ポルシェ・タイカンが、ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェでさらなるラップタイム更新を果たした。7分33秒というタイムは、かつてのポルシェ 911 GT3 RS(997型)に匹敵するものだという。フルバッテリーEVは果たして、どこまで「速く」なるのだろう。
ターボSに対応するパフォーマンスキットでアタック
世界中のスーパースポーツたちが、そのパフォーマンスを証明する舞台として、ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェはまさに「聖地」と言えるだろう。そこに量産の電気自動車が挑むこと自体がある意味、「冒険」であることは間違いない。
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だがポルシェはその現場に、第三者検査機関である「テュフ ラインランド」のスタッフを伴い、20.8kmのサーキットで新記録をたたき出したモデルがあくまでも標準生産のロードカーであることを証明してみせた。ロールケージとレーシングシートは、サーキットアタックに不可欠なものとして装備されているが、車両重量は量産車と同じレベルに調整されている。
もっともこのスポーツセダンには、ポルシェ・テクイップメントが手掛けた新しいパフォーマンスキットと、ポルシェダイナミックシャシーコントロール(PDCC)が搭載されていたことは、触れておいた方がいいだろう。
パフォーマンスキットには、21インチのRS-SpyderデザインホイールとピレリPゼロ コルサ スポーツタイヤが含まれている。同時に、ポルシェ4Dシャシーコントロールのソフトウエアは、ピレリの性能を最大限発揮するようにアップデートされている。リアルタイムで挙動を分析し、最適に制御するシステムもまた、さらなる進化を遂げているわけだ。
これからのニュルは、電気自動車のラップバトルが激化する?
アタックを担当したポルシェのテストドライバー、ラース・カーンは、「かつては、サラブレッド級のスーパースポーツカーだけが7分33秒というラップタイムを刻むことができました。しかしこの新しいパフォーマンスキットのおかげで、私はさらに力強くプッシュすることができ、タイカンはその想いに正確かつ俊敏に応えてくれたのです」
このパフォーマンスキットは現在、ドイツでのみ利用可能だという。対応するのは、2023モデルイヤーのタイカン ターボS スポーツセダンのみ。装着はツッフェンハウゼンのポルシェ・ワークショップで実施される予定だが、コストには工場への送迎、個々の車両承認と登録が含まれているというから、まさに至れり尽くせりだ。
「モデルライン・タイカン」を担当するバイスプレジデント、ケビン・ギークはこの結果について「ニュルブルクリンクの量産電気自動車の最速ラップが、ポルシェの手に戻ったことを嬉しく思います」と、述べている。
「このラップタイムは、我々の新しいパフォーマンスキットにどれだけのポテンシャルがあるかを示すだけでなく、タイカンのスポーツカーの遺伝子を再び確認させてくれるものでした」
ちなみに、テスラ モデルSのスペシャル仕様車「プレイド」が、7分30秒909(旧計測方式)を記録したことを、イーロン・マスクがツイッター上で2019年に「発表」している。ただしこちらは非公式扱いというのが微妙。なにはともあれ今後も、ポルシェvsテスラ(vsもちろん他ブランド)のニュルラップタイムバトルが激化することだけは、間違いなさそうだ。
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絶対ダメだぞ