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よりスポーティにリフレッシュ アルピーヌA110 Sへ試乗 1.8L 4気筒ターボは300psへ

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よりスポーティにリフレッシュ アルピーヌA110 Sへ試乗 1.8L 4気筒ターボは300psへ

軽く素早く快適なスポーツクーペ

2017年、われわれの期待を背負って舞い降りた、アルピーヌA110。軽く素早く快適で、素晴らしい仕上がりのコンパクトなスポーツクーペだ。早いもので、登場から5年が過ぎようとしている。

【画像】5年目のリフレッシュ アルピーヌA110 S 競合するスポーツクーペと比較 全94枚

まったく新しいモデルが、当初から突出した完成度を得ていることは珍しい。同時に、その改良版が素晴らしい初代を超える存在になりにくいことも、自動車の不思議なところではある。

アルピーヌA110は、英国の自動車関係者にも大きな感銘を与えた。レーシングカー・デザイナーのゴードン・マレー氏も、A110のローンチエディションを楽しんだという。

ロックバンド、ピンク・フロイドのドラマーで自動車コレクターでもあるニック・メイスン氏や、BBCトップギアやアマゾン・グランドツアーなどに出演するジェームズ・メイ氏も、ガレージに納めている。

発売以来、軽量なミドシップ・シャシーに、シンプルで低コストなルノー製コンポーネントと美しいスタイリングが融合し、多くの自動車ファンを虜にしてきた。クラシカルすぎず、デフォルメしすぎず、1960年代のA110を現代へ蘇らせたといっていい。

しかし、期待ほど販売台数は伸びなかった。A110へ心が打たれても、実際にはポルシェ718ケイマンを選ぶ人が少なくなかったようだ。

新CEOのビジョンで販売は74%向上

そんな煮え切らない状況が続いていたアルピーヌA110だったが、親会社に当たるルノーのCEOとして、ルカ・デメオ氏が着任。ルナウルションと彼が呼ぶ新生プランのもと、アルピーヌの再起が図られている。

ルノーの高性能部門、ルノー・スポールとF1チームは、アルピーヌにリブランド。アルピーヌのプロトタイプ・レーシングカー、A380が2021年のル・マン24時間レースに参戦した。2022年シーズンも、意欲的に活動するという。

アルピーヌ・ブランドの存続が危ぶまれたことも、一時はあった。しかし、状況は一変したといえる。

その成果として、A110の販売台数も向上。COVID-19の流行で市場は冷え込んだ状態ながら、2020年の1527台に対し、2021年は2659台と74%も伸ばしている。英国では前年比で92%、フランスでは117%も多く売れたとのこと。

アルピーヌというブランドの認知度が、広く高まったことが要因だろう。英国の高速道路でA110を目撃する回数も、最近は確かに多くなったように思う。

そして次の課題が表れた。走りも見た目も高い評価にあるクルマの輝きを維持するため、どのようにリフレッシュするかだ。そろそろ、市場を刺激する時期がやってきたというわけ。

素晴らしい特長がすべて受け継がれた

アルピーヌが取った手法は、盤石なもの。以前からの弱点といえた、インフォテインメント・システムをアップデートし、トリムグレードを論理的な3種類へ再編成。新しいボディ色が用意され、オプションの選択肢が増やされた。

新グレードは、ベースがノーマルのA110。さらにグランドツアラー志向のA110 GTと、スポーティなA110 Sという3段階の構成になった。空気抵抗を減らし高速域での安定性を高める、エアロダイナミクス・パッケージもオプションとして用意された。

今回試乗したのは、A110 Sで、英国価格は5万9995ポンド(約960万円)からとなる。試乗車には、先出のエアロダイナミクス・パッケージにミシュラン・パイロットスポーツ・カップ2、マイクロファイバー内装などがオプションで追加されていた。

写真とは少し異なるが、ブラックのルーフとフレイム・オレンジに塗られるツートーン・ボディカラーも、1650ポンド(約26万円)のオプション。結果として、価格は7万1689ポンド(約1147万円)に膨らんでいたが、雰囲気はとても良い。

A110 Sの触り心地の良いステアリングホイールを握り運転してみた印象は、驚くほどの新鮮味はないものだった。だがこれは、むしろプラス。登場以来の素晴らしい特長が、すべて受け継がれている。

ステアリングホイールやペダルなど、操作系の重み付けは完璧。シャシーバランスに長け、ボディサイズも丁度いい。ドライビングポジションには非の打ち所がなく、乗り降りもしやすい。

1.8L 4気筒ターボガソリンは300psに

A110 Sではエンジンの最高出力が300psとなり、標準より19%高められる。サスペンションは引き締まり、ハイグリップなミシュランタイヤが組み合わされ、確かにスポーティ度は高い。ちなみに、GTでも300psへ引き上げられている。

ルノー製の1.8L 4気筒ターボガソリン・エンジンは、5000rpmを超えると明確にパワーが高まる。アクセルペダルを戻すと、エグゾーストからパリパリとアフターファイヤーが響く。

コーナーへ侵入すると、通常のA110より明らかにボディロールが小さい。回答性はシャープさを増し、小気味よくイン側へ食らいついていく。そのかわり、しなやかで落ち着きのある乗り心地が、若干犠牲になっている。英国郊外の一般道では、顕著だった。

改良を受けたアルピーヌA110。その仕上がりは、間違いなくポジティブなものだ。サーキット走行を時々楽しみたいというドライバーに、このSはベストチョイスといえる。

同時にベースのA110は純粋さを保ち、GTは長距離移動に適した装備が与えられている。5年目のリフレッシュは、成功だったといえるだろう。

アルピーヌA110 S(英国仕様)のスペック

英国価格:5万9995ポンド(約960万円)
全長:4205mm
全幅:1800mm
全高:1250mm
最高速度:249km/h
0-100km/h加速:4.2秒
燃費:14.7-14.9km/L
CO2排出量:153-160g/km
車両重量:1119kg
パワートレイン: 直列4気筒1798ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:300ps/6300rpm
最大トルク:34.5kg-m/2400rpm
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック

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みんなのコメント

1件
  • この赤かっこいいな
    人気出そうなボディーカラー

    ケイマンSはみんな乗ってるし少し重い
    って人に人気でそう

    速さ求めるともう少し出してケイマンGT4とかロータスエキシージとかだろうけど
    同じくGT4はみんな乗ってるし
    エキシージはスパルタンすぎるし
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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