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「ロードローラー」の模型の縮尺はどうして1/50? 大人がハマる「建機モデル」のディープな世界へようこそ

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「ロードローラー」の模型の縮尺はどうして1/50? 大人がハマる「建機モデル」のディープな世界へようこそ

クルマ趣味のなかでもじつは根強いジャンル「建設機械」

 日本以上に「クルマ趣味」が深化している欧米。かつてイギリスにダイハツ「シャルマン」のオーナーズ・クラブがあることを知って驚いた記憶があるが、それはまだ序の口だ。軍用トラックの内装を専門とするレストアショップがあったり、趣味のトラクター専門誌があったり、定置式エンジンの同好会が存在したり……と、とにかく奥が深い。そしてそれら全てをお互いが「クルマ趣味」としてリスペクトしあい、共存共栄しているところが素敵だ。そんな多岐にわたるクルマ趣味のジャンルのなかでも、とくに根強い人気を誇るのが建設機械の分野である。

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欧米には本物の建機を手に入れて遊ぶマニアも

 ダンプカーにブルドーザー、油圧ショベル(パワーショベル)やローダーなど、用途に合わせて無数のラインアップが存在する建設機械の世界。道路工事やビルの建設現場で、普段われわれが何気なく目にしているそれらは、じつは1台1台がそれぞれの作業内容に特化した合目的的な機能美にあふれているという点で、レーシングマシンや軍用車にも通じる。

 そんな建設機械の魅力に取りつかれた欧米のクルマ趣味人のなかには、本物の建機を手に入れて実際に地面を掘ったり土砂を運んだりして楽しむ剛の者もいるほど。それはちょうど、F1チームが放出したF1マシンを手に入れてサーキット走行を楽しむ行為と同様の贅沢、ある意味で究極の趣味道楽といえる。

その道のプロたちが愛でる建機のミニカー

 もちろんそこまで熱烈なマニアでなくても、建設機械の魅力を身近で楽しむことはできる。昔から模型の世界には建設機械のミニチュアモデルというジャンルがある。それは子ども向けの玩具とは一線を画する精密なモデルで、多くは実機メーカーが自社製品のプロモーション用、そして3次元のカタログとして使われることも念頭に置いたものだ。

 その目的からしてそれらのモデルは、実機の見た目を忠実に縮尺しているだけではなく、その機能や利点が理解できるように各部の可動部分まで正確に再現されているものも多い。そしてその精密に縮小された機能美に魅せられ、「建機のミニカー」を専門に収集するコレクターも多く、そのなかには建設会社のオーナーや社員、あるいは実機オペレーターなどの「プロ」も少なくないという。

最新作「SAKAI R2-4マカダムローラー」1/50モデル

 こちらで紹介するのは、2022年10月の全日本模型ホビーショーで発表された「建機のミニカー」の最新作で、「MONO×ケンクラフト」という模型ブランドからリリースされた、酒井重工業製の「SAKAI R2-4マカダムローラー」のミニカーだ。マカダムローラーとは、一般的に「ロードローラー」と総称される舗装用締固め機械のひとつで、前2輪、後2輪のタイプがそう呼ばれる。実機を製造している酒井重工業とは、1918年(大正7年)に自動車、内燃機関車/蒸気機関車の部品製造ならびに修理を目的として創立され、ロードローラの製造を開始したのは1929年(昭和4年)という老舗だ。

 モデルのスケールは建機モデルのスタンダードである1/50。建機モデルだけが一般的なミニカーと異なる縮尺を採用しているのは、建築の設計図が1/50、1/100、1/200といったスケールで引かれるため、作業現場に対する実機のサイズ感が把握しやすいという実用的な理由からと言われる。

実在する企業のバリエーションも忠実に再現

 モデルはボディが亜鉛合金のダイキャストで、手すりやミラーなどのディテールにはABS樹脂、さらに前後のローラーはアルミ無垢材の削り出しパーツが奢られるなど、適材適所で素材を使い分けた贅沢なマルチマテリアル・モデルとなっている。また、シャシー下面の中折部分のダンパーシリンダーは金属パーツを用いて再現され、リアルに可動するギミックはこのモデルの見どころだ。

 ボディカラーは一般的な黄色のほか、本車を運用する実在の企業、大成建設グループの大成ロテックのホワイト、鹿島建設の子会社・鹿島道路が運用するグリーンのバリエーションも用意され、それぞれのモデルのディテールの違いも正確に再現されている。定価は本体3万円+消費税で発売は2023年1月予定とのこと。これを機に、奥深い建機模型の世界の扉を開けてみてはいかがだろうか。

■協力:プラッツTEL:054-345-2047http://www.platz-hobby.com

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