言わずと知れた、飛行機の最上級座席であるファーストクラス。北米やヨーロッパへの路線では片道運賃が100万円を超える、セレブシートだ。それくらい払えるお金持ちの読者の方もおられるかもしれないが、筆者のような庶民には到底手の届かない、天上人クラスである。しかし、航空会社の「マイレージ」(一種のポイント制度)を賢く貯めて、運良く特典航空券が確保できれば、無料で乗ることができる(燃油サーチャージや空港利用税等は別途必要)。過日、実際にマイルを使ってJALのファーストクラスに乗る機会を得たので、そのレポートと、マイルの賢い貯め方を解説したい。
文・写真/外江彩
100万円超のファーストクラスもマイル利用なら手が届く!? JALファーストクラスの旅
■セレブシートを満喫! JAL国際線ファーストクラス
今回搭乗したのは、羽田発パリ行き、JAL45便、機材はボーイング777-300ER。同機に備えられているファーストクラスは、1-2-1の4アブレストが2列の計8席である。
ラウンジ4階の広く明るいメインダイニング
旅の始まりは、ラウンジから。羽田のファーストクラスラウンジは、ビジネスクラス乗客やグローバルクラブ会員が利用できるサクララウンジとは異なり、ファーストクラス乗客およびダイヤモンド・プレミア会員のみが利用できる特別なラウンジだ。4階の広いダイニングと、5階のバーがある。4階には寿司カウンターがあるのだが、コロナの影響で一時閉鎖となっており、メインダイニングでの提供となっていた。
ラウンジで提供されるメニューも種類が多く、最も人気なのはJALカレー。滅多に入ることができないラウンジのせっかくの機会、あれもこれもと飲食したいところなのだが、時間と胃袋の限界が悔しい。そんなこんなでラウンジを満喫していると、すぐに搭乗時刻となる。ファーストクラスは最も早く搭乗できるGROUP1なので、早めに搭乗口に向かおう。
席に着くと、担当のCAさんがご挨拶に来てくださり、出発までのウェルカムドリンクをいただける。出発後は、食事のタイミングを聞いてくれる。疲れてまず寝たい人、ラウンジで食べすぎてしまった人は、後から出していただくことも可能だ。
食事は、洋食または和食を事前にウェブやアプリから登録することをおすすめする。必須ではないかもしれないが、フードロス削減のためにも、是非登録してほしい。また、アレルギーやその他の理由で食べられないものがある場合には、事前の申し出が必須だ。
機内食は洋食をチョイス! ワインもある
洋食の場合はフレンチ風のコース料理、和食の場合は懐石風のコース料理となる。内容は路線によって異なる。メインの食事の他にも、軽食やアラカルトメニューが用意されており、手元のコントローラーからいつでも注文することができる。
眠る時には、専用のナイトウェアを貸し出してくれる。化粧室で着替えている間に、ベッドメイキングがなされ、エアウィーブのマットレスと羽毛布団で快適な睡眠をとることができる。このように、乗客の要望を先読みして、待たせることなく全て段取りする、細やかな配慮がファーストクラスらしさを演出している。
時間を持て余す場合には、23インチの大画面で映画を見るも良し、軽食やお酒を楽しむのも良し。10時間以上の長距離フライトでも全く疲れを感じさせない、さすがはJALの最上級クラスであった。
マットレスと羽毛布団でメイキングベッド。シングルサイズのベッドより少しゆとりがある程度のサイズ。寝返りも快適だ
■目指せ8万マイル! 賢いマイルの貯め方
JALやANAをはじめとする大手航空会社の多くは、独自のマイレージ制度を設けている。自社便に搭乗した路線の距離(マイル)に応じてポイントを貯める制度だ。
制度の基本は、飛行機への搭乗によるマイル積立である。例えば、羽田‐札幌便に普通運賃で搭乗すると、片道510マイル(JAL、ANAとも同じ)が積算される。しかし、運賃種別によって積算率は異なり、割引運賃やパッケージツアーの場合などでは30~75%の積算率となる。また、上位クラスの座席に搭乗した場合には、150%になるなどの諸条件があるので、詳細は各航空会社のwebサイトなどを参照されたい。
しかし、飛行機を頻繁に利用する出張族か、よほどの旅行好きでもない限りは、フライトだけでマイルを貯めるのは難しい。そこで、フライト以外にもマイルを貯める方法がいくつかあるので、ご紹介しよう。飛行機に乗らずしてマイルを貯める人を「陸(おか)マイラー」などと揶揄されることもあるのだが、そんなことは気にせず、夢のファーストクラスを目指そう。
まず、一番効率良くマイルを貯められるのが、航空会社が提携して発行しているクレジットカード(JALカードやANAカードなど)の利用だ。
カード利用額に応じてマイルが積算される。JAL、ANAとも、通常カードでは200円=1マイルの換算だが、マイルが2倍貯まるプログラム(要年会費)への登録、またはゴールドカードなど上位カードを利用すれば、100円=1マイルの換算となる。
詳細は、各社の公式サイトを参照のこと。
・JALカードの公式サイト
https://www.jal.co.jp/jp/ja/jalcard/index01.html
