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クラウンファミリーの先陣を切る「クロスオーバー」はSUVにあらず! 新ジャンル「リフトアップセダン」の正体とは

掲載 更新 25
クラウンファミリーの先陣を切る「クロスオーバー」はSUVにあらず! 新ジャンル「リフトアップセダン」の正体とは

 この記事をまとめると

■新型クラウンの先陣を切るクロスオーバーはリフトアップセダンというイメージ

究極のオヤジキラー「クラウン」はマジメ一辺倒の優等生じゃなかった! なんとトラックまで存在した派生車が面白すぎる

■2.5リッター直4+モーターと2.4リッターターボ+モーターの2種類のハイブリッドを用意

■クラウンクロスオーバーの価格は435万~640万円となる

 先陣を切って発売されるクラウンクロスオーバー

 既報の通り、トヨタのセダンカテゴリーにおけるフラッグシップだった「クラウン」が、4つのバリエーションを持つ、フラッグシップブランドとして生まれ変わった。

 あらためて「クラウン」というブランドの流れを整理すると、1955年に待望の国産乗用車として生まれ、1980年代のバブル期には、1983年に生まれた「いつかはクラウン」というキャッチコピーのとおりに、多くの大衆にとって憧れのモデルへとなり、全盛期を迎える。

 一方で、1989年にセルシオ(海外では初代レクサスLS)が誕生すると、フラッグシップセダンとしての地位を失う。その後、2005年にレクサスが日本導入されたことでトヨタ・ブランドのフラッグシップセダンという冠はクラウンに帰ってきたが、2010年代後半からショーファードリブンとしての地位をアルファードに奪われるなど、往年の勢いを取り戻せないまま、クラウンの販売は右肩下がりとなっていた。

 このままではクラウンという名前は消滅してしまう。そんな危機感が、新型クラウンにおける4車型の同時発表いうドラスティックな変革につながった。そして新型クラウンの発売は2022年秋ということだが、4つのバリエーションは時間差を置いてローンチされる。

 先陣を切るのが、クラウンクロスオーバーである。

 次期クラウンはSUVになる、そんな噂が流れていたこともあり、また21インチの大径タイヤを履いていることから、背の高いクロスオーバーSUV的シルエットと感じてしまうかもしれないが、実物はSUVというイメージのシルエットではない。

 実際、ボディサイズは次のようになっている。 全長:4930mm(+20mm) 全幅:1840mm(+40mm) 全高:1540mm(+95mm) ホイールベース:2850mm(-70mm) ※()内は先代モデルとの差 たしかに全高は増えているが、多くの機械式駐車場に収まる1550mm以下である点は守っている。もっとも全幅については1800mmを超えてしまったので、これまでギリギリでクラウンを駐車場に収めていたオーナーからすると失望ポイントかもしれないが……。

 新型クラウンクロスオーバーの最低地上高は145mmとなっている。多くのSUVが180mm以上を確保していることを考えると、クラウンクロスオーバーをSUVに分類するのは適切ではなさそうだ。

 スタイリッシュなセダンの新しいスタイル

 さらにボディ形状もSUV的ではない。リヤウインドウが斜めになっているのでハッチゲートのように見えるかもしれないが、トランクが独立した4ドアクーペといったボディになっているのだ。

 開発陣にヒアリングしたところ、スタイリングのわかりやすいイメージとして「リフトアップセダン」という表現が出てきたが、まさにその表現こそクラウンクロスオーバーの理解を助けてくれる。クラウンがSUVになったのではなく、スタイリッシュなセダンの新しい表現として大径タイヤと組み合わせたスタイルを提示したと捉えるべきだろう。

 もっとも、冒頭で記した4つのバリエーションのなかには、純粋なセダンもあり、ハッチバック(スポーツ)もあり、典型的なSUV(エステート)もある。しかし、最初にクラウン・クロスオーバーを発売するというのは、クラウンはけっしてセダンを捨てるわけではなく、しかし確実に変化を求めているという意思の現れといえるだろう。

