現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【昭和の名車 14】トヨタ1600GT(昭和42年:1967年)

ここから本文です

【昭和の名車 14】トヨタ1600GT(昭和42年:1967年)

掲載 更新
【昭和の名車 14】トヨタ1600GT(昭和42年:1967年)

昭和は遠くなりにけり…だが、昭和生まれの国産スポーティカーは、日本だけでなく世界的にもブームとなっている。そんな昭和の名車たちを時系列で紹介していこう。

市販期間わずか1年2ヵ月。キラリと光る名車だった
トヨタ1600GT:昭和42年(1967年)8月発売
市販期間はわずか1年2カ月という短命モデルで、累計生産台数も2222台にとどまったが、国産スポーツモデルの歴史の中でキラリと光る足跡を残したのが、このトヨタ1600GTだ。

【スクープ】次期アテンザではなかった! マツダのプレミアムFR第一弾の正体判明

1962年(昭和37年)9月に日本最初の国際公認レーシングトラック、鈴鹿サーキットがオープン。その翌年の1963年5月にはこの鈴鹿サーキットで第1回日本グランプリ・レースが開催されて、日本のモータースポーツは本格的な幕開けを迎えていた。当然のことながらメーカー各社もレースでの勝利を目指して、しのぎをけずっている。

1966年1月、鈴鹿に続く国際公認トラックの富士スピードウェイがオープン。3月にはこの完成を記念した第4回クラブマン・レース富士大会が開かれた。

そしてそのツーリングカー部門で総合1位、2位をさらったのが、コロナXプロトタイプ「RTX」であった。RTXの名はファンにとっても耳新しいものだったが、ボディスタイルはアローラインのコロナ ハードトップ(以下、HT)そのものであったから、レース用にチューンアップされたレーシング・コロナであることは容易に想像できた。

事実、RTXはSUツインキャブで90psの4R型エンジンを搭載したコロナHT1600Sをベースにした高性能プロトタイプであった。

ただし、エンジンは1600Sの4R型をヤマハ発動機がチューニングし、DOHC化した9R型が搭載されていた。4気筒、DOHC、1587ccで、最高出力は110ps/6200rpm、最大トルクは14.0kgm/5000rpm。最高速175km/h、ゼロヨン加速17.3秒のハイスペックを誇った。

アローラインの3代目コロナの車両型式はRT40、追加設定されたコロナHTはRT50であったから、RTコロナのプロトタイプXで「RTX」。これがネーミングの由来であった。

このRTXは翌67年7月の鈴鹿12時間耐久レースにも2台が出場し、またも1位、2位を独占した。その翌月の67年8月、RTXはトヨタ1600GTの名で市販を開始する。車両型式名RT55。

外観デザインは従来のコロナHT1600Sとほとんど変わらなかったが、9R型のDOHCエンジンに加えて、内装も3カ月早く登場した兄貴分の最高級スポーツカー、トヨタ2000GT から流用した豪華装備が盛りこまれていた。

リクライニング付きビニールレザー張りのバケットシートにフルスケールの大径メーターなどの計器盤、コンソールボックスなどがそれであった。

ギアボックスも4速のほかに当時はまだ珍しい5速をそろえた。価格は4速が96万円、5速仕様(トヨタ2000GT用)が100万円ちょうどであった。

サスペンションはフロントがウイッシュボーン/コイル、リアがリーフリジッド。ブレーキはフロントがディスクでブースターが標準、リアはPCVつきのLT式ドラムである。

タイヤは6.45 14-4PRのロープロファイルとおとなしいが、もちろんレーシングタイヤの装着が前提になっている。

ブラックのラジエターグリルで精悍さをきわ立たせたトヨタ1600GTは、海外ラリーや国内レースにも出場。当時の国内ツーリングカーレースでは、GT-Bの名でおなじみのS54型スカイライン2000GTやベレット1600GTが活躍していた。

トヨタ1600GTは1968年1月の全日本鈴鹿300kmレースのツーリング部門での優勝を手はじめに、スカG、ベレGを押えての快勝が続いた。とくに5月の68年日本GPでは1位、2位、4位を占めて、スカGは3位、5位、6位の完敗。

しかし1968年9月、新シリーズのコロナ マークIIの登場で、トヨタ1600GTの生産は打ち切られ、わずか1年余での退場となった。

最後の一花は生産中止後の69年日本グランプリ。スカイラインGT-Rの初陣にひとアワ吹かせようと挑戦。ゴールではトップでチェッカーを受けたが、ペナルティをとられ、GT-Rに敗れる。2Lと対等に闘えた1.6Lのエリートであった。

トヨタ1600GT 主要諸元
●全長×全幅×全高:4125×1565×1375mm
●ホイールベース:2420mm
●重量:1035kg
●エンジン型式・種類:9R型・直4DOHC
●排気量:1587cc
●最高出力:110ps/6200rpm
●最大トルク:14.0kgm/5000rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:6.45S-14-4PR
●価格:100万円

[ アルバム : トヨタ1600GT はオリジナルサイトでご覧ください ]

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

アストンマーティン・ヴァルキリーのデビュー戦とふたりのドライバーが決定。IMSAはデイトナを欠場へ
アストンマーティン・ヴァルキリーのデビュー戦とふたりのドライバーが決定。IMSAはデイトナを欠場へ
AUTOSPORT web
モリゾウがトヨタを激励。豊田スタジアム新コースでの“人力パワー”に観客から拍手/WRC写真日記
モリゾウがトヨタを激励。豊田スタジアム新コースでの“人力パワー”に観客から拍手/WRC写真日記
AUTOSPORT web
「エニカ(Anyca)」サービス終了…カーシェアはどこへ向かうのか?
「エニカ(Anyca)」サービス終了…カーシェアはどこへ向かうのか?
ベストカーWeb
オジエが豊田スタジアムステージの苦手意識を明かす「僕たちはいつも遅い」/ラリージャパン デイ1コメント
オジエが豊田スタジアムステージの苦手意識を明かす「僕たちはいつも遅い」/ラリージャパン デイ1コメント
AUTOSPORT web
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
ベストカーWeb
ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
AUTOSPORT web
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
ベストカーWeb
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
Auto Messe Web
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
AUTOCAR JAPAN
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
AUTOSPORT web
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
乗りものニュース
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
AUTOSPORT web
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
AUTOSPORT web
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
くるまのニュース
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
AUTOCAR JAPAN
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
AUTOCAR JAPAN
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
AUTOSPORT web
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
Auto Messe Web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

246.8354.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

28.0620.0万円

中古車を検索
マークIIの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

246.8354.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

28.0620.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村