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ラッセル悲劇の失格。原因として疑われるタイヤの摩耗……1.5kg分も削れてしまうことなんてあるのか? ピレリF1責任者が解説

掲載 更新 6
ラッセル悲劇の失格。原因として疑われるタイヤの摩耗……1.5kg分も削れてしまうことなんてあるのか? ピレリF1責任者が解説

 F1ベルギーGPの決勝レースでトップチェッカーを受けたメルセデスのジョージ・ラッセルは、フィニッシュ後の重量計測でマシンがレギュレーションで定められた最低重量を満たしていないことが発覚。失格処分となった。

 メルセデスのチーム代表であるトト・ウルフは、ラッセルの重量不足について「彼は1ストップだった……だからタイヤのゴムがかなり減るかもしれない」と語っていた。

■ラッセルの最低重量違反……その原因は”1ストップ”にあった? ウルフ代表「タイヤがかなり減ってしまっていたかもしれない」

 ただ長い距離を走ったからと言って、重量が軽くなるほど摩耗するものなのだろうか? それについてピレリのモータースポーツ・ディレクターであるマリオ・イゾラは、その可能性は十分にあると指摘した。

 レース後、ラッセルの車両重量は796.5kgと測定された。レギュレーションで規定されている最低重量は798kg……つまり1.5kg軽かったということになる。これがタイヤが摩耗したことが原因だと考えると、1本あたり平均で375g……このくらいの数字ならば、確かに現実的であるように感じられる。

 1スティントでタイヤはどのくらい摩耗するのか? そう尋ねられたイゾラは、次のように語った。

「通常はタイヤ1本あたり、1kgくらいだと思う」

「摩耗状況によると思う。ジョージに起きたことについて触れるならば、実際の摩耗を計測する必要があるだろう。ここでの摩耗はそれほど大きくはないが、ジョージは長いスティントを走ったからね。他のタイヤを見れば、摩耗は大きな懸念ではなかった。だから正しいことを言うには、ジョージのタイヤが戻ってくるのを待って、計測する必要がある」

 通常レースをフィニッシュした後、各車はコースを1周回ってからピットレーンに戻る。この間に各ドライバーは、コースに落ちているタイヤかす(ピックアップ)をタイヤに付け、少しでも車両重量を重くしようとするのが常だ。しかしベルギーGPの舞台であるスパ・フランコルシャンは1周の距離が長いため、フィニッシュラインを通過した後、ターン1でUターンするようにピットレーンに入り、そのピットレーンを逆走してパルクフェルメに向かう。つまりピックアップを拾うチャンスがないのだ。



 フィニッシュ後の1周で、どのくらいのタイヤかすを拾うものなのか? そうイゾラに尋ねると、彼は次のように語った。

「具体的なことは分からない。しかしジョージは1.5kg足りなかったらしいが、タイヤ4本で1.5kgならば十分に可能だ。タイヤ1本あたり400g……十分可能な数字なんだ」

 ただイゾラは、新品タイヤと使ったタイヤの重量差がどのくらいなのか、一概には言えないと語る。

「コースによってそれは異なる。状況もそれぞれ異なるし、摩耗は直線的に進むものではない。どれだけプッシュするかにもよる。バランスが完璧ならば、4本のタイヤが全て摩耗する。でもここでの摩耗はそれほど大きくない」

「摩耗の断面が教えてくれるようなこともある。例えば、内側のショルダー部分の摩耗が激しいタイヤがあったとする。その場合、注目すべきは容積の摩耗であり、それを測定するにはパルクフェルメが解かれてタイヤが戻ってくるのを待たねばならない」

「最終スティントで使われたタイヤは、まだパルクフェルメにあるんだ」

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みんなのコメント

6件
  • hab********
    チェッカー後にあえてタイヤカスを拾って辻褄合わせとかしてるんだ。
    シビアな世界だね。
  • mar********
    レギュレーションで決まってるとはいえ、なんとも言えない気持ちになります。
    長いコースで知られるスパ フランコルシャンを、まさかの34周を走り切る奇策を自ら提案し、それを成功させたのに...失格だなんて。
    本人は気持ちを切り替える発言をしてるので、1ヶ月後またレースを面白くしてほしい。
    マックスが絶対的とはいえなくなってきているから今年のF1は面白い。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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