・ANAカードの公式サイト
https://www.ana.co.jp/ja/jp/amc/anacard/
通常のカード利用の他に、飛行機搭乗時のボーナスマイルやキャンペーンも数多くあるので、こまめにチェックするとより貯まりやすい。日頃の買い物や、光熱費の引き落としなどの出費をカードに一元化すれば、毎月それなりのマイルが貯まる。
他のカードブランドでも独自のポイント制度からマイルに変換できるものが多いが、換算率が圧倒的に異なる。
例えばJCBのオリジナルカードの場合、1000円=1ポイント(JCBのOkiDokiポイント)で、1ポイント=3マイル(JAL、ANAの場合)なので、333円=1マイルとなり、前述の換算率のおよそ1/3となる。やはり航空会社提携カードがマイル積立には効率的である。
(※カード会社のポイント制度はカードの種類や利用額、利用店舗などにより非常に複雑なため、換算率は一概ではなく、上記の例はあくまで一例。しかし、ほとんどの場合、航空会社提携カードが最も効率的である。)
また、電子マネーの利用でもマイルが貯まる。JALの場合はWAON、ANAの場合はEdyと提携しており、200円=1マイルが積算される。
その点だけを見れば、電子マネーよりクレジットカードを使ったほうが良いように見えるが、実はさらなる技がある。電子マネーのチャージ方法に航空会社提携クレジットカードを設定しておけば、電子マネーの利用とクレジットカードの利用で一挙両得できるのだ。
例えば、電子マネー1万円利用ぶんを、航空会社提携カードでチャージすれば、電子マネー利用による50マイルにカード利用の100マイルが加算され、合計150マイルを獲得できる。この場合、約67円=1マイルとなり、とても換算率が高い。コンビニやスーパーでの支払いに積極的に利用すれば、塵も積もれば山となり、夢のファーストクラスが近づく。
また、日常的に広く展開されているポイント制度(dポイント、Pontaポイント、Tポイントなど)もマイルに換算できるので、これもしっかり貯めておきたい。
では、東京‐ヨーロッパ路線でのファーストクラスの片道には、いくらのマイル数が必要なのかというと、JALの場合80000マイルである。
提携クレジットカードの利用のみでは800万円分であり、マイルの有効期限(JAL、ANAとも基本3年)を考えると結構な出費が必要になる。必要マイル数だけ見ると、気が遠のいてしまうが、キャンペーンの登録、電子マネーの利用、その他ポイントからの交換などの手段を用いると、案外貯まるもので、庶民の筆者でも十分に貯まった。最も大事なことは、出費を無駄なく効率的にマイルに積み立てる意識だ。
ファーストクラスでのみ供されるジャンポールエヴァンとのコラボによるチョコレートと、ファーストクラス専用マグカップ
■マイルから特典航空券への交換方法
無事にマイルが貯まったとしよう。これでファーストクラスに乗るためには、マイルを使って特典航空券を予約する必要がある。ここで注意したいのが、空席があれば予約できるわけではなく、各社とも「特典枠」の範囲内でしか予約できないということだ。
無料で乗る者よりも、運賃を払って乗る客が優先なのは当然のこと。特典枠の詳細については、各社とも明らかにしていないが、予約開始時に数席、あとは空席状況に応じて適宜開放される。旅程を確定させられるなら、予約開始時に押さえるのが最良だ。JALとANAでルールが異なるので、以下個別に説明する。
●JALの場合
予約開始時期は、搭乗便の360日前。往復や乗り継ぎなどがある場合には、最後の旅程の360日前からとなる。JALの場合、片道での予約が可能なので、出発便の360日前に往路のみ予約、帰国便の360日前に復路のみ予約という技が使える。ただし、往路予約時にはまだ帰国便が手配できるとは限らないというリスクがある。
●ANAの場合
ANAの場合、往復での予約が必須(片道利用はできない)。予約開始時期は、帰国便(乗り継ぎがあれば最後の旅程)の355日前から。片道予約ができないという点は大きなネックだが、往路と復路で異なる座席クラスを組み合わせることは可能(往路ファーストクラス+復路エコノミークラス、等)。予約時点で往復とも確定するという安心感はある。
なお、ビジネスクラス以下の特典航空券についてはまた別のルールがあるので、各社webサイトを参照されたい。
さあ、ここまで読んでくださった貴方は、もうファーストクラスも夢ではないとわかっていただけただろう。筆者はエコノミーからプレミアムエコノミー、ビジネスの各クラスを体験しているが、やはりファーストクラスのもてなしは異次元であった。マイルをしっかり貯めて、是非一度体感してみてほしい。なお、二度とエコノミークラスには乗れない体になってしまっても、筆者は責任を持てないので悪しからず……。
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みんなのコメント
ANAはスグに枠が埋まり、空席待ちになる。
JALは必要マイル数が人気度に応じてどんどん増える。
そのあたりの説明が不足している。