現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 60年の歴史、最もハードコアなポルシェ911 20選 公道も走れます

ここから本文です

60年の歴史、最もハードコアなポルシェ911 20選 公道も走れます

掲載 1
60年の歴史、最もハードコアなポルシェ911 20選 公道も走れます

数多く登場した「過激」な911

1963年9月のフランクフルト・モーターショーで、世界で最も有名なスポーツカーが誕生した。当初901と呼ばれたモデルは、翌1964年にポルシェ911という名で発売された。

【画像】現代ポルシェ911の双角【911 GT2 RS と 911 GT3 RS を写真でじっくり見る】 全63枚

以来60年の間に、全体的に見ても、あるいは当時の文脈から見ても、過激でドラマチックな911は数多く存在する。

他にも候補があることを承知の上で、今回は20台をリストアップした。発売された年順に紹介するが、すべて公道向けに設計されたもので、レースカーやラリーカーは含まれていない。

ポルシェ911(1964年)

最初の911が現在に至るまで最もエクストリームな1台であったことは言うまでもない。1964年の初代911と現在のポルシェは大きく異なるが、2つの特徴は一貫している。創業者の孫であるフェルディナンド・アレクサンダー “ブッツィ” ポルシェ(1935-2012)によって描かれたベーシックなフォルムと、リアに搭載されたフラット6エンジンである。

このエンジンは排気量2.0L、最高出力約130psを発生し、当時のポルシェ356よりもかなり強力であった。ポルシェによれば、0-100km/h加速のタイムは9.1秒、最高速度は210km/hと、今となっては控えめな数字だが、1960年代半ばとしてはかなり驚異的なものだった。

ポルシェ911 S(1966年)

1966年、ポルシェは2.0L 6気筒エンジンを160psにパワーアップしたことで、新たな高みに達する。この改良型エンジンは、911 Sと呼ばれるニューモデルに搭載された。

高性能化に対応するため、それまで911には採用されていなかったベンチレーテッド・ブレーキディスクを新たに装着。今では有名な「フックス」の5本スポーツ鍛造合金ホイールも、この時初めて装着された。

ポルシェ911カレラRS 2.7(1973年)

フラット6エンジンは1969年に排気量を2.2L、1971年に2.4L、そして1973年には2.7Lに拡大し、カレラRS 2.7というモデルに搭載された。最高出力210ps、車重1000kg以下(1964年モデルより軽い)のカレラRSは、それまでの911で最高のパフォーマンスを発揮した。

外観は従来モデルとほとんど変わらないが、大型のリアスポイラーが特徴的だ。ポルシェ社内ではこれを「ダックテール」と呼んでいたが、この名称はすぐに世界に広まり、現在に至る。カレラRSの現在の価値は驚異的で、例えば英国では45万ポンド(約8190万円)で売りに出されている。

ポルシェ911ターボ(1975年)

初のターボチャージャー付き911は1974年のパリ・モーターショーで発表され、翌1975年に発売された。ほとんどの市場では911ターボとして販売されたが、北米では930として知られている。

排気量は3.0Lに拡大され、最高出力は260psと初代911の約2倍になった。2年後、排気量はさらに3.3Lに拡大され、最高出力300psに達した。このビッグパワーゆえに、ターボがスプールアップすると一気に加速するため、特にウェットコンディションでの扱いには注意が必要だ。

ポルシェ911スピードスター(1988年)

911を語るとき、パフォーマンスやパワーばかりに目が行きがちだが、いわゆるGシリーズの最終年である1988年、ポルシェは先鋭的なボディスタイルを考案した。

通常よりも短いフロントガラスと、キャビンの後ろの大きな樹脂製カバーに収納できる手動操作のルーフを備えたスピードスターは、356の設計を踏襲しながらも、911史上最も過激なボディスタイルであった。当時はわずか2102台しか生産されなかったが、スピードスターのコンセプトはその後何度も再浮上している。

ポルシェ911カレラ4(1988年)

911の歴史において、ターボチャージャーの次に大きな足跡を残したのは四輪駆動の導入だった。カレラ4は964世代の最初のモデルで(ポルシェによれば、先代とは85%異なるという)、1988年に発売された。

しかし、最初の6か月間はカレラ4以外の911を購入することはできなかった。おそらく多くのファンが待ち望んでいたであろう後輪駆動(RR)のカレラ2は、1989年に登場する。

ポルシェ911カレラRS 3.8(1993年)

