2019年10月6日、2019-2010年FIA世界耐久選手権(WEC)第2戦富士6時間レースが富士スピードウェイで行われ、TOYOTA GAZOO RacingのトヨタTS050ハイブリッド 8号車がポールトゥウィンで優勝。7号車も2位で続き、トヨタは開幕戦に続いて1-2フィニッシュを飾った。
ハンディキャップの影響は予想よりも大きかった
開幕戦に続いてトヨタが1-2フィニッシュを飾ったWEC富士6時間レースだが、その一方でサクセス・ハンディキャップが大きく注目されることになった。
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トヨタTS050ハイブリッドの7号車に乗る小林可夢偉は、金曜日のフリー走行を終えた時点ですでに 「今日は全力走行ではありませんでしたが、サクセス・ハンディキャップがとても厳しい条件だとわかりました。これは辛いレースになるかもしれません。明らかにパワー低下により8号車と大きな差がついています」と語っていた。
サクセス・ハンディキャップは今季からLMP1クラスに導入された新しいレギュレーションで、1周あたりのラップペースに差をつけることを目的としたもの。コース1kmあたり+0.008秒とする係数と、クラス最下位の車両とのポイント差を掛けることによって、ラップあたりのハンデ量が決められる。このサクセス・ハンディキャップは最下位以外の全車両に課される。
具体的には、車両最低重量や最大搭載燃料量、最大燃料流量、給油リストリクター径で総合的に行われ、ハイブリッド車の場合はさらに1ラップあたりの最大エネルギー使用量、ハイブリッドエネルギーの最大エネルギー放出量なども調整される。
サクセス・ハンディキャップが導入されるのは今回のレースが初めてで、WEC富士では7号車トヨタは開幕戦でクラス最下位だった6号車ジネッタG60-LT-P1・AERに対し、1周あたり1.4秒、8号車とは1周あたり0.4秒の差がつくようハンデが課された状態でレースに臨んだ。
サクセス・ハンディキャップは開幕戦とル・マン24時間レースを除く全戦で適用され、ランキング首位と最下位の差が40ポイントを超えるまでハンデが重くなる。
小林可夢偉は「(8号車と1周あたり0.4秒の差がつくようハンデが課されたはずだが、実際には)1周あたり0.6か0.8くらい」ある感じというコメントも残している。
実際に日曜日の決勝レースでも、スタート後、予選2番手からスタートした7号車はノンハイブリッドのレベリオン1号車に先行を許した上、なかなかパスできない苦しい展開となった。12周目にようやくレベリオン1号車を抜いたものの、トップを走る8号車にじりじりと離され追いつくことはできなかった。
小林のチームメイトで、7号車に乗るホセ・マリア・ロペスは「車両性能を最大限に生かし、やるべきことをやりました。課せられたサクセス・ハンディキャップからすると、8号車に大きな遅れをとらずに終えました」と語っているが、7号車は8号車から34秒遅れでゴールしている。
富士6時間レースでは開幕戦とは逆順の1-2フィニッシュを飾ったことで、トヨタの2台は同ポイントでドライバーズランキング首位に並び、次戦ではこの2台にサクセス・ハンディキャップの違いはなくなったが、2位のレベリオンとの差は35ポイントに広がり、さらにハンデは大きなものとなる。
トヨタとしても仕様変更によるハンディキャップは未経験で、最適なセットアップを見出すのに苦労している模様。TOYOTA GAZOO Racing WECチームの村田久武代表は「次の上海はさらに厳しいサクセス・ハンディキャップが課せられることになりますが、新たな挑戦を楽しみにしています」と語っている。
次戦第3戦上海4時間レースは、11月8~10日、中国の上海国際サーキットを舞台に争われる。
2019/2020年WEC第2戦富士6時間 決勝結果
1位 8 トヨタTS050ハイブリッド(ブエミ/中嶋/ハートレー)232周
2位 7 トヨタTS050ハイブリッド(コンウェイ/小林/ロペス) +33.955s
3位 1 レベリオンR13・ギブソン N.ジャニ(セナ/メネゼス/ナト)+2周
4位 29 オレカ07・ギブソン(バン・イアード/バン・デル・ガンデ/デ・フリース)+10周
5位 38 オレカ07・ギブソン(ゴンザレス/ダ・コスタ/デビッドソン)+11周
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