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メルセデスらしい滑らかな乗り味──電動化にいよいよ本腰を入れたメルセデス初のピュアEV、EQCに試乗

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メルセデスらしい滑らかな乗り味──電動化にいよいよ本腰を入れたメルセデス初のピュアEV、EQCに試乗

メルセデスベンツ初のピュアEV、つまり完全な電気自動車のEQCが日本でも発売された。車名の「EQ」はメルセデスの電動車ブランドを示し、最後の「C」はクルマのクラスあるいはサイズを示すという。ということはEQC、エンジン車でいえばCクラス相当のEVであることを意味している。

メルセデス・ベンツ EQC|Mercedes Benz EQC

ラグビーW杯のために1937年式でユーラシア横断を敢行した英国人(後篇)

EQブランド第1弾となるEQC。グレードは限定55台のEQC Edition 1886と、通常のEQC 400 4MATICの2種類を用意する。前者は1200万円で、後者は1080万円。

ただし、そのボディスタイリングを見れば一目瞭然なように、CクラスセダンのEV版ではない。ボディ形態からいうと、EQCはCクラスのSUV、GLCのEV版と考えればいい。実際プラットフォームの基本はGLCと共通で、2875mmとされるホイールベースも事実上GLCと同じといっていい。

メルセデス・ベンツ EQC|Mercedes Benz EQC

4WDとしているが、駆動方式は前後アクスルに搭載した2つのモーターを状況に合わせて駆動する。基本的には前輪駆動となるが、負荷が高まる領域では4輪を駆動する。

全長4770×全幅1925×全高1625mmというサイズも、やや全長が長いもののほぼGLC並みだが、スタイリングのテイストはEQC独特のものがある。中央にスリーポインテッドスターが輝くものの、ぐっと丸くて滑らかなノーズに始まるそれは、全体に曲線的なラインとスムーズな面構成が目に止まる。この滑らかなタッチがEQシリーズのデザインコンセプトなのかもしれない。

メルセデス・ベンツ EQC|Mercedes Benz EQC

EQC Edition 1886の1886というのは、カール・ベンツとゴットリープ・ダイムラーが世界初のガソリン自動車を発明した年にちなんでいる。

機構的には、前後アクスルにそれぞれ1基ずつのモーターを配置した4WDで、2つのモーターの最高出力は408ps、最大トルクは765Nmとなる。通常の低中負荷領域では前輪のモーターだけで走り、状況によって後輪のモーターも駆動して4WDとなる。

メルセデス・ベンツ EQC|Mercedes Benz EQC

2つのモーターの合計出力は408ps。最大トルクは765Nmを発揮し、航続距離はWLTCモードで400kmとしている。EVならではの発進時から最大トルクを生み出す、いわゆるワープ感のある加速を楽しめる。

バッテリーは前輪と後輪のあいだの低い位置に搭載するリチウムイオンで、容量は80kWh、WLTCモードの航続距離は400kmと公表されている。車重は2500kgとそれなりに重いが、0-100km/h加速は5.1秒、最高速は180km/hとされている。

すべてが滑らかいかにもSUVらしい高めのドライバーズシートに身体を収めると、目の前のダッシュボードには最近のメルセデスに共通する横長の液晶ディスプレイが位置するが、エアコンのアウトレットなどには独特のデザイン処理が施してあり、GLCとは違うクルマであることを主張する。

メルセデス・ベンツ EQC|Mercedes Benz EQCアクセルを軽く踏んで走り出すと同時に感じるのは、すべての感触が滑らかなことだ。電気モーターだから当たり前だが、パワートレーンも、ステアリングの感触も、すべてメルセデスらしい滑らかさに満ちている。それに加えて、これもEVだから当然ではあるが、“ヒーン”というモーター関連の軽い唸りが耳につくだけで、静かなことも印象に残った。

メルセデス・ベンツ EQC|Mercedes Benz EQCサスペンションの作動感もメルセデスらしいスムーズな感触で、しかも車重は2.5t近くあるから、乗り心地もソフトで快適なものだ。ただし試乗車はAMG仕様の21インチホイール&タイヤを装着していたため、荒れた路面ではバネ下の重さが若干感じられたが、標準仕様の20インチタイヤならまず気にならないだろう。

メルセデス・ベンツ EQC|Mercedes Benz EQC

新たなデザインコンセプト「プログレッシブラグジュアリー」を基にデザインしたインテリア。エアコンの吹き出し口やドアパネルにローズゴールドのパーツを採用している。

EQCは、ドライブモードも4つから選択できる。コンフォート、エコ、スポーツ、およびドライバーの好みを入れて設定できるインディビジュアルの4種類。コンフォートがデフォルトのモードだが、アクセルを深く踏み込めばけっこう迫力のある加速を得ることもできる。スポーツモードにするとさらに活発に走れるが、その反面、航続距離が気になるモードではある。

メルセデス・ベンツ EQC|Mercedes Benz EQC

荷室容量は500リッターから1460リッターと、SUVとして申し分ない積載性能を誇る。バッテリーをフロア下に配置することによって、十分な荷室容量を確保した。

メルセデス・ベンツ EQC|Mercedes Benz EQC

オプションのAMGラインを装着した場合に影響される21インチAMGマルチスポークアルミホイール。そのほかにも専用フロントグリルやAMGスポーツステアリングなどを用意している。

違和感なくEVにシフトできる乗り味回生ブレーキの効きも4段階に設定してあり、ステアリングホイールの裏側に備わるパドルの操作で切り替える方式を採っている。回生効果が弱い順に、D+=コースティング、D=低、D‐=中、D-=高というのがその4段階で、D+ではエンジンブレーキなしに空走することになる。

メルセデス・ベンツ EQC|Mercedes Benz EQCその一方で、回生ブレーキ効果の最も高いD-を選択していても、BMW i3のようにクルマが完全停止するには至らず、クルマを完全に止めるためには最終的にドライバーがブレーキペダルを踏むことを要求しているのも、メルセデスらしいと思った。いずれにせよEQCは全体に滑らかな乗り味が印象的で、メルセデスユーザーはあまり違和感なくエンジン車から乗り換えが可能だろうと思われた。

メルセデス・ベンツ EQC|Mercedes Benz EQCそれに加えて、契約満了時に残価の差額精算が不要なリースを用意するほか、5年間、10万kmまでの一般保証と無償のメインテナンスプログラム「EQケア」を全車標準設定、高電圧バッテリーの保証も充実させた上に、全国2万1000基における充電サービスが1年間無料になり、なおかつ交流充電器を無償提供するなどの方策を講じており、メルセデスベンツ日本の電動化に対する本気を感じる。

メルセデス・ベンツ EQC|Mercedes Benz EQC肝心のプライスはいずれも税込みで、日本で55台限定販売の発売記念モデル、EQC Edition 1886が1200万円、来春から納車が始まるという通常モデルのEQC 400 4MATICは1080万円、とされている。

メルセデス・ベンツ EQC|Mercedes Benz EQCメルセデス・ベンツ EQC|Mercedes Benz EQC文・吉田匠 写真・柳田由人 編集・iconic

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