964世代の911で3.6L以上のエンジンを搭載したモデルはほとんどない。その例外として、ボアがわずかに大きく、3764ccのフラット6が搭載されたカレラRS 3.8が存在する。わずか55台しか製造されなかったが、これにはRSR 3.8は含まれていない。

カレラRS 3.8は2023年の映画『トランスフォーマー/ビースト覚醒』にも登場している。撮影には5台が使用されたが、ポルシェは希少なカレラRS 3.8にダメージが及ばないよう、レプリカを提供した。

ポルシェ911ターボS 3.6(1994年)

964世代最強のターボチャージャーモデル、911ターボS 3.6は世代末期にごく少数製造された。既存の3.6Lターボをベースに、コンプレッサーを大型化するなどの改良が施され、最高出力は360psに向上している。

製造された93台のうち、76台はヘッドライトをフロントフェンダーに埋め込んだような「フラッハバウ(フラットノーズ)」が採用された。残りの17台はパッケージカーと呼ばれ、従来型のヘッドライトを備え、米国でのみ販売された。その見た目はフラッハバウ仕様よりも標準的であるが、964の中で最も希少かつ高級なモデルであった。

ポルシェ911 GT2(1995年)

GT2とはスポーツカーレースのクラスであり、公道走行可能な「ホモロゲーション・スペシャル」モデルを複数製作しなければ参加できない。四輪駆動は禁止されているが、1990年代半ばにはすべての911ターボが四輪駆動になっていた。そこでポルシェは後輪駆動の911 GT2を新たに作り、レースに挑もうとしたのだ。

トランスミッションの部品点数を減らすなど、さまざまな軽量化策を施した結果、通常のターボよりも身軽になった。もちろん四輪駆動に比べればトラクションは劣るものの、パフォーマンスが大きく向上。ポルシェはその後20年以上にわたり、各世代でGT2を手掛けることになる。

ポルシェ911 GT1シュトラッセンバージョン(1997年)

GT2同様、911 GT1もレースに参戦するために作られたが、標準の911との共通点は名前といくつかのコンポーネントにとどまる。完全にレース用に設計された911 GT1だが、公道走行可能なバリエーションも販売しなければならず、そこで登場したのがシュトラッセンバージョンだ。

シュトラッセンバージョン(ストリートバージョン、公道向けの意)は若干のデチューンが施され、公道走行用にさまざまな装備を追加しているが、それでも際立った存在であることは間違いない。また、市販の911としては初めて水冷エンジンを搭載したモデルであり、またエンジンがリアアクスル前方に搭載された唯一の911でもある。競技用に製造された911 GT1のうち、少なくとも1台が公道用に改造されているため、シュトラッセンバージョンではないにもかかわらず、公道で使用することができる。

ポルシェ911ターボS(1997年)

993世代の911ターボは、3.6Lエンジンを2つのコンプレッサーでブーストし、408psの出力を得た。印象的な数字ではあるが、後期に登場したターボSがスポットライトを独占することになった。

イエローのブレーキキャリパーと大型リアウイングが特徴的な911ターボSは、エンジンもアップグレードされている。米国では、430psの出力がレビュアーに高く評価されたが、他の市場で販売された最高出力450psのバージョンに彼らがどう反応したかは想像に難くない。

ポルシェ911 GT3(1999年)

911に初めて設定されたGT3は、スポーツカーレースのGT3クラスに参戦するために開発されたホモロゲーション・スペシャルである。GT3クラスではターボチャージャーの使用が許可されなかったため、最高出力360psの自然吸気3.6Lエンジンを搭載。ポルシェによれば、ル・マンで優勝した911 GT1のターボエンジンを派生させたものだという。

重量を抑えるために装備は最小限に抑えられ、アンチロールバー、リアウィング、そしてギア比さえもアジャスタブルとし、チューニングの幅を広げている。

ポルシェ911 GT3 RS(2003年)

ポルシェはすでに「GT3」と「RS」の名称をハイパフォーマンスモデルに使用していたが、2003年にこの2つを組み合わせた911 GT3 RSが登場。ファンの期待通り、カーボンファイバー製のリアウイングやエンジンカバー、ブレーキディスクが装着され、さらに軽量化のためにポリカーボネート製のウィンドウが採用されるなど、非常に刺激的な仕様となっている。

また、30年前のカレラ2.7 RSを彷彿とさせるデカールなど、過去のモデルを意識したデザインが施された。

ポルシェ911 GT2 RS(2010年)

