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空力特化の曲線ボディ ヒョンデ・アイオニック6、約780万円から 欧州仕様車

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空力特化の曲線ボディ ヒョンデ・アイオニック6、約780万円から 欧州仕様車

後輪駆動のエントリーモデルは約780万円~

ヒョンデは、2023年初頭に欧州で発売する新型EV、アイオニック6の詳細を明らかにした。英国価格は後輪駆動モデルで4万6745ポンド(約780万円)からとなる。

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アイオニック6は、ヒョンデのEVシリーズ「アイオニック」の第2弾となる電動セダン。11月9日に上級装備の初期限定モデルがリリースされており、今回発表されたのは標準の量産仕様となる。

エントリーグレードの「プレミアム」では、20インチホイール、電動ミラー、12.3インチのタッチスクリーン・インフォテインメント・システム、電動シート(ヒーター付き)、プライバシーガラスが標準装備される。

上位グレードの「アルティメット」には、メモリー機能付きエコレザーシート、電動サンルーフ、ヘッドアップディスプレイ、リモートスタート機能、BOSE製プレミアムオーディオシステムといった快適装備のほか、ブラインドスポットモニターやサラウンドビューカメラなど安全装備も追加され、価格は5万245ポンド(約840万円)からとなる。

また、全車にアップル・カープレイとアンドロイド・オートを標準装備している。

ボディカラーは、バイトブルー・パールを標準とし、その他10色が585ポンド(約9万8000円)で用意される。

航続距離は最大610km 350kW充電に対応

アイオニック6は、2020年に発表されたコンセプトカー「プロフェシー」をベースとしており、ヒョンデにとっては初の電動セダンとなる。全長4855mm、全幅1880mm、全高1495mm、ホイールベース2950mmと、テスラ・モデル3やBMW i4、ポールスター2と同等のサイズである。

基本的な構造やパワートレインは、アイオニック6と共有している。モジュール式のE-GMPプラットフォームを採用し、53kWhまたは77.4kWhのバッテリーが搭載される。

53kWhモデルでは、最高出力229psのリアモーター1基を搭載し、77.4kWhモデルでは333psのツインモーター/四輪駆動も用意されている。ヒョンデによると、後者の0-100km/h加速は5.1秒になるという。

クロスオーバーのアイオニック5よりも空力性能に優れ、抗力係数はわずか0.21(Cd 値)。1回の充電で最大610km走行可能とされている。

E-GMPプラットフォームのもう1つの強みは、800Vの電気アーキテクチャにある。350kWの急速充電器を使用すると、18分で10~80%の充電が可能だ。

アイオニック5ではレトロな印象を与えるデザインを採用しているが、アイオニック6では流線型の「シングルカーブ」シルエットを採用している。これは、空力性能の確保とともに、「官能的なスポーティさと希望に満ちた未来性のコンセプト」を具現化するものだという。

ヒョンデのデザイン責任者であるサイモン・ロースビーによると、当初はリフトバックも検討されたが、ヒンジ構造がリアのヘッドルームに影響を与えるだけでなく、空力的にも不利なために不採用になったという。

デザインとしては、ピクセル型のライト、小さなダックテールスポイラー、カーブを描くショルダーラインなど、プロフェシー・コンセプトから多くの要素を引き継いでいる。ただ、150mm厚のバッテリーのために、ルーフラインはコンセプトよりも約200mm高い。

温かみのある機能的インテリア

グローバル・デザイン責任者のイ・サンヨプは、フラットなフロア形状と人間工学に基づいたキャビン設計により、アイオニック6は「まるで第3の部屋」のように使用できると語っている。

「シングルカーブ(単一曲線)のデザインによって、温かみのある『繭』のような雰囲気がキャビンに生まれます。通常、お客様の購入を左右する主な要因はエクステリアデザインにありますが、EVの場合はインテリアがブランドの差別化に繋がります」

インテリアのカラーリングは、ツートンのグレー、ダークオリーブグリーンとライトグレー、ブラックとペールブラウン、そしてブラックの4種類が用意される。

メーターディスプレイと12.0インチのセンターディスプレイは、1枚のパネルに収められている。フラットな形状センターコンソールは作業性に優れ、フローティングタイプのため収納スペースも確保されている。

アイオニック5と比較すると、よりドライバーを中心としたポジショニングになっている。また、状況に応じて複数のドライブモードを設定できる「EVパフォーマンス・チューンアップ」のほか、車速に応じてムードライティングが変化する機能も導入された。

持続可能性を重視し、インテリアには亜麻ベースの人工皮革、再生PET樹脂、植物油ベースの塗料、リサイクル漁網など、環境に配慮した素材が使用されている。

典型的なものは作らない

AUTOCAR英国編集部は、ヒョンデのグローバル・デザイン責任者、イ・サンヨプ(SangYup Lee)氏にインタビューを行った。

――コンセプトカーの「プロフェシー」から発展させる上で、苦労した点は何でしょうか?

「シングルカーブのデザインで、大きな室内空間を持たせながら、ダイナミックなキャラクターを損なうことなく、『ストリームライナー』のアウトラインを得ることが最も困難な課題の1つでした」

「空力性能は重要な要素です。Cd値0.21というのは、他のEVと比べても素晴らしい数値です。風洞実験には多くの時間を費やしました」

――目指すべき性能は、デザインに影響を与えたのでしょうか?

「ある意味、既定路線ですね。航続距離と機能性は実現しなければなりませんから。しかし、EVというのは基本的に、バッテリーパックにモーターを搭載したものですから、どんな違いを持たせるかが課題となります」

「典型的なものは作りたくありません。アイオニック6では、シングルカーブのデザインを採用しました。これを『セダン』とは呼びたくないんです」

――自動車デザインは、今後も「時代」をテーマに考えていくのでしょうか?

「今はちょっと暗い時代ですが、そんな時でも必ず希望はあります。ヒョンデは、タイムマシンで70年代前半のような素晴らしい時代に戻れるんです」

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