普段見かけるあのクルマがもう対象になっている驚愕の事実
クルマ好きにとって5月は1年でもっとも憂鬱な月ではないだろうか。それは「自動車税・軽自動車税」の納税だ。毎年4月1日時点での自動車の所有者に課せられる都道府県税で、エンジンの総排気量によって税額が決まる。
「旧車乗り」最大の敵! 13年超車の「重課税」は何故「愚策」なのか
だが、とくに旧車オーナーにとって噴飯モノなのは自動車税・軽自動車税は「新規登録から13年経過したガソリン車(ハイブリッド車を除く)・LPガス車」が15%も重課される点だ。これは自動車重量税も同様である。
ちなみに国土交通省による「13年経過」の定義というのは、以下の通りだ。・普通自動車:初度登録年月から12年11ヵ月後に自動車検査証の交付等を受ける場合・軽自動車:初度検査年から13年を経過した年の12月以後に自動車検査証の交付等を受ける場合
では、上記に当てはまるクルマとは一体なんだろうか? 以下、振り返ってみよう。これから紹介する3台はひいき目に見ても古いクルマと思えないものばかりである!
トヨタ2代目アルファード/ヴェルファイア
2008年5月に登場したトヨタのフラッグシップミニバン。FFプラットフォームをベースとし、パワートレインは3.5L V6と2.4L直4ガソリンエンジンの2本立て。のちに2.4L直4+モーターのハイブリッドを追加している。一言で言えば「大きなエスティマ」である。 プラットフォームを刷新し、より洗練された乗り味を実現してはいたが、初代アルファードで採用した凝ったハイブリッドシステム「THS-C」はプリウスと同じ「THS-2」に改められるなど、無難にまとめてきた印象が強かった。だが、日産エルグランドをかなり意識した兄弟車の「ヴェルファイア」を初めて追加し好調なセールスを記録した「中興の祖」だ。
そんな、まだまだ新しいイメージもあるアルファード/ヴェルファイアも初年度登録車がちょうど13年。拡販モデルの2.4L車はまだしも、上級グレードの3.5L V6ガソリンエンジン車は自動車税で9000円も重課されてしまう(5万8000円が6万7000円に)。
トヨタ13代目クラウン
2008年2月にデビューしたのが、13代目クラウンだ。スポーティ路線に振ったゼロクラウンの後継で、こちらもキープコンセプトで登場。2代目アルファードと同じ3.5L V6エンジンを搭載していたほか、3L V6、2.5L V6の3種類のエンジンが用意されていた(同年5月に遅れてハイブリッドが追加)。 いわゆる自動車史としては前述のゼロクラウンと稲妻グリルを採用し話題となったクラウンに挟まれ、影の薄いモデル。だが、今やスタンダードになりつつある全面液晶パネルを採用した「ファイングラフィックメーター」を実装するなど、今見ても古さを感じさせない。カスタマイズ界隈ではむしろ、ベース車としてエースの存在であるだけに「重課税」のインパクトはとても大きい。
ホンダ初代フリード
今や小型ミニバンでメジャーすぎるフリードも、初代モデルは2008年5月にデビューしている。大ヒットした2代目フィットの派生車種で、センタータンクレイアウトを採用した広大な室内空間がウリだった。 1.5L直4ガソリンとハイブリッド(1モーター式)の2本立てだったが、1.5Lガソリン車の自動車税は6000円重課され4万5500円。元の排気量がそれほど大きくないのでインパクトは小さいが、それでも自動車税だけで4万円代に入ってしまうのは苦しい。
まとめ:日本の自動車平均使用年数は実は13年を超えている
日本自動車工業会が発表した統計によると、自動車の平均使用年数(2019年3月末時点)は、乗用車が13.26年で、2010年の7.56年と比較すると9年で5.7年も伸びている。では、2021年現在はもっと年数が伸びていてもおかしくないだろう。そろそろこの馬鹿馬鹿しい税制は見直す時期に差し掛かっているのではないか。この他にも2008年に登場した新車というとマツダ・ビアンテやスバル・エクシーガなど、普段よく見るクルマたちが 既に“13年ルール”に抵触しているのはいかがなものだろうか?
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