■オンロードに軸足を置いたディスカバリースポーツの魅力とは?
今もしあなたがもっと軽快に走る「ディスカバリー」が欲しいなら、まさにピッタリなのがこの「ディスカバリースポーツ」です。
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まずはディスカバリースポーツの概要と立ち位置ですが、押さえておきたいのはディスカバリーとは別のクルマだということです。
ディスカバリーは4×4に迫る走破性と高級さを備えた4WDです。一方、ディスカバリースポーツは、もっとグッとオンロード寄りに軸足を置いた、文字どおりのSUVです。ボディの作り方が根本的に違うのです。
ディスカバリースポーツのボディは、ランドローバーの都会派SUV「レンジローバーイヴォーク」とプラットフォームを共有しています。ランドローバーのラインアップのなかではコンパクトなほうで、いわゆるエントリーモデルともいえるSUVです。
また価格的にもディスカバリースポーツは比較的低めに設定され、ランドローバーのエントリーモデルでもあります。
搭載するエンジンは2リッター直4ガソリンターボエンジンです。じつはこのエンジンは2018年に刷新されたランドローバー独自開発の新世代クリーンエンジンなのです。
それまでフォード製のエコブーストと呼ばれる2リッターのガソリンターボエンジンを搭載していましたが、ランドローバーが開発した2リッター直4DOHCターボに変わったわけです。
このエンジンユニットは、ラテン語でエンジンの語源とされる“インジニウム”と名付けられ、インジニウム・ペトロ―ル・エンジンと呼ばれています。ディスカバリースポーツには、ディーゼルエンジンも用意されていますが、こちらはインジニウム・ディーゼル・エンジンと呼ばれています。
とても滑らかに回る気持ちよいエンジンで、240ps/340Nmのパワーとトルクを発生します。およそ1.9トンあるボディには少々荷が重いかと思いましたが、アクセルを踏むと即座にフワッと膨らむトルク特性と、組み合わされる9速ATの1速がローギヤ寄りになっていることもあって、出足で重さや鈍さは全く感じませんでした。ギヤのつながりも良く、エンジンの気持ちよさを一層引き立ててくれます。
いきなりエンジンの話に入ってしまいましたが、乗り味はスポーツの付かないディスカバリーと比べるとグッとオンロード寄りで、クルマの動きもシャープになっています。
もっとも車両重量1.9トン、前輪軸重量1トンオーバーですから、軽快・シャープといってもそれなりです。決して軽くはない車重とそれをいなすサスペンションの味付けには、やはりランドローバー伝統のしっとりした乗り味が残っています。
それがシャキシャキ動くほかのSUVとの乗り味の大きな違いになっており、また、この乗り味に慣れると、乗用車的ではない独特のテイストがあって、ランドローバーの魅力に引き込まれてしまいます。
■基本性能は折り紙付き! ランドローバーの懐の深さを感じる
室内に目を移すと、こちらは、ディスカバリーとは異なり、かなりシンプルというかビジネスライクというか…。とくにインパネやダッシュボードはあまり個性的とはいえません。
ただし、ダッシュパネル下段にさらりと「テレイン・レスポンス」と呼ばれるオフロードモードセレクトスイッチが用意されているのはサスガです。
この走行モードは「オンロード」「草・砂利・雪」「泥/轍」「砂地」の4つのモードが選べ、エンジンやギヤ、ディファレンシャル、シャシーシステムのレスポンスをトータルで最適化してくれるというものです。
オンロードモードで走るとほかのモードよりもだいぶシャキッとします。足回りだけでなくエンジンもメリハリが効いて活発な印象が強くなります。
雪の路面でほかのモードを試すと、エンジンの応答が穏やかになっていたり、足回りがしんなりして滑りやすい路面をとらえやすかったり、わだちでは前後輪のタイヤの回転差を抑えたデフロックの感覚が強くなったりと、路面の状況によって操縦感覚が変わってくれるので、走らせていて心強さがあります。
路面を選ばずイージーに走れてしまう基本性能の高さと、それを容易には感じさせない懐の深さがあります。この点はディスカバリーと同様に、ランドローバーのクルマづくりに対する強い思いを感じる部分です。
蛇足になりますが、ディスカバリースポーツの最大渡河水深は600mmもあります。そしてオプション設定のウェイド・センシングを装備すれば、水深がモニターに表示されるようになっています。
600mmの水深を走れるということは、フロア回りやエンジンルームの防水対策も相応に行われているということですから、やはりオフロード性能へのこだわりは尋常ではありません。
そうしたこだわりがランドローバーブランドであり、ディスカバリースポーツを選ぶ理由になるのでしょう。
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