すでに過激だった997世代のGT2をさらにアップグレードしたのが911 GT2 RSだ。ブースト圧を高めることで、3.6Lツインターボエンジンの出力を620psまで引き上げ、最高速度330km/h、0-100km/h加速3.5秒を実現した。

AUTOCAR英国編集部の記者は2010年のレビューで「合法化された狂気」と表現し、「永遠に忘れられないドライビング体験」になると書いた。同時に、より鋭いスロットルレスポンスとよりエキサイティングなエンジン音を持つ現代の911 GT3 RSを好むことも記者は認めている。

ポルシェ911 GTS(2011年)

一見すると、997世代の後期に登場した911 GTSには過激さがまったくないように見えるが、まさにその通りだと言える。ポルシェは「カレラ、ターボ、GTの間をつなぐモデル」と表現し、どのモデルよりもパワフル(408ps)で、0-100km/h加速と最高速度が優れており、価格も比較的手頃だった。

加速の一瞬のスリルが去った後は、この時代の911で最も楽しい時間を過ごせるという意見もある。AUTOCAR英国編集部は911 GTSを「崇高」な存在であり、「おそらくあなたが必要とする911のすべて」と評している。

ポルシェ911 GT2 RS(2017年)

GT2を名乗る最新のモデルは、RSのみが設定されている。3.8Lツインターボエンジンの最高出力は700psで、公道走行可能な911の中で最も強力だ。

最高速度は340km/hとこちらもトップ。7速PDKツインクラッチ式セミオートマチック・トランスミッションの力添えもあり、0-100km/h加速は2.8秒とされる。これに匹敵する後輪駆動の911は他にないが、後述のように四輪駆動モデルは若干上回るパフォーマンスを見せている。

ポルシェ911ターボS(2020年)

ポルシェは992世代のターボSを「911史上最速」と表現している。これがどれほど正しいかは、「速い」という言葉をどう定義するかによって異なる。GT2 RSと比較すると、ターボSは重く、3.7Lツインターボエンジンの出力は低く(650ps)、最高速度(330km/h)ではわずかに下回る。

しかし、GT2 RSにはない四輪駆動を採用しており、それが0-100km/h加速のタイムに違いをもたらしている。いくつかの数字が提示されているが、ポルシェは2.7秒(オプションのスポーツクロノ・パッケージを装着した場合)を謳っており、GT2 RSよりコンマ1秒速い。

ポルシェ911ダカール(2022年)

直進加速性能を除くほとんどすべての面で、911ダカールはこれまでで最も過激な公道モデルである。その車名は、ポルシェが1984年のダカール・ラリーで、当時の911を大幅に改良した953を駆って優勝したことに由来する。

最高速度は240km/hに過ぎないが、車高が高く(しかも可変)、アンダーボディプロテクションやトランスミッションモードが充実しているため、本格的なオフローダーでもある。ラリーと911の歴史に則った由緒正しきモデルであり、通常の911が目にすることのないような過酷なコンディションでも優れた性能を発揮する。

ポルシェ911 GT3 RS(2022年)

進歩は止まらない。現行の911 GT3 RSは、これまでの911 GT3の中で最も高性能なモデルに仕上がっている。1450kgという車重は現在の911の中で最軽量であり、必然的に最もパワフルでもある。自然吸気4.0Lエンジンの最高出力は525psで、先代より25ps向上している。

もちろん、パワーがすべてではない。ポルシェによれば、開発時に250時間に及ぶ風洞実験を行い、40kgのダウンフォースを追加したという。

ポルシェ911 S/T(2023年)

ポルシェは2023年、911誕生60周年を記念してS/Tというモデルを発表した。GT3 RSと同じ最高出力525psの4.0Lを搭載するが、クラシカルな外観を維持するため(画像はオプションのヘリテージデザイン・パッケージ装着車)、大型リアウイングは装備されていない。また、911 GT3 RSとは異なり、サーキットよりも公道での使用に最適化されている。

911 S/Tは性能面でこそやや控えめだが、価格の面では他のモデルを上回る。本稿執筆時点で、日本国内向けの価格は4118万円(税込み)、米国では29万ドル(約4950万円)と、911カレラの2倍以上である。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

