気づいてしまったということが挙げられるでしょう。
スライドドア車はドア開口部が大きく高さもあるため、ヒンジドアをくらべ3列目シートへのアクセスや2列目シートに備えたチャイルドシートに子どもを乗せるといった場面での使い勝手が大幅に有利です。
一度スライドドアの便利さを味わってしまうと、もうヒンジドアには戻れないと感じるユーザーが多かったことも関係していたのでしょう。
また、全高を低くしてステーションワゴン的な走りの良さが味わえるというのがウィッシュの美点ではありましたが、それでも立体駐車場に対応できる全高1550mmを超えており、その点での使い勝手に差がないのであれば、走りよりも室内空間の広さが優先されることが増えていたともいえそうです。
そしてヒンジドアはコストがスライドドアに比べて抑えられるというメリットもありましたが、2代目ウィッシュ登場時の価格を比べてみると、ウィッシュの「1.8X」が184万円だったのに対し、「ノア X(2リッター)」は203万7000円と20万円ほどの差しかありませんでした。
さらに、2リッターエンジン同士で比較するとウィッシュの「2.0G」が226万円と、ノアより高くなってしまい、ヒンジドアのコストメリットが薄くなってしまったということも影響したのは間違いないでしょう。
つまりウィッシュの人気が下がり消滅してしまったのは、ユーザーの趣向が大きく変化したことが理由といえ、実際、前述したウィッシュのライバルであるストリームも消滅し、オデッセイもヒンジドアからスライドドアに変わっていることがそれを裏付けています。
どんなものでも流行り廃りがあるのは仕方のないことですが、今は大人気のクロスオーバーSUVも過去の話になる時代がくるのかもしれません。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
「クルマが踊ってる!?」 運転席にある「謎のボタン」押したら何が起きる? 効果も存在も「知らない人」多すぎ! みんな意外と知らない「使い道」とは!
斬新「ヴェルファイア セダン」発表! 全長5m超えの“堂々ボディ”&「豪華な白内装」採用! まさかの「大排気量V8エンジン」搭載! ド迫力なNATS「高級セダン」の正体とは?
不正改造車「12台」を“一斉摘発”! 国交省「すぐクルマを直しなさい!」命令書も交付!? “大迷惑”な「爆音・シャコタン・フルスモ車」を国道で“抜き打ちチェック”実施 広島
ウクライナで「ドイツ製新防空システム」が火を噴き次々ドローンを撃墜 ミサイルよりはるかに経済的
廃棄検討の「ロシア唯一の空母」より悲惨? “あんまり過ぎる”最期を遂げた空母とは?
石破総裁「ガソリン暫定税率廃止」に否定的?「地方の財源が吹っ飛ぶ」とも!? 参院選直前に四国で演説! 結局“ガソリン減税”はどうなるのか
国内に1機だけ!日本海軍「最強戦闘機」が“重要航空遺産”に認定へ 46年前に海底から引き揚げられた機体
不正改造車「12台」を“一斉摘発”! 国交省「すぐクルマを直しなさい!」命令書も交付!? “大迷惑”な「爆音・シャコタン・フルスモ車」を国道で“抜き打ちチェック”実施 広島
マツダ『CX-5』新型、ライバルはRAV4やエクストレイルか
不正改造車「43台」を“一斉検挙”! 「ただちにクルマを直しなさい!」命令も!? 「大黒PA」集結の“大迷惑”「爆音マフラー」「シャコタン」を排除! 「今後も取締ります」宣言 神奈川
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント