アブダビのヤス・マリーナ・サーキットで2月10~11日、AsLMSアジアン・ル・マン・シリーズの第4戦とシーズン最終戦が“週末ダブルヘッダー”のかたちで行われ、ランキング2位でシーズンファイナルを迎えたジョージ・カーツ/コリン・ブラウン/マルテ・ヤコブセン組のクラウドストライク・レーシング・バイ・APR(4号車オレカ07・ギブソン)が、逆転で2023-24年のシリーズチャンピオンに輝いた。
クラウドストライクのメンバーはこのレースウイークが始まる前の段階では、ランキング首位に立つ99レーシングのニキータ・マゼピン/アハマド・アル・ハーティ/ルイ・デレトラズ組から20ポイント差をつけられていた。
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しかし、マゼピンが病欠しフィリペ・アルバカーキが助っ人に加わった99号車オレカ07は、土曜日の第4戦をポールポジションからスタートするも90号車オレカ07(TFスポーツ)とのバトルで接触、スピンを喫し最後尾にポジションを落としてしまう。さらにレース中盤には、セーフティカー先導中にGTクラスの選手権リーダーである91号車ポルシェ911 GT3 Rに激しく追突するアクシデントによってマシンにダメージを負い、リタイアに終わった。
対照的に4号車オレカ07は、巧みなストラテジーでプロトン・コンペティション(22号車オレカ07)やAFコルセ(83号車オレカ07)といったライバルを出し抜くと、最後はヤコブセンがマシュー・バキシビエールの駆る83号車に5秒差をつけ、今季2度目のトップチェッカーを受けた。
この結果、クラウドストライク4号車のトリオの獲得ポイントは73となり、70ポイントの99号車を逆転。選手権リーダーとして翌日曜の第5戦アブダビ4時間(レース2)を迎えることとなった。
■APRの姉妹車がシーズン最終戦を制す
アブダビでの波乱の波は2023-24シーズンのフィナーレイベントにも引き継がれることになった。
LMP2クラスのランキング上位2台がわずか3ポイント差でタイトルを争うことになった第5戦。このレースではオープニングラップで4号車もオレカ07も巻き込まれる多重クラッシュが発生したほか、55号車オレカ07(プロトン・コンペティション)と8号車ポルシェ911 GT3 R(EBM)がターン11でクラッシュしたことにより赤旗が提示され、1時間以上にわたって競技が中断される。
この赤旗のタイミングで唯一にピットい入っていたクリス・マクマリー/フレディ・トムリンソン/トビー・サワリー組25号車オレカ07(アルガルベ・プロ・レーシング)は、フィールド上のすべてのライバルに対して大きなアドバンテージを持つことになりレース再開後、一時は75秒もの大きなリードを築く。彼らは大量の貯金をほとんど減らすことなくトップを快走し、最終的には後続に1分09秒の大差つけて優勝を飾った。
一方、同じくアルガルベ・プロ・レーシング(APR)が運営する4号車は、スタート直後のアクシデントで遅れを取ったものの幸いなことにマシンにダメージはなく、その後レースに復帰してポジションを回復していく。一時は4番手まで挽回したが、ラスト2周で燃料補給が必要となりスプラッシュを行ったため、最後は5位でのフィニッシュとなっている。
これに対し99号車オレカ07は、前日のクラッシュの影響で新しいシャシーで最終戦に臨んだものの競争力を発揮できず。ポールポジションからスタートしたが、トップから3周遅れの11位チェッカーに。この結果、クラウドストライク・レーシング・バイ・APRの戴冠が決定した。ランキング2位にはプロトンの22号車オレカ07が入り、開幕戦と第3戦を制した99号車はランキング3位でシーズンを終えることとなった。
LMP3クラスでは、CDスポーツの2号車リジェJS P320・ニッサンとベルトン・レーシングの26号車リジェJS P320・ニッサンが、アブダビでの勝利を分け合った。シリーズチャンピオンは、両レースで2位となったクール・レーシングの17号車リジェJS P320・ニッサン(ジェームス・ウインスロー/アレクサンダー・ブカンツォフ組)の手に渡っている。
GTクラスは、88号車メルセデスAMG GT3エボを走らせるトリプルエイトが週末2連勝を達成。シリーズタイトルは土曜日のレースでアクシデントに遭遇した後、日曜はクラス2位となったピュア・レクシングの91号車ポルシェ(アレックス・マリキン/クラウス・バッハラー/ジョエル・シュトゥルム組)が獲得した。
日本から2023-24年のアジアン・ル・マン・シリーズにフル参戦したDステーション・レーシングの星野敏/藤井誠暢/キャスパー・スティーブンソン組(77号車アストンマーティン・バンテージGT3)は、第4戦をクラス19位、日曜の第5戦を同13位で終えている。
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