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アルピーヌ、推し進めてきた“F1パワーユニット均等化計画”が頓挫。ライバルとの性能差解消狙うも「時間と労力に見合わない」

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アルピーヌ、推し進めてきた“F1パワーユニット均等化計画”が頓挫。ライバルとの性能差解消狙うも「時間と労力に見合わない」

 ルノー/アルピーヌはF1パワーユニット(PU)の性能面で他メーカーに先行を許していることから、PUの性能を均衡化させる計画を推し進めてきた。しかしmotorsport.comの調べでは、この計画は頓挫したようだ。

 アルピーヌはこの計画に関して、ライバルチームから全面的な支持を得られなかった様子。そのため、パワーユニットに関する一連の改善案を取り下げ、FIAの査定も打ち切られることになったと見られている。

■メルセデスF1代表、PUのパワー均等化求めるアルピーヌを一刀両断「3%の差もない。自分たちで頑張れ」

 7月にmotorsport.comでは、現在開発が凍結されているPUの性能レベルをFIAが分析した結果、アルピーヌのルノー製PUはフェラーリやメルセデス、ホンダ/HRCといったライバルメーカーと比較して約15~25kW(約20~34ps)劣っていることが判明し、PUの均等化に関する話題がF1委員会に持ち込まれたと報じた。

 FIAはベルギーGPで行なわれたF1委員会後に発表した声明で、アルピーヌ/ルノーとライバルPUメーカーとの出力差を「顕著な差」と呼んだ。

 FIAはさらに、F1委員会では「この差異を改善する方法について話し合われた」として、「委員会に出席したPUメーカーは、PU諮問委員会でこのトピックを検討し、委員会に提案を持ち帰るよう委任することで合意した」と語った。

 この動きは、FIAが2023年シーズン前半にPU性能差を確認したことを受けたモノで、2022年に現行PU規則のサイクルが始まった時に、2023年にはPUに変更が加えられる可能性があると合意されていた。

 FIA曰く、これは大きな性能差が次期PU規則サイクル開始時まで「長期間固定される」ことを避けるために合意されたモノだという。

 しかし、どのPUメーカーが変更を行なうにしても、PUにおける性能開発の凍結が最初に合意された2021年に全チームとPUメーカー間で取り決められた“誠意のある”合意が必要となる。

 先月行なわれたF1カタールGPで、アルピーヌのブルーノ・ファミン暫定チーム代表はPU均等化計画について「進展はない」として、チームにとっての「最優先事項は2026年に良いPUを手に入れること」だと語った。

 そして、現行PU規則でパフォーマンスの均衡化を計るための計画を破棄し、FIAもそれを受け入れたようだ。

 アルピーヌはこれまで、誠意ある理解の元で均等化計画を調整していたものの、ライバルから全面的な支持を得られなかったことを受けて、現行PUの出力向上に費やされるはずだったリソースを新PU規則への対応に振り向ける方が良いと判断したと見られる。

 2026年からF1に導入される次世代PUでは、100%持続可能燃料が使用される他、内燃エンジンと電気モーターの出力割合が50:50となることが目指されている。

 motorsport.comがPU均等化計画の進展についてチームにコメントを求めると、次のようなファミン暫定代表のコメントが返ってきた。

「PUの均等化に関するFIAとの話し合いの結果、我々はPUメーカーとして、FIAや他のPUメーカーの立場も考慮して、この問題をこれ以上進めないという決定を前向きに下した」

「PU均等化に関する話題は、7月のF1委員会でFIAから持ち上がったモノで、その後レギュレーションとPUメーカー間の紳士協定に沿って、どのような選択肢があり、どのような性能アップが可能かを検討した」

「我々はすぐ、時間と労力に見合わないという結論に達した」

「そのうえ、わずかな性能向上のために、2026年PUプロジェクトへ向けた我々の努力に水が差されることになる」

 今週末のアブダビGPで開催されるF1委員会では、PU均等化計画の評価が打ち切られることが正式に打ち出される予定だ。

 なおFIAはこの件に関するコメントを拒否している。

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