スポーツモデル以外で選ぶエンジンの気持ち良さが味わえるクルマ
最近はHV車が幅を利かせているが、やはりエンジンの気持ち良さではガソリンエンジンにアドバンテージがあると言っていい。ただし、ここでは「エンジン命」的なスポーツモデルは含めない。あくまで、実用車の中で、エンジンでも選びたくなるようなクルマたちを選んでみた。
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1)ホンダ・ステップワゴン
まずはホンダ・ステップワゴンの1.5リッターVTECターボ。つまり、HVとともに時代の流れにあるダウンサイジングターボである。高さのあるMクラスボックス型ミニバン、それも重いわくわくゲートを持つステップワゴンに1.5リッターターボで大丈夫かっ!? と思うかもしれないが、じつは平坦路で2リッター並み、1400~2000回転では2.4リッター並みのトルク、加速力を発揮する好ユニット。
しかも出足からのレスポンスに優れ、じつにさわやかに軽快に伸びやかに回り、なおかつ静か。高速走行でも余裕ある、上質な動力性能を持ち合わせる。Mクラスボックス型ミニバンをエンジンで選ぶなら、HVモデルとともにステップワゴンになるだろう。
2)スバル・インプレッサ/XV
クルマ好き、エンジン好きの間で定評があるのがスバルの水平対向エンジン。インプレッサでは2リッター、しかしXVでは欧州向けに開発された、軽やかなドライブフィールが自慢の1.6リッターエンジンが優秀すぎる。同ユニットでも搭載するクルマによって微妙にマッチングの良し悪しが変わる好例とも言える。(CVTのギア比違いによる)
インプレッサの2リッターはドイツ車を思わせる重厚・濃厚な回転フィール、XVの1.6リッターは軽やかで爽快(そうかい)な回転フィールが特徴。水平対向らしい振動のなさも相まって、エンジンそのものを楽しめ、感動できるのがスバルのエンジンでもある。
3)ホンダ・オデッセイ
オデッセイの2.4リッターエンジンもいい。HVもなかなかだが、ガソリン・アブソルートに積まれる2.4リッターDOHC VTECは標準車と別物のハイチューンが施された、ホンダこだわりのスポーティユニット。同じガソリンエンジンでも標準車は175馬力、23.0kg-m。しかしアブソルート用は190馬力、24.2kg-mとスペックも強力。
走らせれば、世界のミニバン随一と言えるスポーツ性能を、スポーティな操縦性、フットワークとともに味合わせてくれるからゴキゲンだ。もちろんレギュラーガソリン仕様である。
4)マツダCX-5/CX-8
クリーンディーゼルで気持ちいいエンジンなどあるはずがない……と思っていたら、時代後れ。これもまた、同じエンジンでも搭載モデルによって相性、気持ち良さが異なるのだが、国産クリーンディーゼルエンジンで定評あるマツダの進化したSKYACTIV-D 2.2は、最新のアテンザよりもSUV系のCX-5、CX-8との相性がよりいいと思っている。
とにかくガソリン車かくやと思えるほどスムースかつ濃厚・上質にまわり、意外なほど静か(車外騒音も)。つまりは、エンジンノイズの遮断性能のレベルによって差が出てくると推測できる。その点、国内では最上級車に位置する高級クロスオーバーSUVのCX-8はもはや「回さずとも」気持ちいいレベルに達した、フレキシビリティにも富む極上のクリーンディーゼルエンジン搭載車と言っていい。
何しろ同ユニットを積むCX-5に対して約200kgの車重増に対処するため、可変ジオメトリーターボ、急速多段燃焼などの技術をフル投入。スペックは190馬力/4500rpm、45.9kg-m/2000rpmまで引き上げられ、2WDで17.6km/LというJC08モードの燃費性能、余裕駆動力まで確保している。
ちなみにCX-5にはガソリンとクリーンディーゼルがそろうが、軽やかに爽快に回るのがガソリン、CX-8同様、濃厚・上質に回るのがクリーンディーゼルとなる。個人的に「よりいい上級感あるエンジン」と感じるのは後者のほうである。
5)ホンダN-BOX
では、軽自動車で気持ちいい実用エンジンなどあるのだろうか? 答えは「ある」。それもNAエンジンである。そう、ホンダN-BOXのNAエンジンである。もちろん高回転まで回してどうの、絶対的動力性能がどうの、という意味ではなく、実用域のスムースさ、フレキシビリティ、静かさで優れているのだ。
しかも東京~軽井沢を往復し、碓井軽井沢ICからプリンス通りに至る長い登坂路も苦にならない必要十分な性能の持ち主。N-BOXにはターボエンジンもあるが、2000回転までの回転域でゴロゴロした振動が目立ち、気になる人はボクのように気になるはず。ゆえにN-BOXではNAエンジンのほうが気持ちいいとさえ言いたくなるほどだ。
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