「ジャパンモビリティショー2024」に若者たちはどう感じたか? 対話と提案で「次世代モビリティ社会」を作る
「ジャパンモビリティショー2024」に若者たちはどう感じたか? 対話と提案で「次世代モビリティ社会」を作る
ベストカーWeb
プライベート空間重視な人におすすめ! トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
プライベート空間重視な人におすすめ! トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
熊本「交通系ICカード廃止」はむしろ良かった? “大危機”から垣間見える「地方の選択肢」と、都心で広がる可能性とは
熊本「交通系ICカード廃止」はむしろ良かった? “大危機”から垣間見える「地方の選択肢」と、都心で広がる可能性とは
Merkmal
スズキ初ってマジか!! 新型フロンクスの新アイテム採用のヒミツが衝撃
スズキ初ってマジか!! 新型フロンクスの新アイテム採用のヒミツが衝撃
ベストカーWeb
12月7日(土)京都お東さん広場(東本願寺門前広場)で「京都モビリティ会議」開催(入場無料)
12月7日(土)京都お東さん広場(東本願寺門前広場)で「京都モビリティ会議」開催(入場無料)
ベストカーWeb
ルーミー/トール受注再開! 現行は2027年まで販売ってどうよ!? 3年も生き延びるってマジか!? ビッグマイチェンは2025年!
ルーミー/トール受注再開! 現行は2027年まで販売ってどうよ!? 3年も生き延びるってマジか!? ビッグマイチェンは2025年!
ベストカーWeb
全車[EV]化計画を撤回!? ベンツもボルボもEV化減速してるけど…[ホンダ]はどうするん? 
全車[EV]化計画を撤回!? ベンツもボルボもEV化減速してるけど…[ホンダ]はどうするん? 
ベストカーWeb
ホンダが激カッコいいSUV発表! [アキュラADX]みたいなクルマが日本にも必要だろ!
ホンダが激カッコいいSUV発表! [アキュラADX]みたいなクルマが日本にも必要だろ!
ベストカーWeb
[車検]費用が増える? 2024年10月より車検での[OBD検査]を本格運用へ
[車検]費用が増える? 2024年10月より車検での[OBD検査]を本格運用へ
ベストカーWeb
即納って不人気車なの!? なんでそんなに待たなきゃならん!? [納期]にまつわる素朴なギモン
即納って不人気車なの!? なんでそんなに待たなきゃならん!? [納期]にまつわる素朴なギモン
ベストカーWeb
いまさら人には聞けない「ベンチレーテッドディスク」と「ディスク」の違いとは? ブレーキローターの構造と利点についてわかりやすく解説します
いまさら人には聞けない「ベンチレーテッドディスク」と「ディスク」の違いとは? ブレーキローターの構造と利点についてわかりやすく解説します
Auto Messe Web
ラリージャパン2024開幕直前。豊田スタジアムやサービスパークの雰囲気をお届け/WRC写真日記
ラリージャパン2024開幕直前。豊田スタジアムやサービスパークの雰囲気をお届け/WRC写真日記
AUTOSPORT web
メルセデス・ベンツの『GLE』系と『GLS』にオンライン先行受注にて“Edition Black Stars”を設定
メルセデス・ベンツの『GLE』系と『GLS』にオンライン先行受注にて“Edition Black Stars”を設定
AUTOSPORT web
ラリージャパン2024“前夜祭”が豊田市駅前で開催。勝田貴元らが参加のサイン会とパレードランが大盛況
ラリージャパン2024“前夜祭”が豊田市駅前で開催。勝田貴元らが参加のサイン会とパレードランが大盛況
AUTOSPORT web
フランス人スター選手と一緒の気分? 歴代最強プジョー 508「PSE」 505 GTiと乗り比べ
フランス人スター選手と一緒の気分? 歴代最強プジョー 508「PSE」 505 GTiと乗り比べ
AUTOCAR JAPAN
セカオワが「愛車売ります!」CDジャケットにも使用した印象的なクルマ
セカオワが「愛車売ります!」CDジャケットにも使用した印象的なクルマ
乗りものニュース
トヨタWRCラトバラ代表、母国戦の勝田貴元に望むのは“表彰台”獲得。今季は1戦欠場の判断も「彼が本当に速いのは分かっている」
トヨタWRCラトバラ代表、母国戦の勝田貴元に望むのは“表彰台”獲得。今季は1戦欠場の判断も「彼が本当に速いのは分かっている」
motorsport.com 日本版
メルセデスAMGが待望のWEC&ル・マン参入! アイアン・リンクスと提携、2025年LMGT3に2台をエントリーへ
メルセデスAMGが待望のWEC&ル・マン参入! アイアン・リンクスと提携、2025年LMGT3に2台をエントリーへ
AUTOSPORT web

みんなのコメント

1件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1694.03642.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

180.08000.0万円

中古車を検索
911の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1694.03642.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

180.08000.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村