 さて、新型クラウンの基本メカニズムは、エンジンを横置きプラットフォームとハイブリッドシステム(すべてリヤをモーター駆動する4WD)の組み合わせとなっている。ホイールベースからするとトヨタやレクサスのSUVを中心に使われているGA-Kプラットフォームの一員を想像するかもしれないが、それは違うという。たしかにフロントまわりはGA-Kプラットフォームの発展形といえる設計だが、マルチリンクサスペンションなどリヤまわりは完全新設計となっている。

 ハイブリッドシステムも新しいものだ。

 2.5リッターエンジンと組み合わされるハイブリッドユニットはお馴染みのTHS2となるが、リヤを専用モーターで駆動するE-Four(電気式4WD)を標準仕様とする。バッテリーもバイポーラ型ニッケル水素電池とすることで、燃費と出力のバランスをとっている。

 この2.5リッターハイブリッドのシステム最高出力は172kW(234馬力)、WLTCモード燃費は22.4km/Lとなる。車両重量1750~1790kgのクルマとして見ると、かなり良好な燃費性能といえる。実際、同じく2.5リッターハイブリッドのE-Fourを採用するRAV4のシステム最高出力が163kW(222馬力)で、WLTCモード燃費が20.3km/Lであることと比べると、あらゆる面でクラウンクロスオーバーは洗練されていることが理解できる。

 ハイパフォーマンスグレードには、まったく異なるハイブリッドシステムが搭載される。こちらは2.4リッターターボエンジンとモーター、6速ATの組み合わせによりフロントタイヤを駆動、リヤはリヤにはインバーターとモーターを一体化したeアクスルによって駆動するという構成になっている。

 2.4リッターターボとモーター、6速ATそれぞれの間にクラッチを配置することで、エンジン+モーターの出力をATに送ることもできれば、エンジンを切り離したEV走行も可能。さらにエンジンとモーターをつないで発電に専念させることもできるといったものだ。こちらのハイブリッドでもバッテリーはバイポーラ型ニッケル水素電池となる。

 気になるパフォーマンスは、システム最高出力が257kW(349馬力)というあたりから想像しても、クラウンとしては過去イチといえるだろう。さすがに燃費性能は15.7km/L(WLTCモード)とハイブリッドに期待するほどではないが、こちらのパワートレインはターボエンジンとモーターを組み合わせたことでリニアリティと超絶トルクの両方を味わうために生まれたと理解すべきだ。

 シャシーで注目したいのはDRS(後輪操舵機構)を全車に標準装備している点だ。低速域ではフロントと逆相にステアすることで5.4mという最小回転半径を実現。さらに中速域でも逆相ステアを意識的に使うことで軽快な走りを演出。高速域ではフロントと同相にリヤを動かすことでクラウンらしいスタビリティを実現しているという。

 先進運転支援機能においても、スイッチを押すだけでほぼ自動的に駐車する機能やスマートフォンを利用したリモート駐車、さらに条件次第では渋滞時にハンズオフが可能な機能などクラウンという名前にふさわしい“おもてなし”機能が備わっている。

 なにより嬉しいのがクラウン・クロスオーバーの価格設定だ。

 メーカー希望小売価格は、2.5リッターハイブリッドで435万円~570万円。2.4リッターターボハイブリッドは605万円~640万円となっている。これは先代クラウンよりも手の届きやすい価格帯であり、革新的なメカニズムの採用を考えるとバーゲンプライスといえそうだ。

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みんなのコメント

25件
  • ドイツ車を含め世界中でセダンの人気がなくなっているのに、今まで通りのセダンの形でクラウンが生き残れるわけがない。売れるかどうかは別として、少し車高の高い高級セダンというのは新しい試みで面白いと思う。
  • SUVにあらずって、新型は全種類SUVって言ってたのカートップじゃん。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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